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砕けた!美術会 〜第三回〜

こんにちは。美術家の伊山桂です。
今夏はいつにもまして、夏らしい日が短かったような気がする盛岡です。

そんな盛岡で8月6日、8月9日
盛岡市材木町、アートショップ彩画堂「S -SPACE」をお借りして、以前から行っていた会話をテーマとした活動「岩手盛岡美術のこれからを考える会(仮名)」の第三回目を、ちょっと砕けたラフな形式で行いました。

 以前までは集合時間を設定し、のんびり話し合うといった活動でしたが、
今回は、僕がただ会場で待ち、出入り自由で、お越しくださった方の時間が許すだけ好きなことをお話しをするという会でした。

 この2日間、9名の方がお越しくださり、参加者はそれぞれ、画家、美術家、ギャラリースタッフ、電車の運転士さん兼詩作家、学生などこれまでよりも幅の広い方々にご参加いただきました。ありがとうございました。

 今回は計4つのテーマについてお話ししました。(以降、それぞれの会話内容の要約と伊山コメントが続きます)

・開かれた施設
・発表をするということ
・完成のライン
・今したいこと、欲しいもの

「開かれた施設」
 開かれた施設、というと様々な意味合いで捉えることができます。
 美術に関していえば、作品を鑑賞できる施設であったり、自身の作品を展示できる施設でしょうか。
 ここ岩手県盛岡市はその点は現状恵まれていると言えるでしょう。 
 ギャラリー施設が数軒適度にまとまっていることや、展示空間として開放されている喫茶店が多いなど、発表の面においては充実しているように思えます。
 しかし、そのギャラリーが階段を上り下りする必要があったり、少し入るのに一つ度胸のいる空間にあるなど、人をその場へ即すようなアフォーダンス(環境と動物の間の関係性)の形成が難しくなっていることなど、様々な課題もあります。
 また、宮城県立美術館のような施設内にギャラリーや作業室を、岩手県立美術館が有していないこともまた同様に街との関係性の観点で考えていく必要があるように思います。
 開かれた施設が、どう街や生活圏にあるか、また、ないかで、今生きている人やこれから生きていく人たちの価値観や生活の豊かさが変わっていくのではないでしょうか。

「発表をするということ」
 発表をするということはなんでしょうか。
 僕が18歳のころとある画家に投げかけられたこの問いをテーマにお話ししました。  なぜ私たちは発表するのか。発表しなくてはいけないのか。発するという行為が持つエネルギーと、発表を連続させることで現れるエネルギーなど、これまでの岩手で行われてきた美術展を踏まえながらお話ししました。(岩手にて過去21年の歴史をもつプリン同盟と絡めながら。カラメル。)
 表現における「発表」という行為の再考は実に重要なことだと思います。 
 あらゆる芸術表現において、このテーマは前提部分、いわば根幹に問いかけるものです。常に変化しつづける私たち自身と、世界とを見直すことに他ならないのではないでしょうか。

「完成のライン」
一体いつが完成と言えるのでしょうか...
 僕の母校、不来方高校の生徒さんが持ってきたテーマについてお話ししました。
 完成とは一体...これまで実に多くの世界の人を悩ませてきたであろうこのテーマ。
 実際そこに集まった人では「100の状態のものを目指して進める派」と、「目指すことなく進める派」に派閥が別れました。
 これはもちろん制作意図や使用材料によっても変わってくると思います。
 何を完成とするか、完成とは目指すものか、一体完成とは、、簡単に哲学の領域に入ってしまうこうしたテーマ、大切なのはテーマに悩みつづけることと、どこかで少し信じて、進んでみることだと思います。

「今したいこと、欲しいもの」
 最後に今したいこと、欲しいものについてお話ししました。
 ご参加していただいた方々のしたいこと、欲しいものに対する金銭的な価値観が垣間見えてなんだかとても面白かったです。
 また、各々がしたいことや欲しいものを違う職種の人と伝え合うことで、思わぬところで話がつながり、機会が巡り合うことがあります。
 もちろんそれは全ていい面に、いい方向にはつながらないようにも思います。そこには「信用」という雲を掴むようなことが重要になりますが、その信用を作るには会話や対話、活動でレスポンスを繰り返すことが必要であると考えます。
 まぁしかし、それがなんともなのですが...

 以上、「砕けた!美術会」第3回の内容でした。
 今回のこの雑然とした感じが、お越しいただいた方々から好評でしたので、これからも2ヶ月に一度のルーズなペースで(気が向いた時に)おこなっていこうと思います。
 それでは次回第4回でお会いしましょう〜。
 
(依然としてこの会の名前は募集中です。)

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