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2023年の映画/美術展ベスト10

 2022年の年末に書いて以来1年ぶりのnote更新となってしまいました。2024年はもう少し何か書けるように頑張ります。

2023年映画ベスト10

①『伯爵』パブロ・ラライン
②『エターナル・ドーター』ジョアンナ・ホッグ
③『ウーマン・トーキング 私たちの選択』サラ・ポーリー
④『バービー』グレタ・ガーウィグ
⑤『ショーイング・アップ』ケリー・ライカート
⑥『アシスタント』キティ・グリーン
⑦『ヨーロッパ新世紀』クリスティアン・ムンジウ
⑧『ブルーザー』マイルズ・ウォーレン
⑨『シルバー・ダラー・ロードの記憶』ラウル・ペック
⑩『忘れられない年』 ブルーノ・ギャロッティ他

 1位はこれしかありませんでした。チリのパブロ・ラライン監督の『伯爵』。大傑作です。日本ではNetflix配信のみですが、チリに旅行に行ったら映画館で上映していました。
 2位のジョアンナ・ホッグと5位のケリー・ライカートは昔から推していたのに長いこと日本公開されなかった天才で、2023年の年末に「A24の知られざる映画たち」という特集で上映されました。
 8位の『ブルーザー』と9位の『シルバー・ダラー・ロードの記憶』はほとんどの人が観ていないどころか存在すら知らないと思うのですが、Netflixで配信された新作です。米国のブラック・コミュニティを知る上で非常に重要な映画です。
 10位の『忘れられない年』はブラジル映画です。春、夏、秋、冬編と4本あり、それぞれ違う監督が担当しています。

その他印象に残った2023年公開の映画
『コンパートメント No.6』ユホ・クオスマネン
『TAR/ター』トッド・フィールド
『サントメール ある被告』アリス・ディオップ
『代行教師』ディエゴ・レルマン
『Aftersun/アフターサン』シャーロット・ウェルズ
『レッド・ロケット』ショーン・ベイカー
『オオカミの家』クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ
『イノセンツ』エスキル・フォクト
『あしたの少女』チョン・ジュリ

2023年未公開映画ベスト10

①『Trenque Lauquen』ラウラ・シタレラ
②『Tótem』リラ・アヴィレス
③『Rotting in the Sun』セバスティアン・シルバ
④『The Starling Girl』ローレル・パーメット
⑤『La llegada』アレハンドロ・ロハス&フアン・セバスティアン・バスケス
⑥『開拓者たち』フェリペ・ガルベス
⑦『Eureka』リサンドロ・アロンソ
⑧『パスト ライブス/再会』セリーヌ・ソン
⑨『マット』ヴーク・ルングロフ=クロッツ
⑩『A Cielo Abierto』マリアナ・アリアガ&サンティアゴ・アリアガ

 1位『Trenque Lauquen』、2位『Tótem』はもうこのワンツーフィニッシュで決めていました。『Trenque Lauquen』は南米のマジック・リアリズムをそのまま映像化したようなアルゼンチン映画で、260分、全12章の大作です。回想や引用が複雑に絡まりあう入れ子構造で、観れば観るほど深淵に引き込まれます。
 2位『Tótem』はメキシコの若手女性監督リラ・アヴィレスの作品で、世界中の映画賞を総なめにしています。おそらくアカデミー賞にもノミネートされるでしょう。2024年内の日本公開が決まっています。
 3位のセバスティアン・シルバはチリ出身の映画監督で、セクシュアル・マイノリティを描く作品で脚光を浴び、米国進出しました。チリ時代から全作観ているのですが、ついにこの作品『Rotting in the Sun』で知名度が跳ねました。
 10位の『A Cielo Abierto』は、アリアガという名字でピンとくる人もいるかもしれませんが、『バベル』『21グラム』の脚本家ギジェルモ・アリアガの娘と息子です。

2023年の美術展ベスト10

 2023年は291の展示に行くことができました。
①風景論以後(東京都写真美術館)
②山城知佳子 ベラウの花(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)
③冨安由真 影にのぞむ(原爆の図丸木美術館)
④合田佐和子展(高知県立美術館)
⑤Re:スタートライン(京都国立近代美術館)
⑥枠と波(豊田市美術館)
⑦女性と抽象(東京国立近代美術館)
⑧Punk!(藝大美術館、金沢アートグミ)
⑨跳躍するつくり手たち(京都市京セラ美術館)
⑩ラテンアメリカの民衆芸術(国立民族学博物館)

その他印象に残った美術展
Before/After(広島市現代美術館)
KYOTOGRAPHIE(京都市内各所)
The Flavour of Power(山口市情報芸術センター)
『前衛』写真の精神(千葉市美術館他)
コレクション1 80/90/00/10(国立国際美術館)
アレックス・ダ・コルテ(金沢21世紀美術館)
私たちのエコロジー(森美術館)

2023年面白かった書籍

順不同です
『この国の芸術』
『彼女たちのまなざし』
『デジタル時代の博物館』
『サウンド・アートとは何か』
『芸術のわるさ』
『アートの値段』
『現代美術キュレーター10のギモン』
『とるにたらない美術』
『田中敦子と具体美術協会』
『アナキズム美術史』

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