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お久しぶりです、わたです。かなり遅くなってしまいましたが、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます!好きなこと学んで、好きな場所行って、大学生生活を一緒に楽しんで参りましょう~!


さて、約一か月ぶりの更新となったのですけれども、この合間にスギ花粉は消え、前回一つ二つと咲き始めていた桜はもう見頃を既に終え、仁和寺の御室桜も既に葉桜。黄桜や八重桜は咲いていても、もう見納め。「わがせこが衣はるさめふるごとにのべのみどりぞいろまさりける」という歌もありますが、一雨過ぎるごとに木々は少しずつピンク色が剥がれ落ちて緑色へと変化していき、その緑もまた深いものへと進化します。緑の季節ですね。梅雨が来るまでは一年の中でも本当に散歩に適した、楽しい季節です。まあ、ここのところ半袖でも汗をかくような暑い日があったり蚊に遭遇したりして、もう今までの過ごしやすい五月は来ないのかとか、いつかこの頃の時候の挨拶が「清和のみぎり」とかから「日毎に炎暑が厳しさを増す今日この頃」とかになるのではないかと思って震えたりしてもいるのですが……。


それはともかく、この時期忘れてはいけないのが、藤の開花です。実に要らない情報ですが私、藤という木が好きで好きで。いつか藤の木をお迎えして、お庭で楽しむのが夢です。今年もあちらこちらの藤の名所を巡っては藤の香りを思いっきり吸いこんだりしてました。とっても良い香りですよね。ただ実は、例年なら咲き始めたくらいの時期なのですが桜同様色々早く、平等院の藤もこの通り、今まさに見頃を迎えていたりします。

清少納言が藤の花は房が長くて色が良く咲いているものがとても素晴らしい、と書いていますが、確かに、長い房の方が風が吹いて揺れた時に香りが広がりやすいというか鼻に近い方が自分的にうれしいというか。私も短いものより長いものが好きです。清少納言先輩とは絶対違う意味だけど。


さてさて、そんな清少納言先輩が『枕草子』で挙げた無数の物事のうちの一つ、「みもひも寒し」の飛鳥井は上京区の白峯神宮内にあることは結構有名。手水社です。お水に触れることができます。すごくないですか?


そんな手水社のある白峯神宮は崇徳天皇と淳仁天皇を祀る神社。百人一首の「瀬をはやみ」や怨霊伝説で有名な、あの崇徳天皇と、舎人親王の子で、淡路廃帝ともいわれる淳仁天皇。境内には「瀬をはやみ」の歌碑があります。


また、この神宮は和歌と蹴鞠の宗家である飛鳥井家の邸宅地跡にあります。飛鳥井家の守護神として代々祀られてきた精大明神様も祀られておりまして、蹴鞠をはじめとした球技上達のご利益があるとして信仰を集めてもいます。境内には蹴鞠ができるような砂の敷かれた開けた空間(鞠壺)が存在し、四月十四日の淳仁天皇祭(春季例大祭)と七月七日の精大明神例祭(七夕祭)では「蹴鞠奉納」が行われるそうです。


蹴鞠、見たことあります?私は淳仁天皇祭までありませんでした。


どうやら京都を中心に、西日本では蹴鞠が儀式の一つなどとして見る機会がまあまああるようなのですが、関東はざっと(雑に)ネットで調べた限り、なかなかやっていない様子。


蹴鞠をしている場面を読んで、みっともないけどどうやら面白いらしい…めちゃくちゃ上手い人もいるらしい…落としたら終わりらしい…などと情報を少しずつ取り入れ、頭の中で想像の蹴鞠を独自に作り出すしかなかったのですが……。


蹴鞠って、サッカーのように一斉にプレイヤー全員が鞠庭に入るのではないのです。一人一人順に入るのです。蹴鞠って、声を大きく出しながら、鞠を回すのです。意外とうるさいし迫力あるのです。砂埃が離れていてもかかってくることだってあるのです。勝ち負けがないものもあるそうで、特に儀式で行われるものがそれに該当するのでしょうか、どれだけ落とさず続けられるかを試す、平和なゲームという一面があるのです。また、落としたら終わり、なのではなくて落としたら再び初めて、頃合いを見て一番目に鞠庭へ入った人が鞠を地面に置くことで一ゲームが終わるらしいです。鞠が本当に桜木の上に乗ることもあるのです。鞠が風に流されていくこともあるのです。やっているうちに鴨靴や緌袴のひもがほどけることも、烏帽子が前にずれていくことも、実際あるのです。目の前で実際に見て、始めて知ることができました。


今やいつでもどこでも何でも調べて見たり聞いたりすることができるようになっています。調べる手間もなく紹介されることもあり、私のタイムラインにはよくよく地域のお祭りの動画が出てきます。このような動画や画像を通して存在を知ることに関してはとても良いことであると思っているのですが、これを観ただけで満足して終わってはいけないと思うのです。インターネットは臭いや、砂の味、目の前を過ぎていった鞠水干の袖がつくった僅かな風、日差しによる肌がジリジリ焼けていく予感や、ずっと立っていて足がだるくなってきたなという気持ちを与えてくれることはないのです。リアルに触れることでしか得られないものがこうして、確かにあるのです。


やっぱり現地に立って五感で感じるに限るなあ、そんなことを考えながら、ずっと蹴鞠を見ていましたところ、鞠が柵を超えて私の足元に転がってきまして、私は鞠をそっと押し出して戻そうとしました。


あの鞠って、中身本当に「空気」なのですよね。コロコロ転がすつもりが、ぺこっとへこんだだけで進まず、結局手渡し。これもリアルでしか体験できないことですよね。しかし、まさか鞠に触れることができたなんて!蹴鞠奉納後にあった蹴鞠体験には時間の問題で参加できないとわかっていたので、とても嬉しかったです。いつか私も友達とどこまで鞠を落とさず続けられるか試したいものです。身体運動の科目に「蹴鞠」が増えないかな。これなら顔面に当たっても痛くなさそうだしね。


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新学期、慣れないことだらけですよね。朝イチの満員電車に気分が悪くなっちゃったり、勝手がわからないから何処に行っても緊張しっぱなしで気が滅入っちゃったり。私もそうでした。今も実は毎日ポケットの中に胃薬を常備していたりします。しかし蝉が鳴き始める頃には、この胃薬は食べ過ぎた時以外飲まなくなりました。焦らなくても大丈夫なようです。絶対無理だーと思っても慣れていくものです。不思議。


冒頭でも書きましたが、これからはお散歩に適した心地の良い季節です!そして幸福の知らせ、GWはもうすぐです!GWまであと少し、たまにお天気のいい日にお散歩するなど気分をリフレッシュしながら、GWの到来を待ちましょう!