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今年は大変化の年だった

去年までと比べ、今年は急激な変化を感じた。何よりも、体力の低下がハッキリと感じられた。

夏の暑さに耐えられなくなってきた。本来は暑さには強く、活動的になっていたのに、本格的な夏に入る前から疲れやすく食欲も無くなってきた。掛かり付け医で状況を話しても、検査結果での異常は無く温暖化のせいかな、で終わってしまった。

暑さを逃れるために図書館へ行こうとしたが、外にも出られず、家に閉じこもったままになった。例年になく、長い夏の暑さに苦しめられた。

秋を感じる事も無く、とつぜん冬のような寒さになり、今度はこの寒さに耐えられず、また掛かり付け医で状況を話した。やはり定期的な血液検査でも異常は無く、めっきり寒くなったから、風邪や、今年はインフルエンザが流行りそうだから気を付けて、で終わってしまった。


今年の異変は一人だけ感じたものではなさそうだ。ふだん散歩で会っていた人達が、夏頃からほとんど見られなくなった。薄暗い早朝から10時を回るくらいまで、絶えず10人以上は来ていた。数人ずつのグループも出来ていて、散歩を始めた3年前からほとんど変わる事がなかった。なのに夏頃から次第に少なくなり、今はほとんど見られなくなった。

コロナが流行りだしたとか、インフルエンザが、などと言うがコロナは3年前から流行っていたし、その頃の方が危険だと言われていた。今になって何故誰も来なくなったのかが分からない。


コロナのパンデミックと騒がれ始めてから、兄弟達のお盆と正月に集まる事がなくなった。独居老人としては、誰も来ないのは嬉しい事だ。人が集まるのに、何もしなくても良いと言うが、何も無いというわけにもいかない。飲み物や料理を作り、帰った後の後片付けも大変な量になる。みな大酒飲みで、兄弟の家族だけではなく、姪達の家族も小さい子を連れて来ていたから、両方の部屋一杯になってしまう。

コロナ以降集まる事がなくなり、本音としてはホッとしていた。今年の夏はコロナも治まったようだからと、お盆に集まろうと話が出た。会場提供者としては、特に今年の夏の暑さでフラフラしてたので、娘の方から弟に相談して、取り止めにした。

年末に近づき、正月に集まりたいと妹から連絡が来た。夏から体力の衰えが激しく、夏以上に困った状況になった。また断るわけにもいかず、娘も嫁いだ身なので正月に来させる事も出来ない。いよいよ身体が自由に動かなくなってきた事を見せるのも、そろそろ良い頃合いかもしれない。昔のように、いつでも大勢が集まれる状況ではなくなってきた。

たぶん会ってみれば、じき後期高齢者になる一人暮らしの家は、どの様なものか分かるだろう。この家ではなく、何処か会場を借りてならばいつでも大歓迎だが、我が家での集まりはそろそろ許してもらいたい。

去年までは言いたい事を言い、自由に何でも行えていたのに、まさかここまで体力が落ちて、身体の自由が無くなるとは思ってもいなかった。歳を取る事の恐怖感のようなものを始めて知った思いだ。老いたと言っても、動ける者にはこの状況は分からないだろう。

行動が遅くなり、動けば節々が痛み、動くのが面倒になり、ただ部屋を適温にして横になっているのが一番楽だ。これがフレイルの始まりだろう。この克服は意外と難しい。完全に克服は出来ず、現状を維持するにとどまるのがやっとだろう。このまま動かなくても良いかなと思うが、猫二匹があまり起きてこないと心配そうに寄ってくる。


後期高齢者のタカ姉は2歳も上なのに、最近会ったときに、その動きの良さと歩行速度の速さに驚いた。高校の頃から茶道を続けて、今も現役で楽しんでるようだ。茶道を続けるためにも、日頃から足腰の運動と勉強をしていると言ってた。膝の痛みが出ないように、股の筋肉を鍛え、水泳もしてるとか。と言ってるが、同じ一人暮らしと言っても隣には長男夫婦が住み、家事はお手伝いさんが来てる。自分とは状況が違いすぎる。

肌も綺麗で髪も黒々と艶も良く、立ち居振る舞いがいつまでも衰えを感じさせない。長男の嫁さん、娘がチラリと陰で言うには、実際の髪は頭頂部が薄くて、自分でも気にしてウイッグを幾つも持ってるとか。高級化粧品を使って肌の手入れも怠らず、私よりも艶が良くて、と羨ましがっていた。

本当に一人暮らしが大変になったら、家に来て一緒に暮らさない、などと言われても。屋根続きの二軒続きでも、長男家族とはっきり台所は別けているそうだ。仲が悪いわけではなく、互いの暮らし方を大切にしてるという。それだけ余裕があるのだろう。

「一緒に住めるのは嬉しいけど、また子育てなど面倒でヤダね」
この前訪ねた時に、そんな冗談を言ってみた。
「あら、私たちの子として立派に育てますよ。保育園でヒイお婆ちゃんですか、などと言われるのは嫌ですよね、お義母さん」
「そうね、まだ私はM子さんと違って男になってないから、何人でも大丈夫でしょねえ」
義理の母娘といえ、ここまでジョークを言い合える人が側にいるのは、老後の生活としては理想的だろう。

人に接する機会が多く、趣味を持ち、常に積極的に行動してる人は、そして生活に多少の余裕が有る人は、いつまでも若くいられるようだ。


今年一番の変化で残念なのは、体力の低下が原因だが、遠出が出来なくなった事だ。二匹の猫が大きくなった事もあるが、二泊の旅行に出られなくなった。一泊では疲れも取れず、何よりも旅行での楽しみである、温泉地をフラフラ歩けなくなる。行って帰ってだけの旅行ほど疲れるものはない。

去年までは月に1回くらいは出掛けていたのに、今年は、夏以降は2回しか出掛けてない。この寒さでは、たぶん桜の頃まで出られないかもしれない。そのくらい暑さと寒さが身の芯までキツく感じられる様になった。

たった1年間で、こうして次第にフレイルになり、更に動くのが面倒になり、やがては寝た切りに成っていくのだろうか。

#今年のふり返り

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