たった1つのコードで曲作り
まずは、コードに注目してこの曲を聴いてみてください。
実は、この曲はC7(シーセブンス)のみでできています。
では、たった1つのコードから1曲を完成させる方法について詳しく解説していきたいと思います。
まえがき
Official髭男dismや星野源など、複雑なコード進行を駆使したPOP曲がメジャーシーンを席巻するようになりました。そういった曲は聴いていてとても刺激的で、そう来るか!という発見があり、次々と景色の変わるアトラクションに乗っているような楽しさがあります。個人的にJPOPはコード進行が凝った曲が多い印象です。一方で、NewJeansのようなKPOPやそのほかの洋楽はとてもシンプルなコード進行で、構造的なインパクトが少なく、ダンスやビジュアルに集中を向けやすいです。(もちろん例外はあります)
コード進行にこだわった曲作りも楽しいですが、コードを1しか使わないという縛りを作ることによって、コード以外の視点を活用した音楽の世界を味わってみましょう。
1コード曲作りのやりかた(4ステップ)
ベース
リズム
はもり
ボーカル加工
この4つの要素に着目して作っていきます。特別難しい理論や技を使うわけではないので安心してご覧ください。
ベース
曲の土台となるベースは、楽曲全体の雰囲気を左右します。コードのルート音(CコードでいうところのC)を弾くと安定した土台になりますが、ルート以外の音を弾くことで(CコードのEやG)不安定感や次への期待の高まりを演出することができます。
#TAGではベースがルート音にこだわらず自由に動き、低い音域でのメロディーのような動きをつけています。コードが一つしか使えないため、単調な音楽にならないようにナインスやイレブンスの音も取り入れ、豊かな響きになるように工夫しています。
リズム
8ビートやレゲエ、ボサノバなど曲に使えるリズムはたくさんあります。リズム単体で聴く機会は少ないですが、一度検索してみると面白いと思います。#TAGではEDM系のビートを取り入れました。
はもり
コードの変化がないことで地味でになる部分を補うようにメインボーカルに対するはもりを足し、厚みのあるボーカルを作り、情報量を増やしました。上3度と下3度に加えて6度下はもりとオクターブはもりを足し、かなり分厚くしています。1コードの中だと、コードの変化に気を使う必要がないので、メインのボーカルを複製して音を下げるもしくは上げるだけで簡単にはもりを作成できます。
また、合唱曲のイメージでメロディーを追いかける旋律も追加しています。
ボーカル加工
サビの終わりのほうで海外の曲でよく使われているボーカルチョップを使ってみました。これは実験的にやってみたので何とも言えませんが、ボーカルの一部を16分音符単位でカットし、複製して並べました。タタタタと、詰まった感じになります。
おわりに
1コードの曲作りは、頭の中でコードの構成音考える割合を格段に下げることができるので、コード以外の要素に着目して作曲できます。たった1つのコードにも色々な響きがあるので、そのコードを存分に味わってみてください。
感想・反応
実際に#TAGを公開してみて、Vocalの声やビートに着目した感想を頂きました。コードについては今のところ触れられていませんが、曲の世界観は伝わったようで良かったです。改めて聴いてみると、コードが進行しないという曲構造から、停滞した様子を表現できたのではないかと思いました。
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