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シロは白ブリーフの白 「話はそれからだ…」と中年男は言った シーズン2 その6

「西松、次はその白ブリーフだ」

恐れていた堀込の指示がついに下された。
俺はこれまで幾度となくイジメに遭い、幾度となく全裸にされてきた。
言わばイジメで全裸にされることは慣れているのだがな、今のこの状況はこれまでになく最恐最悪なものである。
白ブリーフを脱がせと指示を出したのが堀込なのだ。大事な事なのでもう一度言う。
堀込なのだ。

西松は白ブリーフの腰周りのゴムに手を掛けた。
俺の頭上で断頭台の刃がセットされたも同然だ。
取り巻き達が一斉に息を飲む。

「西松やめろ、頼む、やめてくれ」

俺の懇願も虚しく、断頭台の刃が落ちると同じ速さで白ブリーフは下ろされた。

俺の羞恥を余所に周囲はどよめきに包まれる。
堀込は俺の全身を舐め回すかのような視線を送りながら、あの不愉快な唇が好色そうに蠢き、不気味な艶を放つ。

「おい、ナニはどこにあるんだよ」

「見えねえよ」

「こんなの見たことない、肉に埋もれてるじゃねえか」

取り巻き達は俺の無様な裸やイチモツについて驚いているようだ。
勿論、悪い意味で。

「風間のイチモツはお粗末」

西松だ。
西松がその一言を発したその刹那、俺の背中を電流のようなものが流れ、俺は思わず仰け反り、全身に鳥肌が立った。
これは何なのだ?
この言い表せない感情は何なのか?
怒りか?違う。
屈辱か?それも違う。
わからない…、自分のこの感情が何なのかわからない。


西松が俺の白ブリーフを何やら裏返しにして観察し始める。

「ゴムの所に詩郎って書いてある!
しかもこれのサイズは7lLだってさ!」

西松の観察の結果発表に周囲からどよめきや笑いが起こる。
まぁこいつらが驚くのも無理はない。
この7Lサイズの白ブリーフはそんじょそこらには売ってない代物だからな。

西松は俺の白ブリーフを片手で摘む。

「これをどうするか?………

こうしてやるよ!」

西松は胸のポケットからライターを取り出し着火させる。


考える前に俺の身体が勝手に動いていた。
俺は取り押さえていた取り巻き達を振り払い、西松に飛び掛かり、白ブリーフを取り返した。
そのまま俺は白ブリーフをきつく胸に抱き締め、亀のような体勢になってうずくまる。

「やらせるものかよ。風間詩郎ことシロタンのシロは白ブリーフの白だ!」

亀のような体勢でうずくまる俺に取り巻き達からの蹴りの雨が降り注ぐ。
脂肪という装甲があっても、取り巻き達の容赦ない蹴りが急所に入り、激痛が走る度に心が折れそうになる。
しかしここは耐えるしかない。
白ブリーフあってこそ俺なのだからな。
家に帰れば白ブリーフはある。
しかしながら、今これを失えば家まで俺はどうしたらいい?
だからなのだ、何が何でもこの白ブリーフを守り抜く必要かあるのだ!

「あぁっ!」

誰かの蹴りが俺の臀部の下の方にあるド真ん中に突き刺さる。
臀部のド真ん中が熱くなる。

熱い…、熱くほとばしる何かがやって来そうだっ!
俺は思わず、尻を突き上げる。

「なんだ⁉︎ケツをもっと蹴飛ばしてほしいのか⁉︎この豚め!」

やっぱり西松の声は不快だ。

「やめろ、西松っ!違うんだっ」

西松のものと思われる蹴りが一発、二発と当たる。

「まだ蹴られ足りないのか⁉︎」

と、西松は笑い声を上げながら蹴りを放つ。
その蹴りは俺の尻のド真ん中に当たる。
その時、低音のロングトーンの下品な炸裂音が鳴り響き、熱いほとばしりが糞出…、いや噴出した。

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