聖胎自生

寒水(かんすい)自粥(びゃくじゅ)凡骨(ぼんこつ)将死(しょうし)
理懺(りざん)事悔(じげん)聖胎(しょうたい)自生(じしょう)

冷たい水を浴び、お粥を食べ、
死ぬほどの厳しい修行を通じて罪を悔い改め、
心から反省するならば、
生まれ変わったように尊い身となる

  世界三大荒行の一つである日蓮宗大荒行。この厳しい修行を行うことにより、日蓮宗の御祈祷を行うことができます。日蓮宗の祈祷は行者の一心の修行により、本仏の大慈大悲の仏力が働いて、妙法の経力が活動し、法華経読誦、唱題の力は修行者の信力をいよいよ深め、ついに念力をも生ずることになるとされています。この大荒行、毎年十一月一日から翌年二月十日までの寒壱百日間、千葉県・大本山正中山法華経寺にて行われめのですが、全国から多勢の僧侶が集まります。日蓮宗の僧侶なら誰でも良いわけではなく、修法規程にのっとった僧侶のみが対象となります。修法について口伝を相承し、祈祷法の伝授を受けるため、たいへん厳しい苦修練行が行われるのだそうです。

 荒行僧の一日は、早朝二時に起床し、朝三時、一番の水から午後十一時まで一日七回、寒水に身を清める「水行」と、「万巻の読経」「木剣相承」相伝書の「書写行」、そして食事は朝夕二回、梅干し一個の白粥。今の世で普通に生活をしてきているものにとっては、修行という言葉よりも苦行難行という言葉の方があっているのかもしれません。このような修行は得度された僧侶の方がなされるもので、一般の方は娑婆世界での日々の過ごし方が修行になるのではないかと思います。
 我が師は「今の世こそ末法の世。これが地獄と同じ世界ではないか」と申されておりましたが、9.11、3.11、そして今、何の罪もない一般の方が生命を奪われている様は、まさにこの世の地獄のようです。イケイケドンドンの明るい未来だけを夢見ていた時代は遠くへ去ってしまったたようです。
 彼の国の人に水を浴びろとは言いませんが、せめて我が国Japanの人々は(仏教がいいとか なになに宗がいいとかはさておき)代々伝わっているであろう教えを紐解き、個々のありようを考える時期になっているのではないでしょうか。さて、一日一日、どう過ごしましょうか・・・。

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