吾輩は童貞である。魔法使いになる気はまだ無い。②準備編

これは魔法使い化の未来に抗う、アラサー童貞の記録である。

ここからは本格的に俺が脱童貞のために何をしたかを書いていこうと思う。

その前に、もしよければ下記の記事もご一読願いたい。(非モテを揶揄するスラングとしての)弱者男性の惨めな回顧録になっている。


筆者スペック

身長:160後半
体重:58kg
体脂肪率:多分16~17%くらい
学歴:私立文系
職業:税金関係
スポーツ経験:バドミントン、水泳
趣味:映画鑑賞(ハリウッドからクソ映画まで)
最近困っていること:苦手な食べ物がないのでお店選びが捗らない

人は見た目が9割

前記事の通り、俺はテキトーな短髪でテキトーな眼鏡のチー牛だった。
当然だが、見た目から変えていかないと女の子は俺には寄ってこない。

まず、ありきたりなモテ指南をYouTubeで漁る。(この時点で以前の俺からすれば全くありえない行為だった)

散々笑いものにされてきて、もはや奈落の底の底まで自己肯定感が沈んでいる俺は、「こんなんで彼女できたら誰も苦労しねえんだよ…」と画面の向こうの胡散臭い、そして薄っぺらい量産型の間抜けども(と当時は思っていた。ぶっちゃけ今でも若干思っている)を罵倒しながらも、とりあえず実践してみることにしたのである。

俺は職業柄、まず複式簿記タイプの家計簿をExcelで自作し、自身の収支を管理することにした。そうすると不要な出費と、自分が見た目に投資できるリソースがどの程度のものか分かってくる。

のちに「らくな家計簿」なるスマホ・PC連動アプリを見つけたので、現在はそれを使用している。簿記を取れとまでは言わないが、将来を見据えるためにも細かな収支管理は必要だと思う。

閑話休題。

リソースを確保し、俺がやったことは以下の通りだ。
それが当たり前の人種からすれば思わず笑っちまうだろうが、
これが”努力になってしまう”人間というのは確かに存在するのだ…。

①スキンケア・メンズメイク

デパコスを買う必要は無かろう。特に化粧水の価格の大半はブランド料であって、効能自体にとびぬけた差があるわけではないらしい。(諸説あり)

俺は無印良品で高保湿の化粧水と乳液を購入し、朝夜の洗顔後に使用。

洗顔の際はこすりつけるのではなく泡を乗せるように洗う。というか泡で洗う。(幸運なことにニキビがそこまで酷くないので俺はやっていないが、知り合いは美容整形外科でダーマペン(跡消すやつ)のお世話になっていた。

床屋と違って美容院では顔剃りができないので、Panasonicのフェイストリマーを購入し、週1で顔の産毛を剃っている。

最初は心底面倒だったのだが、今はもはや完全に習慣化され、逆にやらないと気持ち悪くなってきてしまった。

加えて休日はunoのフェイスカラークリエイター(肌に塗って色変えるやつ)を使って、ヒゲ部分やニキビを隠すようにしている。

②眉毛サロン

当然ながら自力で眉毛を整える技量など俺には無かったし、今も無い。

「マジでこんなもんに金払うのかよ…」と血の涙を流しながら、俺は近場の眉毛サロンへ突撃した。

そして、施術すること1時間。

鏡を見て──俺は驚愕した。

人って眉毛を整えるだけであんなに印象変わるんだね。

薄く生えてる部分をワックス脱毛して、ボンヤリしていた眉毛の輪郭をハッキリさせる施術だったのだが、それ以外何も変わっていないのに周囲の人間が気づくレベルだ。

顔立ちが以前よりもキリっとしたように思えたし、実際そうなったのだ。

気が向いたら眉毛ペンで濃さを調節してみてもいいかもしれない。(俺はたまにやってる)

③美容院

俺の仕事はお堅い業界だが、職場は例外的に多少の髪弄りについては規定がない。

前髪が視界に入るだけでイラつく20余年スポーツ刈りマンの俺だったが、ついに髪を伸ばしてツイストスパイラルパーマをかけることにした。

そして髪形はサイドをツーブロックにしたセンターパート。

理由はセットが楽だからだ。あと単純にマッシュが嫌い。
ぶっちゃけそれ以外何もない。

シャンプーやオイルなどのヘアケア用品も、考えるのが面倒だったので勧められるまま美容院のブランドのものを買った。今でもお気に入りだ。

髪形は眉以上に人の印象を変える。激変した俺は、しばらく待ち合わせの友人に気づいてもらえない生活を送った。

④服

これが…これが我ら陰キャたちには最大の鬼門だと思う。
他は進んでやっているところがあるが、これに関しては今でも苦痛で苦痛で仕方がない。

上3つは多少金払って人の言うことを聞いて、多少財布を痛めればある程度の効果は出る。

だが、これは金を払って財布を痛めたところで「自分に似合うかどうか」「女の子にウケるかどうか」という問題が立ちはだかるのだ。

通販は写真詐欺に遭うのが嫌なので、ユニクロとGUでしか使わない。

ファストファッションから一歩飛び出して(財布の紐が死ぬほど固い俺はZARAがファストファッションだとは思っていない)服を探そうとすると、まず実店舗に行くのが一番安全だ。

しかし、買うかどうかも分からないものについて店員にアドバイスを求める行為が、善良なる小心者の俺はどーーーーーーしても苦手なのだ。なんなら一人で悩んでいるときに話しかけてきてほしくない。(ダルいなこいつ)

あ?「着たい服を着ればいいだろ」だって?

それをやってきたから今まで童貞だったんだろうが!!

着たい服だぁ!?最早そんなもんありゃしねえよ!!

あるとすれば自分に似合って女子ウケする服がいい!!(曖昧)

着たくない服ならあるぜ!!ダメージジーンズとかな!!
ストリート系も苦手だ!!

失礼。嫌なことを思い出してしまった。

閑話休題。

…「服を着るならこんなふうに」という漫画がある。

悩みに悩んで狂った俺はその漫画の序盤だけをつまみ食いして、またファッショナブルな友人達に土下座を繰り返しアドバイスを求めショッピングに付き合ってもらい、結果、似合うかどうかが特に問われないような”無難なファッション”を目指すことにした。

特定の女の子相手に120点出る服装ではなく、全ての女の子相手に70点~80点出せる服装。”自分の型が無い”俺が求めたのは”機会の最大化”だ。

まあ、もしビビッとくればマネキン買いしてもいいんじゃないだろうか。

俺は、基本はファストファッションで無難セレクトをしつつ、たまにマネキン買いをしたり、レディースに手を出してみたり、トチ狂ってシルバーアクセを通販でポチってみたり、なんだかんだ色々やるようになった。

それでも服選びが好きになれないのは変わらないのだが…。

”ありのまま”だから俺は童貞なのだ

「人を見た目で判断するな」「ありのままを好きになってほしい」

そうのたまう奴がいる。少し前の俺もそうだった。

甘えるなよ。人は見た目で判断するものだし、お前だってやっている。

たとえ聖人のような性格だったとて、ウシガエルにようにブクブク太って、男と会うのに化粧をせず、髪がボッサボサで、服がおばあちゃんみたいで、爪の間に泥が詰まっているような女を、お前は好きになれるのか?

誰もありのままを好きになってくれなかったから、お前は童貞なんだ。

努力(常人にとってはそうではないのかもしれない)をして、この先に何があるかは…何も分からない。
でも、変わらないお前では何も得られないなら、変わるしかないんだ。

元がイケメンとかブスとか関係ない。結果が欲しいのにそのための行動ができない人間は最初から尊敬されないし、女の子は寄ってこないと俺は思う。

俺たちはひのきの棒さえ装備していないレベル1の勇者…いや村人なのだ。下地がないのだから下地を作るしかないのだ。やれることは全部やっていくしかないのだ。それがたとえひのきの棒程度の変化であっても、プラスにはなれどマイナスになることは絶対にない。

モテ指南をしているクソ胡散臭い奴らも、まず最初にやれと言っているのだ。童貞を捨てたい俺は、自信のつまらない信条を捨てて、他人の言うことを素直に聞くことにした。自分の思うように生きて童貞のままなのだから、自分の思うように生きるだけでは今後も俺は童貞だと思ったのだ。

結末は未だ見えない。だが、望むモノがあるのなら、全てと戦うしかない。

童貞を続けて幾星霜。

今まで逃げてきた失敗の痛みと、正面から向き合うべき時が来たのだ。
ずっと背負ってきた人生の負債を、返す時が来たのだ。
長く苦しい道のりだ。だが、今諦めたら始める前より悲惨になるだろう。
どうせ嫉妬と憎悪の怪物になるのなら、せめて挑戦してそうなりたい。
俺はそう思った。今でもそう思っている。だから進み続ける。

これは魔法使い化の未来に抗う、アラサー童貞の記録である。


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