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目まぐるしく変化する中高一貫校の偏差値序列について語る

皆さんこんにちは。

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加熱する中学受験。少子化にも関わらず受験人口は増え続け、2023年には過去最高の受験者数を更新しました。Xでも中学受験関連のワードがトレンド入りすることが増え、加熱ぶりを日々実感しています。
しかし、中学受験ブームは今回が初めてというわけではなく、実は今から30年ほど前(1990年頃)にも中受ブームが起こっています。
そう、まさに現在中学受験を検討されている親世代がこの時代に中学受験を経験しているのです。

この時期、学習指導要領が改訂されたこともあり公教育への不信感が蔓延しており、それが多くの家庭を中学受験に向かわせました。
この頃は学校群制度の影響で都立高校は軒並み進学実績が低迷しており(日比谷高校の東大合格者が「1名」にまで減ったのもこの時期です)、教育熱心な家庭は高校受験を忌避し、中高一貫校を志向するようになりました。

こうした背景の中、必死で中学受験を乗り越えたかつての受験生たちが、2020年代に親の立場となって30年ぶりに中学受験市場に戻ってきたというわけです。

しかし、1990年代と2020年代の偏差値表をそれぞれ比較してみると、どうやらかなり様子が違うことがわかってきます。
お子さんの受験を機に現在の偏差値表を目にして驚かれた方も多いのではないでしょうか。私立中高一貫校の「勢力図」はものすごい勢いで変化しているのです。

本記事では、ここ数十年で大きく地位が変動した学校を紹介していきたいと思います。


巣鴨中高

現在のアラフォー以上の巣鴨のイメージは「男子新御三家」の一角を占め、開成中学残念組のメイン入学先の1つであり、東大や医学部にも大量の合格者を輩出する・・・(実際1992年の東大合格者数は78名でした)といったところでしょう。

しかし、今ではかなり異なった様相を呈しています。65程度だった日能研の偏差値は55程度まで落ち込み、今では芝中学や本郷中学の後塵を拝しています。鉄緑会の指定校からは外され、東大合格者数も「3名」にまで減少してしまいました。(その分だけ医学部合格者が増えたというわけでもないのが悲しいところです)

「受験監獄」とも呼ばれた厳しい校風(褌での遠泳などのスパルタ行事も有名ですね)が時代錯誤だとみなされ、敬遠されるようになったというのがよく言われる要因です。

巣鴨の低迷に呼応するかのように、近隣の本郷中学が人気を集めるようになってきており、そちらに生徒が流れてしまっているという現状もあります。本郷中学は、巣鴨とは対照的に、自由な校風で知られています。校則や生徒指導はそこまで厳しくなく、生徒の自主性に任せながら勉強も運動もレベルアップしていこうという姿勢が見られます。
かつては名門と呼ばれていた歴史のある私立男女別学校たちが、最近できた共学の新興勢力の後塵を拝するというのはここ最近頻繁に起こっており、名門校も過去の実績や伝統にあぐらをかいてはいられなくなりました。

桐朋中高

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