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素晴らしすぎた「2軍落合英二運用」を振り返っておきたい話

全世界1659人のドラゴンズファンの皆様こんにちは!

先日、落合英二コーチを2軍から1軍へ配置転換することが発表されました。
2軍はAS終了時点で首位と-1ゲーム差の2位と好調。
82試合49勝と前半戦終了時点ですでに昨年1年間の勝利数(33勝)を大幅に超えています。

もちろんビシエド・石川昂・福永らの活躍も要因の一つですが、それだけでは勝てません。
僕のnoteを毎月読んでくださっている方であればお分かりかと思いますが、落合英二コーチが2軍投手コーチに就任した事が大きなインパクトを与えているのは間違いないでしょう。

今回は彼の2軍での運用、その凄さ、素晴らしさをドラゴンズファンはもっと知っておくべきだと思ったのでここに残しておきます。


①昨季のおさらい

今季の運用を振り返る前に、比較するため昨年はどのような運用だったかを見ていきます。

昨年の2軍で最も悪いニュースは高卒ルーキー森山の酷使からの離脱でしょう。
その原因は間違いなく先発投手不足です。

昨季の2軍開幕ローテは
松葉-岡野-仲地-上田-松木平-森山

の6人です。谷間要員はいません。
無理やり森山を6枚目にもってきたのは明白でしょう。

結果はどうなったでしょうか?
皆さんご存じの通りです。

ここから4月頭に大野雄大の離脱で松葉がエレベーター式に1.2軍を行き来することになります。
さらに上田が離脱、仲地も離脱となり2軍のローテは完全に機能不全に陥っていました。

ここに垣越「ローテを回すためだけ」に先発転向をして素晴らしい働きを見せてくれます。

その後は梅津のTJからの復帰、根尾の本格先発転向、仲地・上田の復帰、メヒア獲得などで先発投手難は少しづつ終息に向かいます。

②オフの動き

先発で退団となったのは岡野と鈴木
この2人が昨年先発で食ったイニングは1.2軍合わせて126回 2/3です。
2人は中継ぎも兼務していたのでその分+中継ぎの谷元・松田・ロドリゲスを乗せると合計で222回 1/3になります。

新加入はルーキーと梅野で、先発タイプは草加のみ
福田は森山の件を考えると1年目は計算には入れられません。

中継ぎはなんとかなるにせよ先発の枚数は足りるのか?
ギリギリなんじゃないか?
そこに草加がTJ手術で今季絶望となり、これは2軍のローテ今年も終わったかもしれない…
というのが今季開幕前のお話でした。

つまり新しく2軍投手コーチに就任した落合英二コーチは「先発投手不足を抱えながら高卒ルーキー福田を森山の二の舞にはさせてはいけない」という難解なミッションに挑むことになりました。

前置きが長くなりましたがここから今季の話に入ります。

③いきなりみせた落合英二運用

今季の開幕ローテはこちら
根尾-仲地-松葉-髙橋宏-松木平-福谷-上田
枚数は昨年より1枚多い7人。
恵まれていると言いたいところですが、松葉は梅津が中6できない関係ですぐに1軍昇格。
6人で4月21日(日)までローテを回し、順調に来ていました。

しかしここ(4月21日)で1軍の大野雄大が離脱、髙橋宏が代わりに昇格。福谷も中継ぎ要員で昇格し、2軍の先発が4人になります。
さらに翌週4月23日(火)から2軍は9連戦。
ローテ4人で9連戦をどう戦うか
いきなり大きな試練です。
ここで福田をいれてしまったら昨年と同じ。

先発がいない
→先発の間隔を詰めるか
→ブルペンデーをするか
の二択でしょう。
落合コーチはブルペンデーを選びました。

1週間のうちに3度のブルペンデーを挟みローテを回しました。
大前提として中継ぎを消耗するブルペンデーの前後に投げた先発4人が長いイニング投げたのは大拍手

残念ながら3試合とも試合には敗れてしまいましたが、「ルーキーの肩を守りながらローテを回した」この事実だけでお釣りがきます。

先発が足りないならブルペンデーをすればいい。
すごく当たり前のように感じますが、それができずに森山を怪我させてしまったのが昨年です。

実は昨年の2軍もブルペンデー自体はしていました。
しかしその内容・意図は今季とは違うものです。
次は昨季と今季の全ブルペンデーを比較し、落合英二流ブルペンデーの凄さを見ていきます。

④昨季とは全く違う落合英二流ブルペンデー

2023年のブルペンデー一覧

2024年のブルペンデー一覧

基準
・先発投手のそのシーズンの登板数が先発登板数<中継ぎ登板数である
・3イニング以下で降りるかつ4失点以下である(普通の先発が序盤大量失点でKOという例を排除するため)
のいずれかを満たした場合ブルペンデーとしています

まず着目すべきはその頻度でしょう。
昨年は12回。今年はAS終了時点で12回。
ペース的には今年のほうが多く。昨年を上回るのはほぼ確定かと思われます。

続いてはその内容・意図です。
昨年は怪我からの復帰や来日初登板など、ブルペンデーというより調整目的のショートイニングが大半を占めているように見えます。

今年の表を見るとほとんどが福田・菊田・野中のルーキー・若手投手が担っているのが一目でわかります。

つまり今年はブルペンデーをただの先発の穴埋めの手段として使うだけではなく、ルーキー達のチャレンジの場として使っているというのが落合英二運用の特徴です。

これにより先日の涌井のような離脱者が出ても、ブルペンデーでお試し的に先発を経験させた若手たちを、シームレスに本格的に先発挑戦させる流れを作る事ができます。(ここ個人的に一番大事なポイント)

⑤森山と福田

第2の森山を生まないことが落合コーチ最優先のミッションでした。
結果として福田の滑り出しは好調。

ここで昨年の高卒ルーキー森山と今年の高卒ルーキー福田のルーキーイヤー全登板を比較してみます。

6月15日の球数は練習試合のためデータなし

1試合ごとの負荷、間隔を見れば森山の起用がいかに酷だったか、そして彼に落合コーチがいてくれたら、そう思わずにはいられません。

最初のほうにも書きましたが、昨年と今年では2軍の先発数はほぼ変わっていません。
むしろ開幕直後は今年のほうが1人少なく、9連戦もあった分日程的にはきつかったはずです。(昨年は最大6連戦)

それでも落合コーチは福田・菊田らルーキーの肩を守り抜きました。(福田は故障していたという情報もありますが)
そしてしっかりとスタートできる場を彼らに提供しました。
これを偉業と言わずしてなんと表現すればいいのでしょうか。

⑥クオリティを落とさずローテを回し続けた既存先発陣

ブルペンデーのことばかり書いてしまいましたが、同じくらい評価されるべき点は、松木平筆頭に昨年から先発だった投手たちのクオリティ維持をしたことです。

2軍先発イニング消化割合

2024年はAS終了時点

従来の先発陣の維持・成長+ブルペンデーを用いたルーキー達の立ち上げ
の両輪をうまく回し、与えられた戦力の最大化を図るのが落合英二運用だと言えます。

ここからルーキー達がホップからステップの段階に入るときに1軍配置転換となったのは個人的に残念な話でした。
彼が残した哲学を井上監督、山井・浅尾投手コーチが継承してくれていることを願っています。

⑦投手王国再建のために

これだけブルペンデーをしても中継ぎ陣への負荷は少なく、昨年比でも下がっています。
つまりこれは編成のミスとも取れます。
戦力(人員)が中継ぎへ偏っており、若手先発の枚数が足りていません。

清水・勝野・鈴木・福谷・ロドリゲスなど中継ぎ転向を連発。
ブルペンの厚さを重視してきたドラゴンズですが、目先の1イニングにとらわれず、柱となる先発育成に力を注いでほしいというのが個人的な感想です。

現在2軍のローテは
根尾-大野-柳-福谷-福田-野中で回している状況。
大野・柳↔メヒア・松木平と考えてもギリギリです。
涌井が怪我をしても仲地が復帰を焦らなくていいのは落合コーチが福田・野中を先発として準備させていたからです。
先発させざるを得なかったと言われたらその通りですが、ここまで下地を作り実戦に投入できるレベルまで育てた運用は本当に見事。

落合英二コーチのこの半年間は投手王国再建の一手であったと確信しています。

今回はここまで。

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また次回のnoteでお会いしましょう。

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データ引用:スポナビ 野球速報
データ引用:若竜闘いの軌跡
データ引用:1.02 ESSENCE of BASEBALL
※無料で閲覧可能部分のみ引用しています。

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