人的資本経営における当社が実施したES調査事例
当社が実施したES調査事例を紹介します。
当社のクライアントの経営理念が、近年の環境や社内の事情にそぐわない点があるということから、再構築されることになりました。
その際、会社に対する社員の思いなどの現状把握をしておきたいという要望からES調査を実施しました。
その際のES調査は、前述の「動機付け要因」として「仕事の達成感」「仕事そのものの満足感」「処遇の満足度」「上司・同僚からの承認」、「衛生要因」として「職場の対人関係」「処遇(給与、賞与、ベネフィット)」「会社方針について」、そして「全般満足度」の要素について現状把握を進めました。
その結果、動機付け要因では「仕事の達成感」など高い要素がみられるものの、「衛生要因」は「処遇(給与、賞与、ベネフィット)」が低い傾向がみられました。
「仕事の達成感」が高かった要因として、「職場の目標や計画を立てて仕事を進めている」「その日にできなかった仕事は、翌日に計画を立てている」など、責任を持って計画的に仕事に取り組んでいるという傾向が強く出ていました。
逆に、「処遇(給与、賞与、ベネフィット)」が低かった要因として、「給与は他社で働く友人等に比べて条件が良い」「自身の貢献に応じた処遇がなされている」という点が、そうは感じられていない社員が多くみられました。
こういった点から、対策の提案は、特に「人事評価制度」と「目標管理制度」に感じて、向上と改善に向けた提案をしました。
まず、「仕事の達成感」が高かったことから、さらに高めていくために「目標管理制度」と「人事評価制度」におけるフィードバック面談の際に、次期に向けて設定する目標と、その達成状況について、上長と本人との共通認識を持って、目標の達成度合いも共通認識が持てるように進めることに重点を置くことを提案しました。
このことによって社員自身が、責任を持って、計画的に仕事を進めていることを自己承認とともに会社(上長)も承認していることで両者の共通認識として共感できる関係をつくることで、さらに社員のモチベーションを高めていける体制を整える提案をしました。
そして、「処遇(給与、賞与、ベネフィット)」が低かったことに感じては、会社(上長)と社員の間に、大きな認識ギャップが起こっていることを表しています。
これは大きな問題で、社員のモチベーションを引き下げる要因になりかねません。
そこで、「人事評価」の際のフィードバック面談で、上長(会社)の評価と社員本人の自己評価の間に発生しているギャップを埋める取り組みをするための仕組みを提案しました。
フィードバック面談では、上長が評価した結果(期待以上だった点と期待以下だった点)と、社員本人の自己評価結果との間に発生している認識ギャップを埋める、または解消するための話し合いをする仕組みを提案しました。
そして、これは特に、人事評価をする上長のスキルが求められることから、人事評価者教育として、人事評価基準の定着・浸透を図る研修とともに、フィートバック面談に必要なスキルとしてコミュニケーションスキル、リーダースキル、コーチングスキルなどを組み合わせた研修を行い、上長評価と社員本人評価の異なり(認識ギャップ)を埋めることができるように体制を整えました。
これには、一定の時間を必要としましたが、浸透・定着することで、社員の人事評価結果に対する納得性が高まり、社内のコミュニケーションが活発になり、社内で社員がイキイキと仕事ができる雰囲気へと変化していきました。
このクライアントでは、その後も、ES調査を実施して、さらに社内の活性化に取り組んでいます。
このように、ES調査は、社内の現状を把握して、問題や課題点を洗い出して、その問題・課題点をクリアしていくことで、社内の雰囲気を改善したり、社員の意識など高めるために有効な取り組みです。
ES調査も踏まえて人的資本経営に取り組んでいくことも重要です。
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