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合気術-早島正雄の場合5

(承前)「(早島氏の言葉)今まで、手や足を揉めば健康になるなんて本は一冊も書いた人はいなかった(鶴山先生の注:デタラメを言っている)。合気術もそうです。よく柔道で首締めの技があるが5分も10分もかけて首を締めている(鶴山先生の注:これもウソ)。合気術では、ちょっと首に手を掛ければ締めることが出来る。」(『生命力を強める自然療法のすすめ』からの引用終り)

補足説明:導引とは現代でいうところの気功に属し、研究者は古代の気功と整理しています。
気功とは…
 ①姿勢調整(一定の動作=調身)
 ②呼吸鍛錬(内気運行のコントロール=調息)
 ③心身のリラックス(意念の集中と運用=調心)
を統合したもので、体内の気を練ることを主眼とする自己心身鍛練法であると定義されています。気功は、静功(内功=静中の動)と動功(外功=動中の静)に区分されますが、攻撃性や保身術の要素を持たないことから武術には該当しません。

ところで“気”とは何かというと、中医(伝統医学)の知見によれば、
 ①体内を流れる栄養に富んだ精微物質、かつ、
 ②生命を維持する活動エネルギーとされています。
また、「百病は皆気より生ず『素聞』」という有名な言葉がありますが、
明代末の医学者張景岳は…
「気の作用が及ばないところはなく、一旦不調が生ずれば必ず病となる。
気の不調が外表にあれば六気(風・暑・湿・火・燥・寒の気候)の侵入を受け、体内にあれば九気(怒・喜・悲・恐・寒・熱・驚・労・思の気病)が損耗する。それによっておこる病は虚・実・寒・熱のいずれかであり、それ以上の変態を名状する必要はない。その本を求めるならば、すなわち気の一字に尽きるのである。およそ気に不調を生じた所にこそ、病の本があるのである。」と記しています。なお、練功中に現われる感覚(冷・熱・しびれ等)も“気”と呼ばれています。(補足説明-続)

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