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My つわの生き方留学

〇 "つわの生き方留学" って?

 2020年2月12日火曜日から15日土曜日、"つわの生き方留学" のために島根県鹿足郡津和野町というところに行ってきました。この津和野町は山々に囲まれた谷にあって、自然はとてもきれいで、城下町のような雰囲気がとても魅力的でした。さらに伝統料理やお茶、そして和菓子など美味しいものが沢山ありました。

 津和野町は現在、"町全体が学びの場" というコンセプトのもとに教育魅力化という事業をしていて、津和野町に関わる方々全員が地域の学校を盛り上げようと活動しています。活動している方には、地元の方はもちろん県外出身の方もいます。

 "つわの生き方留学" とは、そんな津和野町に関わる方々が 「どんな思いで、なぜ教育魅力化事業に関わっているのか?」 「津和野町に辿り着くまでの人生は?」 などの "生き方" について学ぶための留学でした。

〇 きっかけ&最初の目的

 "つわの生き方留学" を知ったのは、昨年の2019年11月に当日ボランティアとして参加した "エデュコレ~多様な教育の博覧会~ in 関西" でお会いして、そこから良くしていただいているもっちゃんからお誘いしていただいたことで、参加したいと思ったきかっけは、"町全体が学びの場" という津和野町のコンセプトがとても魅力的だったからです。

 春から大阪府での公立中学校教諭になる私は、公教育の在り方について色々と考えていました。

 "何のために存在しているかわからないルール" や "できるだけ 「良い」 学校に入るための勉強" 子どもたちは 「こんな学校に楽しく通うことができるのか?」 「学校を卒業した後に幸せに生きていくことができるのか?」 などの疑問を抱いていました。

 町全体で子どもたちがやりたいことを全力で応援するこの津和野町を知ることで、大阪で 「オモロイ」 学校をつくっていくヒントにしたいと思い、 「つわの生き方留学」 に参加することを決めました。

〇 出発

 津和野町へは夜行バスで向かいました。バスではぐっすり寝れずに朝の7時に津和野駅前に到着。しばらくすると、 "つわの生き方留学" (生き方留学) を企画してくださったもっちゃんハルさんが迎えに来てくれました。まず向かった先はモーニングをやっているカフェ "つかのま"フナヤンさんジローさんが作ってくださった、しらすご飯とエッグトーストの両方を頂きました。

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 お昼になり、他の生き方留学参加者が揃って "寿司・割烹 あおき" で美味しい郷土料理を頂いた後は、いよいよ津和野町で教育魅力化コーディネーターをされているイシクラさんのお話を伺うという、最初のプログラムが始まりました。お話の内容は、教育コーディネーターとは何ぞやという話ではなくイシクラさんの人生のお話でした。そしてそれは、私の今後の生き方留学中の意識大きく変えました。

「恐れるなかれ」

 お話を聞いている中で、 「なぜ私は最近自分を忙しく (ボランティア活動やツアーなどに参加) しているのだろう?」 という疑問が浮かんできました。

 私は心から自分のしたいことをしているのだろうか。何かを恐れて行動しているのだろうか。。。

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 イシクラさんとお会いした後は、食から学ぶ場所 "somemore" というところで、津和野町に住んでいる方々やお隣の益田市からの方々との合同お食事会がありました。素敵なお料理を頂きながら、素敵な出会いが沢山ありました。この津和野町の魅力はそこにある自然や風情のある街並みだけでなく、そこに集まる人達なのだと強く感じました。

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 初日のプログラムが終わり、振り返りの時間に何を感じたのかをみんなでシェア。このときには、イシクラさんのお話を聞かせていただいて感じたことを言語化する自信がなく、また感じたナニカが自分の弱い部分のように感じて恥ずかしかったのか、「深い一日だった」 という感想しか伝えることができませんでした。

〇2日目

 2日目が始まり朝ごはんの時間。普段は1人で食べるか、もしくは食べない朝ごはんを、人が集まって食べる瞬間がとても心地よかったです。

 朝食の後は2日目のプログラムの開始。とても "こいの里" など美味しい和菓子をつく屋さん "三松堂" のアベさんのお話を伺いました。アベさんのお話の中で一番印象に残っているのはこの言葉です。

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「一番近い人から笑顔に」

 私にとって一番近い人は家族です。

 思えば私はこれまで、家族をないがしろにし、その他の人を優先してきました。「家族だから理解してくれるだろう」 「別にいいだろう」 なんて思っていました。でも客観的に見て、そんな自分がとても冷たい人間のように感じました。

 ですが、私に対して容赦なくキツイことを言ってくる親とどうやって向き合えばいいのか。私がどうやって変わるべきなのか。模索中です。

 アベさんとのお話の後は、島根県立津和野高等学校 (ツコウ) へ。ツコウの説明を少しすると、内地留学として県外から来ている生徒がとても多い学校です。そんなツコウで高校生の自主製作プロジェクトの発表準備のお手伝いをさせていただきました。


 私が関わったプロジェクトは、つわの生まれつわの育ちの2人が津和野町の各地で踊る動画を作成するというプロジェクトでした。とても面白そうだったので、お手伝いというよりかは「どうして?」「どうやったん?」など、ただただ質問責めにしてしまいました。

 教育課程の中で行われているプロジェクトだけでなく、放課後におこなわれている "アスギミック" という高校生と大人が対話する活動にも参加させていただきました。

 ツコウ生の生き生きした様子から、津和野町の教育魅力化事業の凄さがひしひしと伝わってきました。

〇3日目

 3日目の朝、朝食を食べながら自分の体力が限界を迎えているのを感じました。初日、2日目とも内容が濃く、またそれを整理するための振り返りも沢山して、睡眠時間も少ししか取れていなかったからです。そんなしんどさを皆に正直に話すことができ、またそんな関係を築くことができて嬉しいと感じました。

  いよいよ生き方留学も終盤。この日はお茶屋さん "香味園 上領茶舗"リコッタさんからお話を伺いました。

 リコッタさんも、この津和野町にやってくるまでの人生を語ってくださいました。リコッタさんのお話を聞かせていただいて感じたことは、私自身のふわふわとしていた部分が鮮明になったということです。

 リコッタさんは、私たち生き方留学参加者が付箋に書き出した沢山の質問に、真摯に答えてくださいました。その中で、ある質問にたいしてリコッタさんが仰ったことが私の中に印象深く残っています。

 「変化を怖がっている」

 私はこの "変化を怖がっているかどうか" という視点は、"いつもの自分" を振り返る上でとても大事なことだなと思いました。

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 これはイシクラさんの仰る、"恐れている" とはまた違っていて、普段通りに過ごしているのは、いまの状況で満足している (していると思っている) のは、実はいつもと違うことをするのが怖かったりするのかなと思いました。

 これは私がこれまで、 「公立の学校で働く」 とずっと考えてきた理由を改めて考えさせてくれました。

 生き方留学最後の晩は、皆で鍋を食べました。その後は最後の振り返り。この日は振り返りだけでなく、翌日に控えた生き方留学で何を学び、何を感じたのかを、津和野町の方々に還元する発表会の準備をしました。

 残念なことに、私は翌朝すぐに、大阪に帰らなければいけなかったため、その発表会の直前に津和野町を出発しなければいけませんでした。そこで生き方留学参加者の皆が、自分達の準備も残っている中で、時間を割いて私だけの発表をさせてくれました。

 発表の途中、まだ自分のモヤモヤを上手く言葉にできませんでしたが、浮かんだ言葉をつなぎ何とか伝えました。

 するとメンバーは、わからないことは 「わからない」 と言ってくれ、そのやり取りの中で私自身も自分自身を理解できました。

 私は今回の生き方留学を通して、すごく周りの目や評価を気にしているということに気がつきました。

 「お話を聞かせてくださった方々のように、誰かに語れる立場になりたい!」

 そんなことを感じていました。

 私は自分の価値を信じることが出来ていませんでした。「誰かに語るときには "ナニカ凄いこと" を言わないといけない」 「そして自分にはそんなことはできない」 と感じていました。

 ですが、何か相手に伝えようと必死になって話すこと (←もちろんこれも大事だと思う) より、ただ自分のことを語ることの方が誰かに響くものなのだと、生き方留学メンバーが気付かせてくれました。

〇最終日

 この生き方留学では本当に沢山のことを考えることができました。初めは "町全体が学びの場" とはどんな意味だろうと "何か珍しいことを学びに行く" というスタンスでしたが、いつの間にか自分自身のことや家族のことを振り返る素敵な機会になりました。

 ここでは書ききれないほど、沢山の方々にお世話になりました。本当に感謝しています。

 そして生き方留学メンバーにも本当に感謝しています。コケタナハルスギチャンウノマオタムタムサキさんハルさんモッチャン、このメンバーで過ごした3泊4日はずっと心に残る最高の留学でした!

 ありがとうございました!

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