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屋台で熱々のおでんを食べながら聴きたい曲【sideA】

FMラジオ局 J-WAVEによる大学生・専門学生コミュニティ「WACODES」。

WACODESメンバーがシチュエーションに合わせて選曲し、プレイリストを作るこの企画。音楽やカルチャーが好きなWACODESの選んだ音楽が、日常の名もなき瞬間を彩ります。

今回のシチュエーションは、

「 屋台で熱々のおでんを食べながら聴きたい曲」。

シチュエーションに合わせたエッセイとWACODESによる選曲理由を合わせてご紹介します。

〈思い出の味〉

屋台のおでん。
何となく冬の風物詩のようになっていたり、漫画やドラマのセットで見たことはあるが、現代の日本で実際見ることはなかなかない。

しかし、私が小さい頃近所の商店街におでんの屋台があったのだ。

それは9歳くらいの記憶まで遡る。
普段買い物をするスーパーの目の前に、その屋台はあった。スーパーで野菜を買ったあと、時々そこでおでんも買っていた。

看板には『味一番 関東おでん』という筆文字と、こんにゃくと大根とちくわぶが刺さったお馴染みのイラストが描かれている。看板の左下には『おでん』とかかれた大きな提灯が光っていて、2畳くらいのスペースでおじいさんがお店を切り盛りしていた。

覗き込むと良い香りで出迎えてくれる。

「いらっしゃい〜」

必ず笑顔でおじいさんは挨拶してくれた。白熱電球に照らされたおでんが、気持ちよさそうに出汁に浸かっている。

「はんぺんとちくわぶが良い」と母にねだると、「白いものばかりだと栄養が偏る」と言って大根とこんにゃくも追加された。父の好きな餅巾着も頼んだ。ここの餅巾着は餅以外にひじきやしいたけも入っていて、父は「ここ以外のもち巾着は食べたくない」とよく言っていた。

頼んだ具材をビニール袋に入れてくれ、ついでに昆布巻きをおまけしてくれた。たまに来るおばちゃんは鍋を持ってきて、その中に具材を入れてもらっていた。

家に着くと直ぐに鍋の中に入れ替え、少し温めてから家族でそれを囲んで食べた。

汁は黒い関東風である。それがしっかりと具材に染み込んで、風味豊かな味となっている。濃いように見えるが、しょっぱさはまったくない。汁まで飲みほしてしまうほど大好きだった。

小五からそろばん塾に行くようになり、夕方の母の買い物にもついて行かなくなってからおでんを買ってくることも無くなった。久しぶりにおでん屋さんの前を通ると厚い鉄板で封鎖され、中学生になってもう一度通った時、店ごと無くなっていた。屋台があったであろうスペースは家のお風呂くらい小さくて、よくあそこで商売ができていたなと思う程だった。

大人になって、お酒の楽しさが分かるようになった。居酒屋でおでんを食べる時、時々あの屋台のおでんを思い出す。父がビールを飲みながら食べたあのもち巾着は、一体どんな味だったのだろうか。

書いた人:4210(10期)
ひとこと:向かいのスーパーも今は無くなりました。時の流れは残酷です。

〈選曲理由〉

・もしも/星野源
食べて暖まると優しくなれます
byざずー

Forget/Conor Albert & Alice Auer
Conor Albertのギターの音とAlice Auerの歌声がとても温かく、おでんにぴったりだと思ったから。’Forget yesterday, Move it far away’という歌詞も、週末の私たちを優しくつつみ込んでくれる。
byスプリングウーマン

・I Am A God/Kanye West
おでんは神になれる一つのピースだから
byなま

・人生に冬が来ても/Mr.ふぉるて
とにかく聞けばわかるから聞いてほしい!!!冬の夜にぴったり。
by冬生まれ

・ボーッ/福山雅治
寒い風が舞い込む中、熱々おでんを頬張りながらボーッと色々考えたい
by k²

・バッチグー/吾妻光良 & The Swinging Boppers
おでんにはこれくらい陽気な曲が似合うかな
byじょう

・愛してますっ!/Cody・Lee(李)
おでん、愛
byまり

#WACODES#プレイリスト


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