【首相動静2024】結局、岸田はヘタレである~その1「オボッチャマの宿命」
ヘタレ
岸田文雄という政治家が安倍内閣で外務大臣を務めていたとき、この人は長期安定政権の重要メンバーでありながら、中国・ロシア・北朝鮮との懸案事項には手をつけず、外交トップとしていったい何をしたいのだろうと、ずっと疑問に思っていた。
上品な紳士然たる振る舞いはよいとしても、記者会見でも演説でも、政府の公式見解をなぞっただけの<伝書鳩>のような人物だった。
<アメリカ兵器>のお得意さん
安倍政権当時の外交の中核は、トランプとの日米<軍事>同盟の強化にあった。
しかし、内実はアメリカ製の兵器を「爆買い」するお得意さんに徹することで、トランプのゴルフ仲間のメンバーにも加えてもらい、安倍氏のみが我が世の春を謳歌したわけだが、岸田外相は、そんな安倍氏の<御意(ぎょい)>に従う陰の黒子でありつづけた。
裏切られた禅譲
その“忠臣”の勲功として、安倍氏から総理の席を禅譲してもらうことを心待ちにするような人物が岸田だった。
しかし、いよいよ出番が回ってきた、と勇んで立候補した自民党総裁選――こともあろうに、頼りの安倍氏は、秘蔵っ子の高市早苗議員を推し、岸田氏は哀れにもあっさり切り捨てられてしまった。
この一連の動きを見ていて、岸田文雄という政治家は、ほんとうにヘタレだな、と思った。
かといって、最近、人気復活の角栄サンのように、自民党総裁選の票集めのため、議員にカネをばらまいたり、ライバルのスキャンダルをつかんで追い落としをはかったり、なりふり構わず相手の勢いをそぎ、つぶしにかかるというようなマネは育ちが邪魔してできない。
<宏池会>という自民党内リベラル派に所属してきたというだけでなく、角栄サンのように建設業から身を起こした苦労人とか東大卒の官僚エリートとかとまた違って、岸田氏は、政治家を稼業としてきた一族の世襲議員として、あまりに育ちがよすぎた。
同じく世襲の安倍晋三、富裕農家出の菅義偉と同じ、たんに苦労知らずのオボッチャマにすぎなかったのだ。
(つづく)