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国立新美術館「ルーブル美術展 愛を描く」から考えた自分にとっての愛

国立新美術館「ルーブル美術展 愛を描く」に行ってきました!初めての美術館で、どきどきだったのですが、解説が細かくてとても楽しめた〜 定期的に色々行ってみようと思います!

今回は初めての美術館鑑賞を記録に残しておこうと、感想を書きます〜

展覧会概要

ルーヴルが誇る珠玉の“愛”の絵画が一堂に!

人間の根源的な感情である「愛」は、古代以来、西洋美術の根幹をなすテーマの一つであったといえるでしょう。ギリシア・ローマ神話を題材とする神話画、現実の人間の日常生活を描く風俗画には、特別な誰かに恋焦がれる神々・人々の情熱や欲望、官能的な悦び、あるいは苦悩や悲しみが、様々なかたちで描かれています。一方、宗教画においては、神が人間に注ぐ無償の愛、そして人間が神に寄せる愛が、聖家族、キリストの磔刑、聖人の殉教といった主題を介して、信者たちに示されています。

本展では、西洋社会における様々な愛の概念が絵画芸術にどのように描出されてきたのか、ルーヴル美術館の膨大なコレクションから精選された73点の絵画を通して浮き彫りにします。16世紀から19世紀半ばまで、西洋各国の主要画家の名画によって愛の表現の諸相をひもとく、かつてない趣向の展覧会です。ぜひご期待ください。

公式サイト 展示会概要より

展示はプロローグを含めた、5つのエリアに分かれていました。プロローグでは、愛の神やアダムとイブなど。Iでは、古代神話を題材にした作品の愛の表現、IIでは、キリスト教を題材にした作品への愛の表現、Ⅲでは、人間の生活を題材にした愛の表現、Ⅳでは、19世紀フランスを題材にした愛の表現が展示されていました。

宗教、時代背景ごとの愛の表現方法が細かく分けられ、解説されながらの展示。それぞれギリシャ・ローマ神話に登場する神の説明も細かくとてもわかりやすい展示でした。

愛の表現

Iでは、欲情を表す眼差しや、男性の暴力的、女性による誘惑など、人間の根源的な愛情による表現が扱われた作品が紹介されていました。寝ている男性を見つめる眼差しを表現していたり、女性を無理やり奪おうとする男性などが描かれていました。

わたしも先に寝ている夫の変な寝相を眺めていると、かわいいなあ、愛しいなあと思うので、眼差しを向けるって愛の表現だなと実感しながら、作品を見ていました。わたしの場合は、欲望が詰まった眼差しを向けているわけではないですが、「寝ている」という無防備な状況を眺めたいというのは、根源的な愛の一つなのかなと思います。

IIでは、キリスト教における神もとに表現される愛が表現された作品が紹介されていました。家族愛や慈愛が表現される作品が多い一方で、神に捧げるといった犠牲を払うことで神への信仰と愛を示す作品も多かった。Iで取り上げられた根源的な愛から、「愛おしい」と思う気持ちにフォーカス。愛という感情の影響により自己の欲望を叶えるのでなく、自分に生まれた「愛しい」という気持ちをどのように表すが表現されているように感じました。

Ⅲでは、人間たちの様々な愛の形が描かれた作品が紹介されていました。風俗的な題材もあれば、ピアノを弾く男女、庭園でひとときを過ごす男女など、一般的な生活の中にある愛が表現されている作品が多かったです。ピアノや、庭園でのひとときなど、穏やかな時間を共にするということは、愛を表す一つだと感じます。2人の中に穏やかな時間が流れていれば、それでよいという感覚は今も愛として、捉えられている一種だと思います。

Ⅳでは、愛との出会い、死に至る愛(死んでもなお寄り添うなど)が描かれた作品が紹介されていました(このエリアだけ写真OK)。

アモルとプシュケ、またはアモルの最初のキスを受けるプシュケ

アモルの愛情に満ちた表情と、今まさに愛と出会ったプシュケの無垢な表情がとても印象に残った好きな作品でした。根源的な愛や、家族愛、慈愛、性愛など、ⅠからⅢで扱われた題材はそれぞれでしたが、愛とは「人を愛しいと思う気持ち」と「愛に出会った喜び」が、すべての始まりであるように感じます。

愛ってなんだ

愛って何かを考えるのはやはり難しいことなんだなと改めて感じました。これまでわたしは愛とは「所有欲(誰かのものにしたくない)」であると感じていたところがありますが、この展示を見る中で愛とはグラデーションで様々な感情が生まれるものなのかなと思うことができました。

自分の欲望を振りかざしたいという欲望がもとになった愛から始まり、想いが通じ合うと「時間を共有するだけでいい」だったり、「相手に尽くしたい」だったり、愛おしいから尊重したいのような慈愛が生まれてくる。所有欲が満たされると、相手のことを考えられるようになるのかな。

もちろん人によって形は変わりますが、たくさんの愛の表現を見たことで、自分の中の捉え方がちょっとすっきりしたように思います。

愛を表現するときにどんな方法が使えるか考えながら見るのも楽しかった。次は光についての展示がありそうなので楽しみ。


ドラマ用サブスク代にします!