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選択肢を狭めることで見える道

作家・燃え殻さんのことを知ったのは2020年の秋。
SNSで「相談の森」という本が発売されることを知り、「答えを出すのではなく、ただ一緒にいること」という文言に惹かれて買ったんです。その言葉通り、お悩みにズバッと答えるというより、一緒になってしゃがんでポツリ、ポツリと言葉を交わしてくれる本で、私が求めていた相談の理想系がそこにありました。

以降、小説やエッセイ集を読んだり、ゲスト出演されたラジオを聴いたり、昨年は燃え殻さん作の朗読劇を観に行ったりと、すっかり私の心の拠り所とさせて頂いている方なんです。

で、4月から燃え殻さんがパーソナリティーのラジオ「BEFORE DAWN(J-WAVE)」が始まり毎週聞いているのですが(聞くたびに私は1人じゃないって安心感のあるラジオです)ある回で届いたお便りとそれについてのお話が印象的でした。

環境を変えたいので上京する予定だが、特にこれといった夢や目標があるわけではなく、ただ環境を変えたいという理由で上京していいのか。やはり夢や目標はあった方がいいのか。

といった内容のお便りに対して、燃え殻さんはこうお話しされました。

「明確な目標や夢はなくてもいいと思ってます。ただ、これだけはやりたくないなとか、絶対無理だってことは書き出すようにしていましたね。それ以外はやるって決めてたんですよ」
「例えばこういうところには住みたくないとか、こんな職業にはつきたくないとか、何か自分の中で絶対に嫌なことを羅列してみたらいいかもしれないですね。そういうのを決めると後々の選択として何かやるのは一個なんで、選択が狭まるのでいいですよ

これは嫌だと思うものを明確にして、選択肢を狭める。
よく聞く、「選択肢を広げる」とは別の視点からの言葉にハッとさせられました。


世の中、選択肢が多すぎるなと時々思うのです。
それは多様性を大切にしようと動いている証拠でもあるから、決して悪いことではないんですけど、ただ、あれもいいこれもいい自由だと言われると、私が手にしたいものってなんだろうって分からなくなっちゃって。

結果、私の求めるものややりたいことを見失ってしまうんです。
いや、見つけることが難しくなってきたって言葉の方が合ってるかも。

でも、この燃え殻さんの「嫌なことを羅列してみる」→「選択肢を狭める」という言葉を聞いて、「選択肢を広げることも良いけど、狭めていくことで本当に手を伸ばしたいものが分かるのかもしれない」と腑に落ちました。
綺麗にいうと、洗練するとでも言うのでしょうか。
前にどこかで聞いた「自分の苦手を知ることでより好きの輪郭を際立たせることができる」という言葉にもつながるような気がしています。


やりたいことってなんだろうとここ最近考えていました。そして迷子になっていました。

だからこの「嫌なことを羅列する」やり方を取り入れて、ちょっとでもいきたいところに辿り着けるといいなあ。


嫌なことってなんだろう。
あ、ずっと同じ場所にいるのは意外と苦手かもしれない・・・。

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