障害を持ちたい憧れ

俺は小さい頃から障害者が羨ましかった。

マンションの前に止まる送迎バス。聞こえる奇声。別に何も精神的なものに限ったことじゃなくて、手でも足でも障害と名がつくなら羨ましかった。
不謹慎なんだろうな。関係ないし知ったことじゃないけど。
手が使えない意思表示の先のじゃあ仕方がないね
足が使えない意思表示の先のじゃあ仕方がないね
人より知能の発達が遅れてるゆえのじゃあ仕方がないね

おれは小さい頃から喘息とか色々重なって、人より長時間の運動ができなくて、低学年の頃はやたら馬鹿にされた。親には何で普通の子ができんのにできないのとか


不登校ってやつもそうだ。一緒くたにしてやるよ

俺の学校には不登校の子向けの学級があった。でもそこには行かせてもらえなかった。何で普通の子みたいにできないのって俺はいつも怒られた。
普通じゃないことを認めてもらえなかった。
そのくせそういう子は仕方ないね失敗しても頑張ったね。一時間でも入れればよく頑張った。
俺の周りにはそういう子が多くて、先生伝いに聞くのは俺が唯一優しくしてくれたとかそんな話だけどそういう奴らは帰って当たり前のように遊んでた。
甘えなのか?うぜえ
高校になる頃には休むことが俺の中で当たり前になった。失敗する、今日は耐えられないそう思ったら学校には行かないようになった。
それで毎日怒られて。今じゃ誰の怒りももはや耳にタコができていた。

完璧主義。失敗は許されない。

俺も墜ちたもんだ。完璧じゃないのが人の美徳だ。誰かに愛されても俺からは愛せない。本当の俺は見たのか?

真実は俺だけが知ってる。



俺は障害を持ちたかった。できないことをやった上で失敗してもその努力を褒めてほしかった。できないことをしなきゃいけない場所に立って逃げ道を塞がないでほしかった。

ふざけんなよ。障害者なんてただの甘えだろ。甘くて甘くてそんなやつに優しくしてやる道理なんてあるものか。
辛いのは知ってる。じゃあ持ってないやつは辛くないのかよ。甘えが許されんなら幸せだろ

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