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引きこもりやうつ病だった人達が輝く職場、人気温泉旅館(春蘭の宿さかえや)の取組から学ぼう!

NHK首都圏情報ネタドリ!で斬新的で先進的な人材活用の事例が紹介されていた。引きこもりやうつ病だった人たちが自発的に生き生きと働く光景であった。

その職場の名は、長野県にある春蘭の宿さかえや!

この話を勉強会の仲間にシェアしようとネットで記事を探したが、あまり出てなかったのでnoteに書きます。

スタッフは35名、そのうち1/4が引きこもりやうつ病で社会で生きづらさを感じていた人たちだ。

スタッフMさんの事例

宿の近くの河原でお客様に喜んでもらうために野の花を摘んでいた。
その花を食堂に飾ってあるのを見たお客様は、とても喜んでいた。

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このMさんは、昔から人に怒られることが人一倍怖く、高校時代にはたびたび人前で泣き出したり、パニックによる発作を繰り返していた。

さかえやに来て変化するきっかけとなったのが旅館が導入していたある手帳だった。

【さかえやが導入している手帳】

①1日の始まりにその日の目標を書く

 人と会話するときに相手の方を見ること
 ありがとうを10回伝える
 とMさんは書いていた。

②1日の終わりには周りの人が自分にしてくれた行為を書く

 重い荷物を運んでくれた
 忘れたものを届けてくれたなど

この手帳をつけることでMさんにある心境の変化が訪れた
それは自分のことだけではなく周りに目が向くようになったこと

Mさんは語る

「どんなに自分が嫌だなぁって思った日にもいろんな人にしてもらったこととか、逆に迷惑をかけたこともあって、そういうことに気がつくとがんばらなきゃなって思います。」
「前の自分とは見える景色が違う、とにかく今は自分にできることを精一杯やって少しでも何か周りの人にお返しできるような人になりたい」

もともと繊細だったMさんは、逆にそのきめ細かさを生かして後輩の指導に当たっている。
Mさんの責任感と自信に溢れている姿が印象的でした。

この旅館の社長は、湯本晴彦さん

様々な事情を抱える人を採用するようになったのは、およそ10年前からだった。不登校で家に引きこもりだった16歳の女性を受け入れ、前向きな言葉をかけ続けたら徐々に楽しそうに仕事をするようになった。

湯本社長は語る
「どんな若者でもそれぞれの個性を認め伸ばしてあげれば、活躍できる。」
「自分がいていいんだ、自分は必要とされているんだ。」
「こういうのがものすごくやりがいや生きがいにつながると思う。」

さかえやでは、スタッフを孤立させないために仲間の存在を意識させることを徹底している。

その取り組みとして朝出勤すると、同僚へのハガキを書いている。
感謝の気持ちや励ましの言葉など面と向かって伝えづらいことをあえてハガキに書く

この取り組みに救われたKさん

Kさんが大切にしている同僚からもらった600枚のハガキ

ハガキには、
笑顔がどんどん素敵になって僕も元気をもらっています、本当に気遣いができる人だなぁって思いました。これからもよろしくね。
と同僚からの励ましの言葉が綴られている。

Kさんは語る①

「他の人が自分の時間を使って私のために書いてくれたものだから、あぁそうだったんだって素直に信じられる。」
「私まだ、いてもいいんだなと思える。」

Kさんは、厳しい両親のもとで育ち、褒められた記憶がほとんどない、うつ病を発症して高校を退学、その後5年間自宅に引きこもり自傷行為を繰り返していたと言う

社会との接点が絶たれ、焦りを感じる日々・・
そんな中で引きこもりだった人が働くさかえや知り、Kさんは一歩を踏み出した。

自分と似た境遇の人たちと働くことで少しずつ前向きな気持ちを取り戻していった、次第にうつ病の症状が回復していった。

そんなKさんは、いま旅館の飾り付けを一手に任されている。

一緒に働く同僚とのつながりがKさんの心の支えになっている。

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Kさんは語る②

「1人でやっていると怖くなったり嫌になったりすると思うんですけれど、見てもらえている、気づいてもらえているとわかると、また頑張ろう、もっとできるようになろうとやる気が出ます」

様々な事情のある人たちが輝ける職場をつくるきっかけは、湯本社長のある挫折経験からだった。

湯本社長は大切にしている思いがある、
それは、応援人される人になるというそれが本当の意味の幸せである!

親の後を継いで13年前に社長に就任
長引く不況で団体客が大幅に減り旅館の経営が危機になっていた
そこで団体向けの大広間をなくし個人客用に作り変えたりして改革をトップダウンで断行した。
しかし現場の従業員からは、今までのやり方を否定されたと猛烈な反発にあった。

スタッフのIさんは語る
「朝きたら料理長が突然いなくて、不満を持ちますから自分のやること、今までのこと拒否されて、今度からこういうやり方でと言われるわけですから・・」

社長就任から4年間で従業員の3割が辞め借金も4億円に膨らんだ

湯本社長は語る①

「やっぱりどうにもならない時が何回かありました。」
「その時の通帳残高を見て3万円しかない、これはもう責任をとったほうがいいやと生命保険を見始めるんですよ、今なら借金を返せるとかね本気で思いましたよ。」

社内に居場所がなくなり誰の目にもつかない非常階段に逃げ込んだ

そこで目にしたのが黒ずんだ階段の汚れだった
現実を忘れるように階段を磨き続けた

すると、あることに気がついた
これまで口で言うばかりで自分の体を動かしたことがなかった・・

湯本社長は語る②

「私は頭で考えることばかりしていたのでそれでは現場は何も変わらないですよね」
「考えるよりもここがきれいになったほうが現場が変わるわけですよ」

毎日階段を磨き続けること1ヵ月ある変化が起きた

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スタッフたちが次々と掃除の手伝いを申し出をしてくるようになった。

スッタフの声
「本当に同じところをずっとこすっている社長を見るとこの人すごいな、こんな人についていきたいなと思いました。」

従業員に支えられてこそ自分の居場所があると気づいた湯本社長

さまざまな事情を抱えた人たちにも居場所をつくってあげたいと経歴にかかわらず採用するようになった。

「人から応援される人になろう!」
と呼びかけてきた。

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湯本社長は語る③

「人は1人で生きていないんで誰かの支えがあったり、誰かのお世話になりながら生きている。」
「みんなが良くなるために自分が何かできるとか、こういう人たちが応援されやすい人たちだと思っている。」

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さかえやの事例は、いかがでしたでしょうか?
人の可能性を信じて、その個性にあわせて仕事を任せる、そしてなによりも人と人とのつながりを大切する。
普通の職場では、置き去りにされているのではないでしょうか?

応援される人になろう!
応援する人になろう!






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