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それでもマクドナルドに行きますか?

私がアメリカに留学していた2013年のある日の新聞で「米国マクドナルドの売上減少がはじまった」という記事を読んだのを記憶しています。その時から現在に至るまでアメリカだけでなく、先進市場、成長市場、新興市場のあらゆる展開エリアにおいて売上減少し続けています。直近においてはコストコントロールで収益性は持ち直し、減収増益にはなっているものの、グローバルで客足が遠のいています。

© リブ・コンサルティング

それぞれの展開エリアで減収の背景は異なりますが、コンビニやコーヒーショップやその他ファーストフード店との競争環境の熾烈化に加え、消費者の「健康志向」の高まりというのが根本的な課題だと思います。

日本ではカサノバ社長の手腕により、業績回復の目処が立ってきています。様々な対策によって、競争環境への適応は出来ると思いますが、消費者の「健康志向」の高まりへの対処は難しく、将来的な売上向上には疑問符がつきます。

当記事にあるように、「太りすぎの子供の割合は米国で42%」という異常な数値に対し、マクドナルドが健康配慮をしていくというのは社会的にとても素晴らしいことだと思います。一方、そもそもマクドナルドが長い時間を掛けて創り上げてきたブランド自体が「健康志向」とは相反するもので、「マクドナルド=健康」としていくのは、ブランドアイデンティティを考えると難しいかもしれません。

マクドナルドブランドが、ファーストフードやサードプレイスとして想起されるものであれば、現代のニーズにもフィットしていると考える一方、ジャンクフードとして想起されるのであれば、もしかしたら時代の要請への役目を終えたと考えるべきなのかもしれません。

マクドナルドのファンたちはどのようにこの変化を捉えていくのでしょうか。マクドナルドが新たな時代の要請にも適応できるのか、という分岐点にあるように思います。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27000400W8A210C1000000/?n_cid=DSTPCS001

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