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【詩】愚慕歌

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届かなかった叶わなかった私の恋の歌。
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あんたとしたい

あんたを叱り 抱き あんたと眠り 食べ 笑い あんたと歩き 怒り 泣き あんたに抱かれ 叱られ…

むく

人に触れる事で穢れるかのよう 違う 磨かれる 胡桃油で磨くよう 自分の力で 人の力で この…

夜明け前

朝日と夜の境目 そこに立ち続けてただ見つめ続けて来た 人は言う 「夜明けが一番暗い」 そ…

貴方が当たり前のようにくれた言葉で 私はただ歩けるようになった 当たり前のように私の足元…

埋火

胸の奥の憎悪を くべて来た埋火 くべるたびに火の粉で 心が焦げる こんな自分があなたを思っ…

ほむらの色

自分の中の火の色を楽しむ 愛憎で焦げても それすら楽しんで 色と悲鳴と泣き声と歌を楽しむ …

泥と水

乾いて固まった泥の塊 私の中で私のこの手で 私を吸い私の中で沈む 溺れながらその空隙の中の歪んだ空気を吐き出させよう 歪みを溶かして丸く丸く 貴方にあわせて私は漂い 貴方の歪さも強張りも全て 私はただこの優しさだけで 溶かすことが出来る けれど 残ったものはただの泥水 穢れて汚れてゴミだけが残る 夜が来るたびに 記憶が揺れる度に 澱み濁り粘りつき腐っていく けど 光を受けて静かに静かに ただ陽を受けて 貴方が残した汚れはこの底に沈んで 私が光に向かう度に