増えるワカメと、バニシュ&デス

うちの家事は分担性である。
パートナーがもっぱら作る(創る)系を担当して、私は片付け担当であることが多い。もちろん、パートナー自身が片付けをすることもある。

ここで、感謝を述べるにあたり、難しいことがある。
掃除、洗濯、Amazon から届いた荷物を梱包から解いてあるべき場所に整頓する、などの「片付ける系」は、その動作を見ていないと、気づかないのだ。そうして、整然となっている状態に対する感謝を忘れて、喧嘩に発展することもある。

ここで、見える化を「増える見える化」と、「減る見える化」に分けてみる。前者は増えるワカメであり、ものづくりである。後者はナメクジに塩であり、バニシュ&デスである(デジョンでもいいよ、次元のはざまにようこそ)

仕事でよく使う「見える化」。これは「増える見える化」が多い。職場によっては「やる気みせ」ともいう。セールスの人が「はい、条件がんばります!」といって威勢よくしている一方で、裏でタバコを吸っていることは現場にいれば遭遇する場面だ。値段交渉の場面で上司にかけあう時間は、条件そのものよりも「間をとる」ことが大事だったりする。

こういった例の他に、トラブルシューターなどはわかりやすく問題解決をしてくれるのでありがたいのだが、トラブルがない整然とした職場ほど、実は評価されるべきものであったりする。これは「減る見える化」の例であり、5Sが徹底された工場もそう。藤本教授の「よい設計、よい流れ」の経営工学を地で行っている(わたしは授業で可だったけど。。。)。

「減る見える化」の別の例で言うと、イチローさんがむかし「あの程度のフライなら、僕はダイビングキャッチしなくても普通に取れる」的なことを発言していたのを思い出す。フライが飛ぶ前に、飛びそうな地点に移動しておく予備動作があるからだ。最近だと、大谷サンシフトとかがわかりやすい。

こんな感じで、実は「減る見える化」で成り立っている事象もたくさんある。タイタニック号も、湖の白鳥も水面下でてんやわんやだけど。

では、どうやったら、「減る見える化」を察知できるか、というと、正直、よくわからん。あえて実行した方が「やっておいたよー」と見える化した方がいいかというと、そうでもない。
自動車のAudiなんかUnderstatementの権化だし、それが敢えてBMW / Mercedesとは違う第3のブランドとしての選択肢を与えている部分もある。

ただ、こうした見える化しにくいものが存在することを頭に入れておくだけで、変化を読み取れる力が身につくのではないかと思っている。暗黙知ほど価値があるとすれば、それに気づく練習ができるとも言える。

見えないものをみようとして、望遠鏡覗き込んでみたら、うまくいく?

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