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「おかえりなさい ただいま」弦カル+バンドで演奏した時の貴重な録音

ハリーかつき
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2002年から2005年くらいにかけて音楽学校「ミュージックカレッジ・メーザーハウス」に通っていました。

この学校がなんと、来年3月に閉校してしまうということを聞きました。

非常に悲しいですが、せめて、この学校で得たことを語り継ぐことが、自分にできる恩返しかと思いますので、そこでの楽しかった出来事を書いていこうかと思います。

そのメーザーハウスで、篠田元一先生のマスタークラスという、上級者向けのクラスをとっておりました。

そのコースでは一年に2回、「弦カルテット実習」という目玉イベントがありました。
これはその名の通り、自分で書いた弦楽四重奏の譜面を、プロの弦カルテット奏者の方々に弾いてもらえるのです。

1ヶ月くらいかけて譜面を書いては書き直しを重ねて本番に臨みます。

大抵の生徒は、弦カルテットの4パートのみを想定して書いておりましたが、歌ものにこだわりがあった私はフルバンド+弦カルを想定して書き始めました。

具体的には以下のような編成です。

<バンド>
ボーカル
ギター
ベース
ドラム(カホン)
ピアノ

<弦カル>
第一バイオリン
第二バイオリン
ビオラ
チェロ

私の担当は、作詞、作曲、編曲、ピアノ、指揮。

そうなんです、途中でテンポチェンジやリタルダントがあるので、指揮をする必要があるのです。

ピアノを手を止め、立ち上がって、弦奏者さんたちの前に行き、指揮をするという、慌ただしさ。

おかげでピアノはあからさまに間違えてしまいました。

今となっては良い思い出かな?

冒頭の音源が、2005年でしょうか、その弦カル実習当日の、一発ぶっつけ本番を録音したものになります。

今聴き返してみると、
弦の間奏の部分が、あまり美しく響いていなくて、もったいないと感じます。

そのかわり、間奏があけて、大サビの歌メロが入ってくるところは、とてもドラマティックに書けてるなと。

当時ボーカルをお願いした、京都出身のまりっぺも、感極まったように聴こえます。たまりませんね。

いずれにせよ、生の弦のアンサンブルというのは、
歌い手さん、バンドメンバーにとっても非常に貴重な体験だと思います。

できることなら、音楽をやっている人全員に経験してほしい。

ちなみに少し話は飛びますが、弦楽四重奏というのは、音楽の基本が詰まっているとして、小澤征爾さん主催の音楽合宿にも採用されていると、村上春樹の「小澤征爾さんと、音楽について話をする」という本で読んだことがあります。

私も、一度弦カルの譜面を書いて、演奏してもらうという経験をこのとき持ったため、ほんの少しですが、小澤征爾さんが言わんとしていることはわかる気がします。

今回の実習を踏まえ、また内声の動きなどをブラッシュアップして、機会があれば再チャレンジし続けていつか納得のいく譜面が書けるのかな...などと思っていますが、実際にはこれ以来15年くらい経ちますが、機会は巡ってきません。

逆にいうと、これはそれだけ貴重な機会だったんだなぁ、と、当時こうした機会をいただけたことに、今は感謝してます。

この音源も、大事に保管しておきたいものです。

音楽は一生かけてやるもんだ、と篠田先生に当時教わりましたが、その真の意味も、この弦カルの授業を受けて正しく理解したように思えます。

弦は奥深く、一生かけて追求するするに値する、人類が大事に育ててきた知的財産です。

弦カル実習で、その片鱗だけでも垣間見た。これが大きかった。

そういう意味では教育とは、誰かにキッカケを与えるためのものなんだなぁと思います。

もしもまた、弦のスコアを書く機会があれば、全身全霊をかけてやりたいものです。

いや、弦に限らず、音楽の打席に立たせてもらったら、いつだってフルスイングですけどね!

ちなみにこの曲、今の奥さんと結婚した時、披露宴で連弾で演奏した曲でもあります!

<バンドメンバー>
Vo.まりっぺ
Gt.かおる
Ba.にかちゃん
Dr.こうた
Pf.ハリー

<歌詞>
「おかえりなさい ただいま」

青い空いつしか夕暮れ
街を茜色に染めてゆく

今日の日の悲しみ喜び
やがて夜の闇に溶かすだろう

駅からの道並ぶ家には
くつろぐ音にあふれてる
一日の仕事を終えて疲れを
癒せるひとこと

おかえりなさいただいま
平凡だけど幸せ

この広い地球に産まれて
ひとは言葉を話しはじめる
交わしあう愛しい言葉は
明日への力と変わる魔法

昨日の痛み今日の喜び
すべて分かち合える日まで
様々な不安や悩みを共に
乗り越え進もう

ごめんなさい いやいや
明日は笑いあえたら

今日という日を 君と分け合い
過ごせてとても楽しい
それぞれの家に帰った後にも
どうか伝えて

おやすみなさい さよなら
夢でまた会えるのなら

澄んだ星空に願おう

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