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ベトナムタイグエン省フービン県の唐辛子栽培について

ベトナム首都ハノイの中心から車で北へ2時間かかる場所に、ベトナム北部タイグエン省フービン県という唐辛子(とうがらし)を大量に栽培しているベトナムでは有名な地域がある。

昔は、フービン県について聞くと、ベトナムの人々は米とピーナッツの田園地帯を思い浮かべていた。

しかし、3~4年ほど前から、とうもろこし、じゃがいも、豆、ピーナッツなどの伝統的な作物を栽培する代わりに、この地域の人たちは大胆にも唐辛子の栽培に切り替えた。

これにより、はるかに高い生産性と収入が得られることがわかったからだ。

現在、唐辛子は、この地域では、年間数百ヘクタールの面積にも広がって農民の主要な作物に躍り上がった。

この地域の人たちから聴くと 2000 年頃から唐辛子を植え始めだそうだ。

最初、ある男性がバクザン省から唐辛子を持ってきて、家族の小さな地域で育てようとしたが、収穫した後、現地では、全く売れなかったのだった。

仕方なく、彼は自転車でバクニン省とバクザン省までに運んで売りに行かなければならなかった。

徐々に、1人ずつ、1人ずつ彼の唐辛子の品質の良さを分ってくれる人がだんだん増えて、ファンになってくれた。そのファンの人たちが支援者、原動力、火種となってくれた。

そのファンの存在が貴重な市場の受入れを生み出してくれた。

そこに来てベトナムならではの唐辛子の人気が裏付けともなり、この地域の彼の懸命な売り込みに心を打たれた人々は、確実な栽培から販売までのフレームワークを描き見通すことが出来ることに強く着目した。

このような流れから、この地域では、収入を増やすために他の作物の代わりに唐辛子を栽培する機運が高まっていったのだった。

今では、フービン県は約100ヘクタールの面積まで拡大した。


唐辛子の栽培20年の経験によると、基本的に技術が理解出来れば、育てやすい作物だ。

また、トウガラシは2回連続して植えると萎凋病にかかりやすくなるため、輪作で栽培した方が良いことも、人々は勤勉なるが故に、良く心得ている。

そして、また、種子を選択する時、霜や害虫を避けるために、滑らかで光沢のある品種を選択する必要があると気がついたのである。

フービン県の唐辛子の収量は、1サオ当たり約0.75トン(ベトナムの北部で1サオは当たり350平方メートルと推定されている)であるそうだ。

販売価格は、1キロ当たり4万から4万5千ドンVD(日本円で約200円から230円ぐらい)で、唐辛子 1サオで、費用を差し引くと 2千万ドンVD(日本円で約10万円ぐらい) 以上の利益が得られる。

フービンの人たちにとって、唐辛子の価格は上下変動が激しくタイミングに左右されるが、高い時には、1キロ当たり 9万ドンVD (日本円で約450円)まで上がることもあるし、たった 7千ドンVD(日本円で約35円)になることもある。

しかし、冷静に評価してみて、米や他の作物を栽培するよりもはるかに高い収入が得られるのだ。

唐辛子栽培のおかげで、近年、フービン県の世帯の経済は大幅に改善された。

村の道路や路地はコンクリートで舗装され、多くの高層ビルが密集して建てられ、一部の世帯は高層住宅を建て、車も買うことが出来るようになった。奇跡的な夢のような人生がそれぞれの勤勉さにより、劇的に実現してきた。


ベトナムの夏は、この時期とても暑いが、唐辛子の畑では、おしゃべりしながら唐辛子を収穫する人々の姿が今でもいつでも見られる。

生活が豊かになったこととは対象的にベトナムの農家達の畑での労働生活は勤勉さと毎日の挑戦の歴史で、いつでも毎日のような日常の地味な光景でしかない。

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