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家族と暮らしていると、どうしても自分の部屋というものが必要になってきます。私も例外ではなく、毎日自室で寝起きしています。私の部屋は床が畳になっている所謂和室で、ドアは襖、収納スペースは押し入れと背が高い箪笥(上の引き出しはほぼ母の着物)と、いかにも和。天井からぶら下がっている照明とか壁紙もいい感じに「和」です。如何せん語彙力がないものでこんなアバウトな説明しかできませんが、皆さんのイマジネーションで補完していただければ幸いです。

畳だから寝転がっても痛くない。まあまあ広いし、本もたくさんある。床に布団を敷いて寝るから転がり落ちても痛くない。窓とエアコンがないことを除けば理想的な自室ですが、先日その自室の入り口の洗礼を浴びてとんでもなく痛い思いをしたのがついこの間の土曜日の話です。おかげでブログのネタは見つかりましたが、代償は大きかったです。そして身に染みて感じました、「敷居を踏んではいけない」と。

あれは土曜日の午前中、自室で課題をしていたときのことです。襖の向こうから母が呼んでいる声がしたので部屋の外に出ようとしたその瞬間、足裏に鋭い痛みが走りました。何かと思って見てみると…確実に1cmはある棘がグサリと。しかも場所はよりによって小指の付け根。慌てて引っこ抜きましたがまあまあ太い上にしっかり刺さっていたせいでそれはもう痛かったです。抜いた後も棘が刺さっていた方の足は暫く痛みが残っていました。でも、すぐに抜けて良かった。場合によっては病院にかからなければいけないときもあるので、自力で何とかなったのは不幸中の幸い…だと思っていました。

その日の夜。お風呂から上がって自分の部屋に戻ろうとすると、足裏に何かに刺されたような痛みが…。嫌な予感がして見てみると、潜っててわかりづらいですが、棘が深々と刺さっていました。しかもがっつり中に入り込んでいてとても取れそうにありません。

あれ、これもしかして病院行かなきゃ抜けないやつですか?え、もう病院閉まってるよ?月曜までこのままでいろってこと?足に異物がもぐってる状態で月曜まで待てと?「サーっと血の気が引く」という表現がよくわかりました。いつだったかブログで書いた金縛りとは別ベクトルで怖かったです。とりあえず親に相談しようと母を呼ぶと、まさかの回答が。

「これ、指で押せば出てくるんじゃない?」

言うやいなや棘を押し出そうと足裏を指でぐいぐいしてくる母。しかも結構容赦なく強く押してきました。痛いなんてものじゃありませんでした。「痛い」以外に近い言葉がないので仕方なく痛いと言いますが、とんでもない刺激でした。何とも言語化が難しいですが、棘が抜けるまで私がずっと断末魔みたいなものを叫んでいたくらいには痛かったです。今年二十歳になるというのに何とも恥ずかしい話ですが、仕方ないじゃないですか。いくつになっても痛いものは痛いんです。まあ元はと言えば、私が敷居を踏んづけなければ起きなかったことなのですが。

結局、母と我が家の毛抜き君のおかげで無事棘は抜けて病院行きは免れましたが、もう二度とあんな目には遭いたくありません。何故「敷居を踏んではいけない」なんて言葉があるのか、20年近く生きてきてやっとわかった気がします。

皆さんも和室に入る時は気を付けてください。さもなくば敷居の洗礼を受けます。それではまた次回。ありがとうございました。