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ゴミ屋敷のカウボーイ

売買契約で中古マンションを購入した
オーナー様から管理契約を新しく受託した
物件で出逢った印象に残った契約者の話。

入居率100%で当社が管理を受託。
やけに相場より家賃が高い設定で
どんな人が住んでるか書類で確認した
ところ半分以上が生活保護で市の上限賃料
満額の契約になってました。

そのマンションの入居者より最近廊下が汚れている、変な格好のおじさんが廊下を頻繁に歩いてて怖いと電話がありました。早速、現地に直行すると汚臭と共用廊下になにやらゴミ...とある部屋の玄関前が
特に酷い状況でした。この部屋は生活保護の
50代単身男性が住む部屋、早速訪ねます。

わい【ピンポーン◯◯さんいますか】
◯◯さん【おるよ、なんや】
わい【なんか部屋の前にゴミがあるんです】
◯◯さん【知らんよ】
わい【ちょっと部屋見せて貰えます❓】
◯◯さん【開いとるから勝手に入れ】
ワイ【じゃ、失礼しまーす....】
.......ゴミ屋敷やないかーい🥶

いままで見てきた中ではレベル的には
低めのゴミ屋敷ですが床が見えない位の
感じです。ゴミを踏み締めながら部屋に
向かうと何故か契約者がエロ本と服の山に
カウボーイハットをかぶって鎮座してました。
ファーストインパクトが強烈でしたが
とりあえず話したら受け答えは辛うじて
出来るけど話がもうめちゃくちゃ。

◯お金が無くてご飯を3日食べてない
 おにぎりとお茶を買ってほしい
◯生活保護費は受給したら初日に全額使う
◯ライフラインは全て止められているので
 公園まで水を飲みに行っている
◯トイレはその辺でしている
◯窓が開けっぱなしで部屋が拭きざらし
◯夜になると真っ暗なんで外で寝てる
◯この部屋は人に頼まれて住んだ

とりあえず3日も食べてないらしいから
近くのコンビニでおにぎりとお茶を
買って食べさせました。流石に生きる事を
自己管理出来る人では無いと判断して役所に相談。

その結果、役所の担当者立ち会いの元
部屋を合意解約し一旦は施設に入る事に
なり役所の方が迎えに来て彼は運ばれて行きました...
運ばれたと言うより、拉致されたイメージが近いかも。担架に括り付けられてましたw

それから1週間後.....この部屋は契約者が鍵を紛失
しており片付けまで施錠が出来ずにそのままにしてましたが確認で部屋に入ると、なんとカウボーイハットの契約者がまたゴミ山に座ってました😅

施設から逃げた出して来たんですね。
しかもその施設は約20km以上先の山奥で
知らない土地から感覚だけでお金も携帯も
地図も無しに歩いて1週間かけて
戻って来たのです。流石に笑うしかあり
ませんでした、なんとゆう生命力。
ただ既に部屋の解約をしていたので
もうここには住めない事を諭したら
彼は何処かに消えてゆきました。

のちに彼は元ホームレスでブローカーに誘われて
生活保護を受けてこのマンションに住むように頼まれたと知りました。入居率の悪いこのマンションを
満室にして売るために何の担保もつけずに保証会社もつけずに契約させて売るために利用されたんですね、このエリアは賃料相場より生活保護費の方が高いのです。

あれから役所のお世話もならずにどうやって
彼は生きていってるんだろうとたまに思い出す
印象深い契約者の話でした。若い頃はカウボーイハットが好きだったのか、良い時代もあったのでしょうか。何処かで歯車が狂ってしまい自己管理が出来なくなってしまったのかもしれないですね、明日は我が身かと。

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