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BOOWYにまつわる噂のエトセトラ Vol.13 ~解散について~

【前置き。のようなもの。】

BOOWYには沢山のやら都市伝説やらが存在する。
その中での最大のモノ。それが解散の真相に関する噂である。

「1987・12・24 BOOWY解散
 4人でしか探せなかったモノ。
 自分達で有り続ける事へのこだわり。
 今度はひとりひとりで有り続ける事にこだわる為に
 BOOWYは昨日のクリスマス・イブを選びましたXXX
 最後のGIGSは必ず来年プレゼントします」


1987年12月24日の渋谷公会堂での解散宣言の翌日のクリスマス
主要新聞にメンバー4人の個人名で解散のメッセージが掲載された。

人気絶頂期においての解散であったこと、メンバーが個々に語った理由はあれど、解散発表の際に、バンドとしてはっきりとした解散理由が正式に示されてなかったことや、絶頂期での解散であったことなどから、解散の原因・理由については様々な憶測を呼んだ。
BOOWYの解散の真相。それは……

知らんがな、そんなもん。

いや、冗談でも巫山戯ているわけでもはなく。実際、そうだと思うのだ。
例えばこんなことがあった、とか、誰かがこんなことをやった、とか、誰かがこんなことを言った、とか。実際に起きた事象に対して、周囲の人々が「あぁ、これが解散原因だ」と考えたとしても、その事象の捉え方はあくまでも周囲の人々の主観であり想像。私とて、解散当時の状況を色々調べていくうちに、私の中では解散やむなしと思うような事象をいくつか見つけ、これが解散の原因では?と考えるモノは幾つかある。だがそれは、あくまで後追いの一ファンが当時の状況――それも表に出ている部分から推測して導き出した結論にすぎない。
これら外野の主観やら推論やらから導き出された「原因」と、BOOWYを構成するメンバー達の「理由」が必ずしも一致するとは限らない。

仮に、私が誰かに「馬鹿じゃないの」と言ったとする。
でも相手がこの言葉を悪口と捉えるのか軽口と捉えるのか、叱咤激励と捉えるのか、無礼な発言と捉えるのか、お巫山戯と捉えるのか、それは発言の状況や相手との人間関係等々から決まるもので、その部分だけを切り取って判断するものではない。

発言者はたいして悪気なく言っただけだったけれど、受け取る方はそう捉えずひどく傷つくこともあるかもしれない。
やった本人にとっては大したことがない、このくらいなら許されると思ったけれど、相手にしてみたらおおごとであって、到底許容しうるものではないこともあったかもしれない。
やった本人もいざ自分が同じような状況で同じようなことをやられたら、許すことができないことかもしれない。
それを見ていた周囲が「え、こんなことくらいで?」で思うこともあるし、逆に「それは絶対に許されない」と思うこともある。
それだけならそこまで問題にならなかったけど、その他の状況経緯複合的に重なって問題になることもある。
信頼関係があるからこそOKのこともあれば、信頼関係があるからこそ絶対にNGのことだってある。
解散理由もこれと似たところがあるのではないか。
周囲がメンバーを取り巻く状況についてどう感じるか、それに対してどう行動に移すかも人それぞれ

何かがあった、何かを言った、何かをやった……解散の原因とされている事象があったのかなかったのか、それについてはある程度検証することはできる。しかし、そういう事象が存在していたとしても、それについてどう感じたか真実はメンバーにしかわからないもの。
そういう意味では、布袋氏が以前語っていた「俺には俺の理由があるし、ヒムロックにはヒムロックの理由があるだろうし、きっと、今4人で集まって『いっせーの、せっ!」で言ったら、バラバラの理由だと思う」(※1)という言葉は、一面の真理ではあると思う。(その上で、私には布袋氏の言葉がただの自己弁護にしか見えないけれども。)
結局のところ、メンバーにとっての本当の解散の理由はメンバー自身それぞれにしかわからないのだろう。
それが世間の納得を得られるものなのかというのはまた別の問題

未だに解散の真相について色々取り沙汰されているのは、メンバー、関係者が語る「解散の理由」が世間の納得を得られていない、というか「そんなはずない」「それだけの理由であるはずがない」と疑われているから。
また、「再結成してほしいバンドランキング」をしようものなら必ず上位にランクインするくらい、今もなおBOOWYが再結成を望まれるバンドであるからだろう。もっとも再結成してほしくないバンドランキングを実施したら恐らくこちらも上位にランクインするだろうが。

とはいえ、結成から40年も経つバンド。活動期間は7年に満たず、ブレイクしたのは晩年の数年間のみ。さすがに最近のネタ切れ感は半端なく。「BOOWY商法」「完全版商法」「過去の焼き直し」と揶揄されてはいるが、それでもBOOWYモノはそれなりに売れている(から、何かに託けてアニバーサリー商品を出すんだとと思う。あと同じレコード会社の布袋氏の宣伝にもなるので)。

また、ドラムの高橋氏は解散後幾つかのバンドを経験されたが、サインを求められると未だに「BOOWY 高橋まこと」と書かれているとのことだし、現在の音楽活動はBOOWYのアマチュアバンドと一緒にイベントに出演してBOOWYの楽曲を演奏するのがメインのように見える。(一応、生涯最後のバンドと称される「JET SET BOYS」に在籍され、レコード会社のPROFILEにはとても格好良さげなことが書かれてはいるが。)
布袋氏も自身の新譜の発売やツアーの開始に併せてBOOWYネタを話しては多くのメディアに取り上げてもらっているし、ツアーでBOOWYの楽曲をやったり(ご本人が歌う場合もあれば、BOOWYファンの歌手に歌ってもらう場合もある)、セルフカバーを自身のアルバムに収録したり、自身のソロ楽曲に高橋氏と松井氏をゲストに呼んで4分の3BOOWYを実現したりもしている。
氷室氏も、ライブ活動休止前は、アニバーサリーやチャリティのライブなどではBOOWYの楽曲を歌ったり、キャリア総括的なベストアルバムにセルフカバーを収録したりしていた。
松井氏もベストアルバムにセルフカバーを収録したり、ライブやショッピングモールでBOOWYの曲を(ベースではないが)披露したりもしていた。
このように、BOOWYに対する世間のニーズは高く、メンバーもそのニーズを完全に無視することはできず、BOOWYを自身の現在の音楽活動に取り入れている。

だからこそ「4人でやればいいのに」という声が、特に各人のソロ活動に興味のない面々から上がったりもする。(個人的には、ソロ活動でBOOWYの楽曲を演るのと、再結成や共演は全く別次元の問題だと思っている。)
再結成すれば注目度も高いし、金が稼げること(一時的には)が確実なので、メンバーに対しての再結成圧力もあるようだ。
実際、氷室氏も「再結成をさせたらをする人達がたくさんいる訳ですから、商売としては『やりませんか』という話をされるのは当然というかね、まあ、普通の事ですよね。ただ、それはやらないですよね(笑)。」とBOOWY利権に群がる有象無象がいることを認めている。(※2)

しかしながら、解散して30年以上、ステージ上でメンバー4人が揃ったことはない。解散後4人揃ったのは、4人の関係者の結婚式のみ、という逸話がまことしやかに囁かれている程度。
そもそも絶頂期に解散したことにより、「これからもっとじゃんじゃん金を稼げるのにナゼ?」という疑問は当初からあった模様。そしてメンバーそれぞれBOOWYの楽曲をソロ活動でやっているからこそ余計に「金にもなるのに4人揃わないのはナゼ?」とその原因を追及されて、そもそもの解散理由について色々憶測が飛び交うことに繋がっていったのだろう。
さらに布袋氏がいつもの悪癖を発揮して、ファンやメディアに思わせぶりな(且つ布袋氏にとって都合の良いように脚色歪曲して)発言をするものから余計にね…。

ただ、先述のとおり、「メンバーがそれぞれ考えるBOOWYの解散理由」と「その理由に対する世間の納得・理解」というのは本来全くの別次元のわけで。
だから、これから私が書いていこうとしているのは、解散に至った状況などが一ファンの私の目にはどう見えるのか、どう感じるのかということのみ。
解散を巡るあれこれを自分なりに調べていった結果、世間に流布する解散の噂がどうして発生したのか、噂されている事象が本当にあったのか、その事象が本当にあったとしてそれが解散の要因(≠メンバー個人としての理由)となり得るのかなどについて、一ファンとしての立場からの私見を書いていきたい。

たかが後追いの一ファンが当時の状況を体験しているわけなぞなく、当然、解散に至った経緯の検証・考察は関係者のインタビュー――特に解散の口火を切ったとされる布袋氏の発言等から類推したものが主になる。
どうして布袋氏はBOOWYを解散したい(又は辞めたい)と思うようになったのか、何故周囲は布袋氏の解散の願いを受け入れた(受け入れざるを得なかった)のか……そういった諸々考察していこうと思っている。

引用する関係者の言葉やエピソードは、きちんと出典が明記できるものに限定するが、数あるエピソードや発言の中で何をピックアップするかは私の主観である。そこから私が想像するメンバーの気持ちと、当時のメンバーが感じていた気持ちが一致しないということは当然あり得ることなので、そこだけは誤解のなきよう。あくまでも私はそう思う、私がその立場だったらこう感じるということを素直に書いているだけなので。

異論はあって当然。
もしも異論のある方は、是非御自分のお考えと何故そのように考えるのかをソース付きでnoteになりブログになり書いていただけると嬉しい。
読みに行きます!

解散諸説のうち最初に取り上げる噂は、1位になったら解散」説の予定。
その後は「山下久美子氏のツアーバンド事件」や「ファン層の変化」等々…を取り上げられれば。今挙げた3つの説は、私の中では3つで一つというか、密接不可分なものと捉えているのだが、纏めて書こうとしたら私の文才ではどうにも収拾がつかなくなってしまって…。だから基本的に1つの噂に対して1つの私見という形で書いていくつもりです。

有名な「不仲説」はとどのつまり「そもそも最初から別に仲良くない」の1行で終わってしまうことから、もしも取り上げるのであれば「何故不仲で解散説が発生したのか」に焦点を当てるなど、書き方を工夫しなければならないかなと思っています。
だって、バンド結成当時から特に仲が良くなかったのであれば、それでも一緒に組んだ理由、活動を継続してきた理由があるわけで……。なのに解散という選択肢を選んだのであれば、組んだ理由や活動を継続してきた理由がなくなったか、活動を継続する理由よりも大きな継続しがたい理由がメンバーに生じたか、これ以上一緒にバンドを続けていけないほど信頼関係が損なわれるような出来事があったとか、別の要因が新たに発生したと考えるのが妥当なところ。それを一切斟酌することなく、「不仲で解散」とするのは些か短絡的ではないかと。
いずれにせよ、書きたいときに書けるものを書きたいように書くスタイルは継続中なので、予定は未定ですが。

これまでは1つの噂に対し1つの記事としていたけれど、あまりにも長すぎて読みにくいと思うので、切りの良いところで区切って分載するかも。
一応目標は、BOOWYのレコードデビュー40周年となる3月まで毎月更新!……できるといいな。


【出典・参考資料】

※1 THE BIBLE 別有天地非世俗(布袋寅泰著 インタビュアー神康幸) P74
※2 KYOSUKE HIMURO 20h ANNIVERSARY TOUR 2008 JUST MOVIN'ON-MORAL~PRESENT- ツアーパンフレット

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