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「幻に夢で逢えたら それは幻じゃない」

「幻に夢で逢えたら それは幻じゃない」
SEKAI NO OWARIの"幻の命"という曲の一節だ。
小学生から高校生の今までこの曲を聴いてきたけれど、改めて歌詞を読んだ時、心から意味を飲み込めていないなと思った。
でも、
私が、嘘みたいに幻に会って、本当に夢でも逢った日から意味がわかった気がするんです。

私の好きなバンドのボーカルの方。
Aさんは私の幻です。
ライブハウスでしか彼が生きていることを感じられない。毎日、夢で逢えますように。と祈りながら眠る。
遠くて見えなくて冷たいけど、私の心から届くところに彼は必ず居て、音楽で触れたら温かい液体を脳みそにぶちまけてくれる人です。
そんな彼とは、祈りの成果か、夢でよく逢えます。
近所の道を夕日が沈む中、2人で歩きました。
2人ベッドの中、秘密の話をしました。
一緒に歌を歌いました。
幻には、幻の世界でしか逢えないと思っていたんです。


ある日、私は初めてライブの出待ちというものをしました。いつもは電車や新幹線の時間に間に合わなくて公演が終わったらすぐ帰るのですが、その日は家の近くのライブハウスでやってくれたので、電車も時間も何も気にする必要が無いため、憧れの出待ちをしてみました。
2ヶ月前くらいから、「何を話そうか…」「どんな手紙を渡そうか…」「気持ち悪いって思われたらどうしよう。それなら早く帰る方が良いよな。」などと考えてもどうしようも無いことばかりを当日の時間ギリギリまで考えて、ドキドキ緊張・ワクワク興奮を胸に、Aさんを待ちました。
30分くらい待ち、
ついにAさんが目の前に!!
さっきまでステージに居た人が!Aさんが大好きで大好きで死んじゃいそうな私の、目の前に!!
幻だと思ってた人にほんとーに、現実で会えたんです。
幻じゃなくて、Aさんは私と同じこの星で一緒に生きていて、音を届けてくれていたのです。


Aさんと夢で逢えたことを思い出す感覚と、出待ちでAさんに会ったことを思い出す、あの感覚は一緒でした。

「幻に夢で逢えたら それは幻じゃない」

夢の中で逢った幻は、幻じゃなくて、
Aさんなのでしょうか。
彼の記憶に私が居なくても
夢の中のAさんは確かにAさんだった。
Aさんであってほしい…んです。

この歌詞はきっと、"願い"が込められている。
"それは幻じゃないんだ"と。

幻じゃない。

私もそうおもいます。
だって違うのならとても、寂しい事だと思うからです。

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