場末のディサービス(任侠ヘルパー③)

場末のディサービスでは 今時分はクリスマス会で盛り上がっていた。
街中のガソリンスタンド並みに サンタクロースの格好で送迎に行ってた。
サンタ姿のスタッフは結構好評で、利用者さんも、ご家族も喜んでくれた。

「わあ〜もうクリスマス! 今年も終わりねぇ 大変お世話になったわ」
ご家族の方から ねぎらいの言葉を掛けてもらって 嬉しい1日が始まる。

送迎車のリフトを降ろすと、なぜか ネコが入りたそうに除くことがあった
「ネコちゃん 危ないから車に乗らないでね、みてるだけにしてね」って
声掛けして車椅子の利用者さんに乗ってもらう。わんこは絶対寄ってこない
ネコは好奇心大せいなのかも。

「じゅんこさん、にしさんの横には座りなくない」と酒癖の悪い彼が言って来た。

イヤイヤ あなたは人の事は言えないよ・・・・と思って理由を聞くと
おばあちゃんが彼の太ももをなでなでしてくるらしい。。
減るもんでもないし 触ってもらったら・・・・若くないんだから
 (もう~私 すっかりおっさんやん)
上手にしたら って思うけど セクハラ パワハラで訴えられそうだから
「あなたが 隣に座わらないで他の人に座って貰えばいいじゃない」
「送迎の順番と座席の関係から 難しいんです」
「ご家族にお願いして 少し送迎を早めたらいいんじゃないの?
 私が相談してみるわ」
にしさんの送迎を少し遅らせることで了解をもらう。

スタッフが彼に服薬用の水を持って来てもらうと 半分に減ってると
冗談混じりに話しているので 聞いてみると 手が震えて お茶、水、コーヒーが運べないらしい。

実は紹介者のケアマネから 彼が断酒会に来ないので 是非参加するようにと電話をもらっていた。

一時期減っていたアルコールがまた増えてきたようだ 検査の結果 肝臓の
検査結果がよくないと連絡があった。
彼に通院するよう勧めてほしいと言われた。多分彼は自分の体調が悪いことは、十分わかっていた。

重たい腰を上げて 病院に行くと そのまま入院になった。
「もう〜〜飲みすぎ しばらく入院 安静ね」

彼の肝臓は長い間の飲酒生活で 相当傷んでいて 復帰は難しいとケアマネから連絡が入った。
一人暮らしだったけど 娘さんも 元奥さんも時々出たり入ったりしている
様子、あとはご家族に任せよう。

クリスマスの頃 彼の痩せたサンタクロースを思い出す。

利用者さんと飾った ツリーが懐かしくて 夫に「大きなツリーが欲しい」と言ったら 終活をしてるのに物をふやしてと言われ納得してしまう。

ヤメタ。
🎄🎄🎄🧑🏼‍🎄🧑🏼‍🎄🧑🏼‍🎄🎂🎂🎂⭐⭐⭐
            

ああ〜〜〜大きなツリーにピカピカの電飾つけて 夜中にサンタクロースをまちたい。


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