映画館で名画を見る幸福
※2022年の下書きから投稿。
最近、名画座にハマっている。サブスクやレンタルなどで家で映画も手軽に楽しめる時代。こんな時代だからこそ、僕はわざわざ映画館に足を運び、映画を鑑賞したいと思う。
さて、名画座とは何か。
現在、僕の住む帝都にはいくつかの名画座が存在している。レトロな構えの映画館もあれば、改装してずいぶんきれいになっているものも。映画だけではなくその空気感を楽しめるものも多い。
7月は、非常に多くの名画座に足を運んだ。そのいくつかをご紹介しようと思う。
「野獣死すべし」監督:村川透
こちらは松田優作主演の「野獣死すべし」(1980年)。ハードボイルド映画として名高い一作品だ。
頭脳明晰の伊達が、過去の記憶を通して野獣と化していく。昭和ならではのクドくてクサイ演技が個人的には大好き。演出も現代映画とは違う独特の長尺であったりと、見慣れない人は見慣れないかもしれない。
松田優作をじっくり楽しみながら、ウイスキー片手に見たい映画である。
「八つ墓村」監督:野村芳太郎
本の街・神保町で鑑賞したのは「八つ墓村」(1977年)。
八つ墓村に伝わる伝承を元に起きた過去の殺人事件が再来するかもしれない‥‥‥。横溝正史作品の中でも、特に地域・伝承色が強い作品。
渥美清演じる金田一のおかげで作品のおどろおどろしさが少しコミカルになっている。
ホラー要素と殺人シーンがあるので苦手な人は注意。
僕は山崎努演じる田治見要蔵の大ファンなので、スクリーンで見られて大満足である。
「バック・トゥー・ザ・フューチャー」監督:ロバート・ゼメキス
こちらは名画座ではないのだが、映画ということでご紹介。オーケストラの生演奏と合わせて映画を楽しめる「シネマコンサート」をバック・トゥー・ザ・フューチャーでやるというのでチケットを取り、見に行った。
とんでもなく良かった。オーケストラアレンジされたメイン曲は勿論、BGMに至るまでも生演奏されると一気に迫力が出る。
音楽の力はすごい。
「学校の怪談」「学校の怪談2」監督:平山 秀幸
夏と言えば学校の怪談!ちょうどよいノスタルジーがたまらないこの2作品を神保町シアターで見た。
小学生だった頃、夕日で赤く染まった誰もいない教室で学校の怖い話をしていたことを思い出す。誰もが一度は経験したことのある記憶を懐かしく映像化したものだ。ストーリー自体は目新しいものではないが、郷愁バフもあって最高の映画体験だった。
この期間、神保町シアターは素晴らしい特集を組んでくれていて、他にも見たい映画が盛りだくさんだった。
こちらのプレイバック特集、あまりによかったので再特集を希望している。
「犬神家の一族」監督:市川崑
金田一さん、事件ですよ!
は~~~~~~~~~~~~~~映画館で見られると思ってなかったから最高!金田一最高!犬神家の一族最高!市川崑最高!
語彙力なんてもんは湖の中に沈んじまったよ!藻が絡まって浮かんでこねえんじゃねえか!?
犬神家の一族は大人気で席なんて取れないんじゃないかと心配したものだったが、劇場に行ってあらびっくり。僕しかいなかった。
マイナーな映画館を選んだのもあってかもしれないが。
おかげさまで劇場で1人、ふんぞり返って犬神家の顛末を見届けられた。大満足。
この犬神家の一族は角川映画祭のおかげで上映されていたらしい。ありがたいことだ。
名画座に足を運べ
新作映画よりも旧作を映画館で見る体験の方が圧倒的に増えた。自分が知らなかっただけで名画を上映してくれている映画館が東京にはいくつもある。まだまだ足を運べていない映画館は山ほどあるので、これからも積極的に名画を愛していきたいと思う。
皆も是非名画を見よ。