見出し画像

彼氏に振られました。わたしは別れたくなかった

1週間経ってやっと自分の言葉で説明できるようになったので、投稿します。

先日、約2年付き合っていた彼氏と別れました。去年4月からちょうど1年同棲していましたが、それも解消しました。今はわたし一人、二人で過ごした2LDKのアパートに住んでいます。

筋トレとゲームが趣味で、贅沢もしないで毎日淡々と仕事に行き、ギャンブルもしなければお酒もさほど飲まない彼でした。もともと吸っていた煙草も付き合った当初にやめて、友達がたくさんいるわけでもないけど学生時代からの付き合いがある男友達が数人いてたまに電話したりする彼でした。

そんな彼と過ごす2回目の冬。春の気配も感じるようになってきたそんな季節、だんだんと、これは倦怠期かな?と思うようになってきていました。でも、どんなカップルにも訪れるものだし、スキンシップや会話が減ってもそれは一過性のものだと思い、そんなに気に留めず過ごしていました。

「さみしい」

そう口にするときもたまにありました。でも毎回言うわけにもいかない。毎日一緒に寝ようなんて言わないから、休みが合った日くらい出かけたいし一緒に眠りにつきたい。そのくらいはしたいよ、という気持ちがどんどん膨らんで。

ゲームしながらモニターに向かってばかりいる彼に、「もう我慢できないかも」と言っても、真面目に取り合ってくれない。もう限界でした。平気、平気、と思っているつもりでしたが、それは自分の心ときちんと向き合っていなかったんだと、今になっては思います。

そうして、本当に彼とこの先の将来を考えられるのか?結婚したら、それこそ長い倦怠期のようなものがやってくるんじゃないのか?1年ちょっとの付き合いの倦怠期に耐えられない二人が、結婚できるのか?とぐるぐる考えるようになって、「距離を置こう」と告げました。

「好きな気持ちもよくわからなくなっちゃった。一度、同棲をやめて距離を置きたい」そう言いました。わたしとしては、今後のためのひとつの布石として距離を置いて、お互いの必要性を確かめて、そしたらまた戻ってこようという意味での発言でした。

そこから1週間、彼が夜勤だったこともあり、あまり顔を合わせるタイミングがなく、すれ違いで仕事に行くという日々が流れました。土日も、一人で映画やドライブに行ったりして、わたしなりに頭を整理する時間をとりました。

日曜日の夜、長距離ドライブの帰り道、「やっぱり同棲解消じゃなくて、ちゃんと話し合いをして仲直りしよう。彼が好き。また1からスタートしよう」と心に決めて、帰路を運転しました。そこへLINEの通知音。

「荷物運んだ。引越し準備するね」

彼からでした。え、まだ別れ話とかしてない。帰ったらちゃんと話し合おう。そう送って、これが終わりの瞬間なのかもしれないと悟って涙が溢れました。

家に着いて、彼と向き合って話し合い。彼が手を握ってきて、彼の体温を感じながら、別れ話をしました。わたしは別れたくない。まだ好き。彼がいない生活なんて考えられない。そう伝えました。

でも、ダメでした。彼は、わたしが好きな気持ちがもうわからないと言ったことで、気持ちが切れて、別れることを決めたと言っていました。

アパートの壁には二人で撮ったチェキの写真がびっしり貼られていて、一緒に過ごした時間が急に重く感じられました。そんなに遠くない昔、写真の中のわたしたちは笑っていました。美味しいものを食べて、遠くに出かけて、自然を見て。

そんな二人の歴史が、この日終わりました。この2年を思い出し、二人で泣きました。彼もかけがえのない日々を過ごしてくれていたんだということがそれでわかりました。その時のわたしには、それが知れただけで充分でした。

彼は次の日、荷物を運んで出て行きました。その日、わたしは仕事で、大事な用事があったりしたので空元気状態で過ごしました。その次の日は、思ったより大丈夫、わたしは生きていける、と思いながら朝の準備をして家を出て、車に乗って、いつもの道を進みました。でも、今彼がいる彼の実家の前の通りに差し掛かった瞬間、目の前が涙で見えなくなり、まっすぐ進むべきなのになぜか右折し、そのまま家に帰ってきてしまいました。

ぐちゃぐちゃの顔で家に戻り、そのまま仕事を休みました。さっきまで大丈夫と思っていたのに、もう何も考えられずにただただソファに横になっていました。ここで過ごした日々、そんなに簡単に忘れられるはずがないことをその時に思い知りました。表面張力で張り詰めていた感情の波が、そこで雪崩のように決壊してしまいました。彼がいない空間で、彼との思い出に浸り、また、決別を悟りました。

それでも、わたしは生きていく。違う人と結婚して、違う人との子どもをもうけて、人生を歩む。その頃にはきっと、彼との日々が素敵な思い出に変わっている。これが人生。何億人もいるこの地球上で、一瞬の人生のうち出会えたことが幸せだったんだ。そう思うことにします。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?