貴方が当たり前のようにくれた言葉で
私はただ歩けるようになった
当たり前のように私の足元に
私の指先に
私の枕元に
貴方の言葉が広がり
灯になり
目閉じて香る香りになる
夜明けに凍る霜に覆われ
冷たく強張るまま蹲るしかしなかった私に
貴方のその言葉は暁雨
残星の呪いを飲み込ませた
暁闇の黒が続くことを信じて疑わなかったこの胸の
ただ堕ちてのたうつままに腐るだけの花芽を
洗った
泥から頭をもたげ
その闇の向こうの色を見る為の力を
信じさせた
歩け
ただ歩け
周りはすべて鏡
知っているはず
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