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電気主任技術者制度の課題と取組

電験2種の二次試験が11月12日となり残り日数が76日となりました。
焦りを感じておりますが、ただ焦っていても仕方ないので計画通り粛々と勉強を進めていくのみです。

勉強の休憩ついでに電気主任技術者という制度に関する動向について書こうと思います。

電験3種が年2回になったり、CBT方式が導入された背景ですので、興味のある方はどうぞ。(基になっているのは2年前の資料です。)

電気保安人材の現状分析と取組

経済産業省の電気保安制度ワーキンググループの資料より抜粋
第8回 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会 電気保安制度ワーキンググループ(METI/経済産業省)
【資料2】電気保安人材の現状分析と 取組の方向性について 008_02_00.pdf (meti.go.jp)

1.主任技術者制度の現状

  • 電気事業法では、事業用電気工作物の設置者に対し、電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主任技術者の選任・届出を義務づけ

  • 主任技術者は、電気的設備を監督する電気主任技術者、ダム水路設備を監督するダム水路主任技術者、ボイラー・タービン設備を監督するするボイラー・タービン主任技術者から成る。

  • 特にFIT制度により、再エネ関係の設備数が増加。これに対応するため、電気主任技術者及びダム水路主任技術者の制度設計について検討が必要。

2ー1.電気主任技術者の課題と対策

  • 第1種電気主任技術者は、大型の発電所(200万kW )など対象の設備が限定的であり求められる選任者数も計200人程度である

  • 第2種、第3種電気主任技術者による監督が必要な電気工作物は増加していくと考えられる(エネルギー基本計画を踏まえると、国としては今後も再エネ設備を増加させていく方針)

  • 再エネ設備以外の電気工作物につては、増加は限定的であると想定される

2-2.第2種電気主任技術者の現状

  • 第2種電気主任技術者の新規免状取得者数は、足元での試験問題の変更により合格者数が増加。今後も毎年1,000~1,300人程度で推移する可能性。※

  • エネルギー基本計画に基づき試算すると、今後の再エネ設備の増加は約100件/年。一方、実際の入職者数は毎年300~400人程度。高齢者の退職も踏まえれば、山間僻地等における再エネ設備の導入において主任技術者の確保が困難となる可能性。

新規免状取得者数(第2種電気主任技術者)


この資料内のグラフでは2020年の電気主任技術者の取得者数は1300人程度と思われます。この年の電験2種二次試験の試験合格者数は701名であり、合格率もそれ以前と比較して高くなっています。(←足元の試験問題の変更によるテコ入れ)
この書き方から読むに試験問題の難易度設定も2020年(令和2年)がベースになると思われます。
ちなみに
2021年(令和3年度) 413名
2022年(令和4年度) 698名
いずれもこれまでの合格者実績からみると比較的合格者が多い
今年も難易度はそこまで高くない可能性がある

2-3.第3種電気主任技術者の現状

  • 第3種電気主任技術者の新規免状取得者数は毎年4,000人程度存在するが、全ての免状取得者が外部委託業界へ入職されるのではなく、かつ高齢化により退職者数も多い。業界へのヒアリングも踏まえれば入職者と退職者の数は概ね均衡しているのが実態。

  • 一方で、エネルギー基本計画に基づいて試算すると、第3種電気主任技術者による監督を必要とする再エネ設備は、今後約2,000件/年のペースで増加する見込み。

  • 足元では既存の外部委託従事者によって必要な電気主任技術者の選任が行われているものの、将来的には第3種電気主任技術者が不足する可能性がある。

(3)足元の取り組み

  • 令和5年度試験からCBT方式の導入に向け、パイロット試験を実施中(9月~11月)。

  • CBT方式の導入は、国家試験の受験機会の増加等による資格者の確保や、新型コロナウイルス感染症対策に資するものであるため、頂いた意見も踏まえながら、実現に向けて検討を進める。(実現済み)

  • また、令和4年度から年2回実施する第3種電気主任技術者試験について、科目別合格制度の有効期間内での受験可能回数は、初回受験の時期によって異なることから、計6回に統一(初回受験がその年の1回目の場合:計6回、2回目の場合:計5回)。


結局言いたいこと

要は
電気保安に従事する人数が不足(特に第3種電気主任技術者)するので対策が必要です。
人材不足の原因として資格を取ってもこの業界に入職する人が少ない、という課題があり、それに対しては
「入職者を増やすために電気保安・電気工事業界が連携した広報事業」
を行っていく。
ということです。

そもそも待遇改善、給料のアップ等により業界自体の魅力をアップさせていかなければ、いくら広報しようとも効果は無いと思いますが、その辺どうなんでしょうか・・・。
入職者が少ない原因が単に認知不足だといいですね。


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