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炭酸水最強ブランド「ウィルキンソン」を打倒せよ! #アイデア量産 してみた

皆さんが毎日欠かさず飲む飲み物は何でしょうか?

私の場合、ここ5年ぐらいは朝、昼、晩と毎日欠かさず炭酸水を飲んでいます。うまく説明できないんですが、なんか良いんですよね。

良く飲むのは「ウィルキンソンタンサン」です。喉ごしの刺激が強い。もう好き。好き過ぎる。菊川怜風に言うなら、だぁ〜い好き。

「ウィルキンソンタンサン」以外にも色々と浮気しました。でも結局、なんやかんやで炭酸の刺激が一番強い「ウィルキンソンタンサン」に戻ってきました。

ちなみに日経BPコンサルティングの調べによると、無糖炭酸水市場はこの9年で市場が3.6倍の250億円市場に成長しているようです。

2018年のアニメ関連ライブ市場規模は200億円、マッチングアプリ市場規模も200億円、花火大会市場規模も200億円。そう聞くと以外に大きいと感じませんか?

ちなみに別の調査によると、市場規模は433億円らしいです。どちらが正しいのかは不明ですが、間違いなく「そこそこ大きい市場」と言えます。

公開されているページによると、「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」として思い浮かぶブランドとして、純粋想起でも、助成想起でも「ウィルキンソンタンサン」が圧倒的な1位です。

「よく飲む「炭酸水・スパークリングウォーター」のブランド」でも「ウィルキンソンタンサン」が1位を占めており、圧倒的な強者という印象です。

どうした他のブランド!

今回は圧倒的強者である「ウィルキンソンタンサン」に立ち向かうためのアイデア量産してみました。


アイデアの作り方について

まず最初に、アイデアの作り方を説明させて下さい。

打倒「ウィルキンソンタンサン」のために、競合、市場、顧客を見てアイデアを考える。そういう方法もあるでしょうが、私の場合はやりません。米倉涼子風に言うなら、いたしません!

顧客の不満を聞くのは、確かに大事です。不満を解決すれば、売上増も期待されるでしょう。それは間違いありません。

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しかし忘れてはいけないのは「炭酸水」ユーザーより「炭酸水」非ユーザーが未だ圧倒的に多い点です。

先ほどの日経BPコンサルティングのページに「無糖の炭酸水・スパークリングウォーター」の飲用頻度と購入頻度のデータがありました。コーヒー・茶系飲料、ミネラルウォーター、アルコール飲料に比べて、頻度は相対的に低いのです。炭酸水を飲むのは、まだまだ「メジャー」ではありません。

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では、なぜ「炭酸水」非ユーザーの方が多いのでしょうか。それは得られる価値(ベネフィット)を、他のカテゴリで得ているからです。言い換えると「炭酸水」をわざわざ選ぶ理由が無いと考えるべきでしょう。

今までの炭酸水が提供してきた価値(ベネフィット)は何でしょうか。

端的に表現すると「強い刺激でリフレッシュできる」でしょう。だからこそ寝起きの朝方、仕事の休憩中、お風呂上がりによく飲まれているのです。

では、それ以外のベネフィットを上げろ…と言われると、「喉を潤してくれる」「特定の食事に合う」ぐらいしか浮かびません。

ですから、他の何かで充たしているベネフィットが「炭酸水」に実装されれば、一気にユーザーが増える可能性があります。500億円市場も可能性が見えてくるはずです。

もちろん、他の何かでも充たされておらず、かつ人間の根源的な欲求であるほど市場規模は大きいでしょう。

したがって見るべきは消費者よりも非消費者、もっと広義で言えば人間の欲求なのです。

人間が普段どんな行動をとり、どんな欲求を充しているかを知り、「それを炭酸水で解消できないだろうか?」と考えるのです。それがアイデア作りではないでしょうか。

そこで今回は、消費者行動を見て貰った後に、「なぜこんな行動をしているのか?」「どんな欲求を充たそうとしているのか?」を考えて貰い、アイデア量産に繋げていきます。

手前味噌ですが、今回のアイデア作りは、人間のユニークな行動をひたすら集めたWEBサービス「Trend banK」のデータを活用しています。


アイデア例1:考え方

図1

図2

TrendbanKに掲載されている2件の消費者行動を紹介しました。

このnoteを読まれている皆さんも色んな気付きがあったと思います。私からは2つの気付きを紹介したいと思います。

■アルコールのある交流は気分もお金も「重たい」
誰もが気楽に参加できるソフト(ドリンク)な交流が求められている。アメリカの若者のあいだで、「酒を飲まないこと」がムーブメントになりつつあるとクーリエ・ジャポンで紹介されている。
https://courrier.jp/news/archives/167745/
また「脱アルコール」として、「Sober Curious(ソバーキュリアス)」を自称する人たちに注目が集まっている。お酒が飲めない訳ではないが、あえて飲まない人や、少量しか飲まない人を指す。ミレニアル世代を中心に、このあえて「飲まない」がトレンドになっているとニューズウィーク日本版で紹介されている。
https://madamefigaro.jp/culture/news/190909-sober-curious.html
■ノンアル飲料をクオリティ高く楽しみたい
お酒を飲んでいるような高揚感や本格感は欲しい。ノンアルコール飲料はネガティブに聞こえるが、最近では「モクテル」と呼ばれるノンアルコールカクテルが人気。「モクテル」とは、似せた・真似たという意味の“mock(モック)”と“cocktail(カクテル)”を組み合わせた造語。

ちなみに私の場合、講演会に登壇する直前に、人前で話す緊張を抑えるために酔ったと脳を騙そうとしてノンアルコール飲料を口にします。酔ったら緊張も緩和されるからですが、ガチで酔うと講演に支障を来たすので、あくまで酔ったフリ。キッチンドリンカーの心境がよく分かります。

この2つの事象から、「シラフであっても過ごしている時間を楽める飲み物が欲しい」。そんな欲求が見て取れます。

そこで注目したのは「mocktail(モクテル)」です。

Googleトレンドを使って、すべての国を対象に2010年以降の「mocktail」検索量について調べてみました。その結果が以下の通りです。

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2013年ごろから注目を集め始め、ここ5年は右肩上がりです。

クーリエ・ジャポンやニューズウィーク日本版にも掲載されたように、若者の間で「お酒に対する忌避心理」があるのは間違いありません。

一方で「シラフで楽める飲み物」はソフトドリンクか、ビールもどきノンアルコール飲料しかありませんでした。それだと物足りないんです。

そこで登場したのが、カクテルのような見た目をしたノンアルコール飲料のmocktailです。Twitter上で「mocktail」「モクテル」と検索すると、以下のようなtweetを発見しました。すごく美味しそうじゃないですか!?

こうした世界的なトレンドをいち早くキャッチして、キャンペーンをされているのがコカ・コーラボトラーズジャパンです。

「モクテル、シッテル?」と題して様々なキャンペーンを展開中です。

アルコールフリーを楽しむドリンクとしてロンドンで流行の「モクテル」は、フルーティーでお洒落が基本! お酒が苦手な方やハンドルキーパーの方も楽しめるスペシャルドリンクとして、現在、飲食店さまでのお取り扱いが急速に拡大しています。

こんなYoutube動画を作られています。美味しそう…。

うちの嫁はお酒がほとんど飲めないんですが、お酒を楽しんでいる雰囲気が好きらしいので、今度一緒に作ろうと思いました。

ソフトドリンクを使って、自分好みの味を作り上げる。

「これって自分が高校生の頃、サイゼリヤのドリンクバーで、色んなジュースを混ぜて自分好みの飲み物を作っていたのと何が違うんですか?」

そう思ったかもしれません。外見は一緒かもしれませんが、中身(意味)は全く違うのです。

昔はサイゼリヤの店員さんから「飲み物で遊ばないで下さい」と怒られましたが、今ではメーカーさんがむしろ「新しい飲み方」として積極的に推奨しているのです。

時代は変わったのです。昔ダメでも今は良いってよくありますよね。ペットボトルコーヒーとか誰が飲むんだ!と思ってましたよね。

ちなみに米国では、ジェン・バッチェラーとマシュー・カーブルが始めたノンアルコール飲料メーカー「Kin Euphorics」が資金調達しており、この流れは日本にもやってくるでしょう。

モクテルの流れは確実に押し寄せています。企業が積極的に推進する「理由」もあるからです。それは「SDGs(持続可能な開発目標)」です。

#3として「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」と掲げています。そのうち3.5には「薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。」とあります。

サントリーでは「サステナビリティ・ビジョン」として#3に触れています。

モクテル(ノンアルコール飲料)の普及は、SDGsの達成に繋がるのです。ここまでの「大義名分」があって、社会に普及しないわけがない。


アイデア例1:「モクテルにカナダドライ ザ・タンサン」

近い将来に「モクテル」と題したドリンクが発売されるはずです。

それは「ノンアルコール飲料」としてではなく、「新しいソフトドリンクの楽しみ方」であり「アルコールの場で一緒に飲んでも楽しめる飲み物」として「モクテル」が登場するのではないでしょうか。

例えばコカ・コーラ社からコーラ、ファンタ、ジンジャーエール、ミニッツメイド、そしてカナダドライなどをセットで販売できないでしょうか。それらを大人たち数人と集まって、お互いにオリジナルモクテルを作りながら、わいわいと談笑するのです。

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シラフ時間をリッチに楽しむ。

こうした価値は、今までの炭酸水は提供しきれていませんでした。むしろ以前はお酒の割りものであり、シラフとは対局の存在でした。

「シラフであっても楽しめる飲み物」としての炭酸水が広まれば、もっともっと市場は拡大するのではないでしょうか。


アイデア例2:考え方

図3

TrendbanKに掲載されている1件の消費者行動を紹介しました。

このnoteを読まれている皆さんも色んな気付きがあったと思います。私からは2つの気付きを紹介したいと思います。

■行動を伴う「意識高い(not“系”)」人はカッコいい
行動せず、周囲に意識高さを見せつけたいだけの薄っぺらい「意識高い系」と、実際に行動して、周囲のことを考えた振る舞いができる「意識高い人」を峻別することが大切。
■有機体の悪いものを減らすPDCAサイクルを巡らせたい
家庭を有機的な存在として、変化しつづけるものとして認識している。その変化のために、マイナスな作用を洗い出し(チェックし)、デトックスしたい(行動したい)。仕事だけではなく、身体も家族も生活の全てにおいてもPDCAサイクルのような循環を生める人こそ真に「意識が高い」。

これまでの炭酸水は、「ペリエ」に代表されるようなビンで飲む飲み物でした。「この平成のご時世に瓶!」と悪態をつくと「身体に良いからさ〜」と返され、心の中で(意識高い系が!)と毒づいたものです。

実際のところ、「炭酸水健康に良い説」は既に否定されています。正確に言えば「健康に影響を与えない」ようですが。

この1つの事象から、身体のPDCAも回したい。そんな欲求を見て取りましたが、果たして飲料で満たせるでしょうか?

特に注目したのは「デトックスウォーター」です。

そんなもん2015年にブームが消えた「終わったタピオカ」じゃないか、と思われるかもしれません。確かにGoogleトレンド(日本に限る)では全盛期の5分の1程度です。

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一方、お隣の美容大国・韓国では、ドライフルーツを水や炭酸水に漬け込んだ퐁당 워터(フォンダンウォーター)と呼ばれる飲み物がブームとなり、2年後の2017年に日本へ上陸しました。

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去年ぐらいまで、TwitterやInstagramでフォンダンウォーターの投稿が相次いでいたのをご存知の方もおられるでしょう。

つまり、ブームの火が付いては消え、付いては消えを2010年以降、1〜2年間隔で繰り返しているのです。恐らくは「デトックスウォーター」が流行る数年前もそんな感じの似たような水があったのではないでしょうか。…はっ、水素水。

「身体のPDCAも回したい」というニーズは確かにあって、まだ飲料では充たし切れていないのではないでしょうか。

ちなみに以前、某外資系企業に訪問した際、4種類ぐらいのデトックスウォーターが鎮座されており「うぉぉ、すげぇ!」と驚きました。

「でも、味付きの水ならフレイバーウォーターと何が違うの?」

そう思ったかもしれません。外見は一緒かもしれませんが、中身(意味)は全く違うのです。水分に含まれる糖分量が違います。フレイバーウォーターを見たとき「うげっ!」という声が出ました。

フォンダンウォーターも、ドライフルーツを漬け込む際は「砂糖不使用」を選ぶように推奨されています。フレイバーウォーターでは、実は「身体のPDCAも回したい」というニーズを充せないと思われます。

ちなみに、炭酸水の唯一の弱点をあげろと言われると「冬は夏ほど飲まれない」のです。以下、Googleトレンドで見てみると(青)デトックスに対して(赤)炭酸水は夏場にピークを迎えます。

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アイデア例2:「い・ろ・は・す ファンダンスパークリング」

冬場にも飲めるファンダンウォーターは、糖質を含まないフレイバーウォーターなのです。

身体が冷える冬、新陳代謝機能が落ちている身体に、サイクルが回り始める炭酸水ってアリではないでしょうか。

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「糖質0」を達成するための技術的障壁がどれくらい高いのかが不明ですが「強い刺激だけの炭酸水」から、「体内のPDCAが回せる」という意味が新たに加われば、今まで充たしきれなかったニーズを十分に充たす可能性はあると考えます。


#アイデア量産 は、あなたの脳を柔らかくする

「炭酸水の売上を伸ばすために何か良いアイデアない?」と言われたら、今回紹介した2つのアイデアが「正解」では無いにしろ、こんな内容が10個ぐらいポポンと出るのが理想ではないか、と思うのです。

最初は苦戦するかもしれませんが、常日頃から消費者行動をストックしていれば、だいたい10分~15分ぐらいで最後までストーリーを描けるでしょう。

(実現性の可否はおいておいて)アイデア量産できるヤワラカ脳に変わるためには、訓練や場数も必要だと思っています。

「そうやってTrend banKの契約に繋げようとする!騙されないんだから!」

そう思われたらごめんなさい…。

そこで今回は、約1,700件の消費者行動をストックしているTrend banKを契約しなくても、そのうち厳選した100件を掲載している書籍をご紹介します。

「アイデア量産の思考法」と言います。良きタイトルです。

本の帯には「話題の有名企業が続々採用」ということで、キユーピー様、ポッカサッポロ様、モランボン様、WUNDERMAN THOMPSON TOKYO様の社名を掲載させていただいております。

すでに、これらの企業様は「アイデア量産の思考法」を取り入れ、実践し、ポンポコポコスカとアイデアを出されているんですよね。

まさにこのnoteで書いたような、消費者の行動から欲求や充たされた(充たされない)心を読み解き、自社商品で埋める方法を考えられているんです。

ちなみに、この本に掲載された消費者行動は、全てパクっていただいてもかまいません。Twitterに本のキャプチャを撮って頂いてもかまいません。

「何か良いアイデアないか?」と言われても浮かばないこの時代、消費者行動を観察してアイデア量産していきませんか?

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コメント2件

アイデアって降ってくるわけではなく、調査し論理的に構築されるものだと思いました。
これからの炭酸水として、高級炭酸か炭酸サーバーか温泉やスポーツジムでの粉サプリ✕炭酸水を考えました。
何気ないものでも考えることが大切ですね。
「これからの炭酸水」を考える時に、他のカテゴリで既に流行っている価値をズラして持ってくるか、全く新たな価値を発見するかのいずれかが真っ先に浮かびますが、楽なのは前者ですよね。
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