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新型コロナウイルスの日々の感染状況を、格子状バブルチャートでカレンダー風に可視化した

この1週間も毎日のように感染拡大のニュースを聞きました。今週よく耳にしたのが、「月曜日最多」、「火曜日最多」という「曜日ごと」の最多を更新したというものです。報告される新規感染者数は曜日によって揺れがあることから、そのような表現が使われます。全体の傾向とともに、特定の曜日(たとえば月曜日)に着目した変化も見たいという場合には、カレンダー表現が便利です。

ちなみに、先日紹介した、二色塗り分け擬似カラーを使用したチャートでは、曜日による揺れを低減し、おおまかな増減を観察しやすくするために7日の移動平均を取りました。

ニュースでは、新規感染者数の日々の変化を棒グラフで可視化したものと、全国の新規感染者数を地図上に表したものを良く見かけますが、ワイドショーでは、カレンダーのように、横方向に1週間の7マスを配置して、日々の感染者数を数字で書き入れた図をみかけます。カレンダー表現は、あのような図をもう少し視覚的にしたものだと考えることもできます。

「情報可視化入門」の第14章 時刻データの表現手法では、小さい長方形の色で値を表すタイルマップを利用したカレンダー表現を紹介しています(図14.20)。1週を横に並べるカレンダーとは違い、1週を縦にならべています。電力使用量をカレンダー表現で表すことで、電力需要の週単位の特徴(土日は需要が少ない)や、1年を通しての傾向(冬と夏は需要が多い)などが読み取れます。

ここではタイルマップではなく、格子状バブルチャートのカレンダー表現で、日々の新規感染者数を可視化したものを紹介します。縦方向に1週間7日を配置し、横方向の位置で週(何番目の週か)を表します。そして、日々の新規感染者数を格子状に配置した円の大きさ(面積)で表します。北海道、東京、大阪、沖縄の8月20日(金)までのデータを可視化したものが下の図です。

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タイルマップでは値を色で表しますが、(格子状)バブルチャートでは値を円の大きさで表すため、色を使わずに値を表すことができます。つまり、色を使う余地が残されているということです。これが、「情報可視化入門」7.2節で説明している拡張可能性で、色をどう使うかは、視覚的表現のデザイナーの腕の見せ所とも言えます。色でも値を表すように変えたのが下の図です。新規感染者数を円の大きさと色の両方で表しているため、表現としては冗長ですが、読み取りやすくしたり、強い印象を与えたり、という効果があります。

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せっかくなので、違う情報も表すことにしました。7日前と比較して、つまり同じ曜日での減少あるいは増加を、青と赤で表しました。さらに、過去最多の日は円を塗り潰しました。このような情報は円の大きさでも表されているわけですが、色によって直接表現することで、波の様子や特徴が見やすくなります。

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上にあげた図はスクリーンショットですが、下記のWebページでは、その日までに発表されたデータを見ることができます(表示するたびにNHKのサーバーにデータを取りにいきます)。クリックすると全都道府県のデータが表示されます。縦に長いのでスクロールして見てください。表示する都道府県を変更することもできます。

プログラムに不具合等がありましたら、お知らせください。(動作確認を念入りにしているわけではありません。動かない場合にはご容赦ください。容易に修復できないトラブルが発生した場合には、停止します。)

情報提供: NHK(NHKが公開しているデータを可視化して提示しています。)


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