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第一話 母の死と離婚 突然のお別れ

これは、ダメ男に振り回され、お金に追われ
「なんでわかってくれないの!」と
悲劇のヒロインまっしぐらだった私が
自分を取り戻し、自分を生きれるようになるまでのストーリーです。

“自分なんて生きてる価値がない“と心底思っていた
こじらせアラサーが
“今が1番しあわせ!歳を取るのが楽しい!”と思えるようになるまでのお話を綴って行きます。

“その日“は突然やってきた

29歳になったばかりの9月の下旬。
いつもと同じように朝から仕事に行き、
いつもと同じように黙々と仕事を進めていた午後
職場に親戚から連絡が入った。

「お母さんが倒れて病院に運ばれた」

え?と思いつつも仕事を切り上げ
不思議なほど冷静に職場からほど近かった病院へタクシーで向かった。

「病院嫌いなのにわざわざ病院行ったんだなぁ」

そんなことを思いながら、15分ほどで病院に到着。
そこは救急病院だった。

せわしなく人が行き来する院内。
間違いなく現実なのにどこかふわふわした感覚で
母が居る場所を探していたら父と会えた。

「脳かもしれない」

父の顔はいつも以上に厳しい表情だった。

どうやら母は家の玄関で倒れたそうで

たまたま休みで一緒に出かける予定だった叔母と
たまたまマンションに来ていた叔父が近くにいるタイミングだったので
すぐに救急車で運ばれた、ということだった。

基本病院嫌いで我慢強い母だったので、
状況が厳しいことはそこでなんとなく想像がついた。

私のGoogleフォトにあった生前最後の母の写真
リュック買ったんだーって嬉しそうに話してた
9月上旬


親戚やお世話になっていた人たちが集まってくる。

勝手にあと30年くらい一緒にいられると思っていた母が、話すらできない状態で病院のベッドの上にいる。

何もできずにただ母の側にいる事しができなかった。

ふわふわの腕はいつも通り柔らかく、握っても握り返すことのない手をぎゅっと掴んでいた。

何もなかったかのように起き上がればいいのに。

そんな想いもむなしく
その日の夜に、そのまま意識が戻ることなく母は息を引き取った。
51歳。くも膜下出血(脳梗塞)だった。


このままじゃきっと何も変わらない

その後は怒涛に過ぎ、葬儀と火葬とあっという間だった。

人が1人いなくなるということは本当にいろんなことがあって、やらなきゃならないことがたくさんだった。

ため息混じりで一息ついた頃には10月も半ばになっていた。


その時私は結婚してはいたものの、あまりうまく行っていなくて

実家に帰っては愚痴を言うような日々を送っていて
いろんな人から心配をされるような状況だった。

母が亡くなる直前に友達と行っていた沖縄旅行


そんな状況をなんだかんだ心配してくれていた母がいなくなり、心のよりどころがなくなって、何かがプツンと切れてしまった。

人は思ったより簡単に死んでしまうのかもしれない。
その瞬間まで私はこのままでいいのか。

きっとこのままじゃ、この先ずっと何も変わらない。
本当にこのままでいいの?


そんなことをぐるぐる思い、夫に離婚を切り出すことを決意した。

新婚旅行で行った北海道の旭山動物園


四十九日が終わったら

11月半ばに母の四十九日を終え、しばらく実家で生活していたのを、夫家族のいる家に帰った。(義理の両親と同居だったので)

どんなタイミングで切り出すか、どう言うふうに伝えるべきか
あれこれ考えていたものの、きっかっけはたわいもない言い合いだった。


きっと夫もたくさん我慢をしてくれていた。
もっとこうして欲しい、と思っていたことがたくさんあったんだろうと思う。

だけどその時の私は
自分のことすらどうにもできなくて、痛いほどに自分のことしか考えられなかった。

「もう一緒にいる意味ないんじゃない?」

私のその一言をきっかけに
わずかな何かで繋がっていた関係はあっという間に破堤した。

「さっさと自由になりたい」

そんな夫の思いもあって12月上旬には離婚届を提出。

そう言えば結婚式やったのも12月だったな、なんて思い出しながら。

同居4年後から始まった結婚生活は3年で幕を閉じた。

怒涛の2012年が終わる

離婚して苗字が戻って
男性ばかりの会社の皆さんにたくさん気を使っていただきながら2012年が暮れていった。

私はこれからどうしていきたいんだろう。

そんなことを考えた時にふと

このままウダウダしてたら
気付いたらおばあちゃんになっちゃうかもしれない。
それは嫌だ。じゃあどうする?

よし!32歳までに子どもを産もう!



特にアテがあったわけでもないのに、
とりあえず、会う人会う人にまったく根拠のないまま

「私、32歳までに子ども産もうと思うんです!」

ってことを話すようになっていた。

その頃の私、29歳頃


続く
▶︎▶︎第2話 娘の誕生 結婚を願い忘れちゃった

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