スワンレイク

  数年前まで、フィギュアスケートでの「白鳥」と言えば、オクサナ・バイウルだった。???という方は、YouTubeなりで検索するとエキシビションの「瀕死の白鳥」見ることができる。1994年リレハンメルオリンピック女子シングル金メダリスト。リレハンメルと言えば、あのナンシー・ケリガン襲撃事件があった大会だ。公式練習中に選手同士が衝突するというアクシデントがあったものの、足を3針縫った痛々しい姿で、痛み止めを打ちフリーに強行出場。フリーで1位を獲得し、逆転の金メダルを獲得した、というかイメージ的にサプライズゴールドを獲得した。 ちなみに、次の長野オリンピックではタラ・リピンスキーが、ミス・パーフェクト ミシェル・クワンを抑え、これまたサプライズゴールドを獲得した。当時の規定では可能だった15歳でのゴールドメダリストだ。
 閑話休題。 フィギュアスケートの「白鳥」と言えば、今では2012-2013シーズンの タチアナ・タラソワ振付 浅田真央の演技を思い出す人が多いと思う。 「ボレロ」と言えばやはり、1984年のサラエボオリンピックのェーン・トービルとクリストファー・ディーン組の演技がスケートファンの間では伝説のプログラムの一つだ。 「マンボ」と言えば高橋大輔だろうし、「ダルタニヤン」と言えばフィリップ・キャンデロロだ。  フィギュアスケートは、耳馴染みのある楽曲を使用することが多い。ミュージカルや映画の音楽はノリもいい。反面、すでにそれぞれの楽曲に思い出を持たれている場合も多い。それを覆して余りある演技が、伝説のプログラムになる。 最近は、男子も女子もジャンプに比重が置かれているという訳でもないと思うが、見終わった後に あのコンビすごかったー とか 4回転よく全部降りたなー とか 終盤にあのジャンプ持ってきたかー とかプログラム構成への感想を抱くことが多くなった気がする。 ふとした瞬間に、メロディーと共に振付がフラッシュバックしてくるような、そんなプログラムが少なくはないか。。。 確かに、きちんとしたジャンプの飛び方、降り方。ジャンプ、スピンをはじめコンポーネンツの優劣で点数が出るのだが、記憶に残るのは やはりどこまでも滑らかで優雅なスケーティングだったりするんだけどなぁ、、と呟いて見るシーズン最終盤。 そして、ジャンプをこらえる映像を見るたびに 選手の膝と足首が心配でたまらなくなる。 ジュニアには転んで起きる転んで起きるといったジャンプ練習、ビールマンスピンのような極端に柔軟性を求める技を過度に練習させないと言ったルールでもない限り、有望なジュニアの何パーセントかがシニアに上がる頃には身体を壊してしまうような気がしてならないのだ。あのプルシェンコが言う通り。Stay healthy!  いっそのこと、昔のアイスダンスのように 決まったパターンプログラムをショートとして競わせるなんていうことは、絶対にISUは認めないだろうな。同じ構成の、同じ振付のプログラムを滑ると スケーティングの違いが きっとわかりやすいと思うのだけど。 どうなんだろ。。。
2017年2月28日 記

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