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日本経済新聞「春秋」に取り上げられた合気道16

江戸柳生系合気柔術は、合気の要素(裏・陰・柔)と柔術の要素(表・陽・剛)の両面性を有した技法なのです。そうすると、合気の要素を強調した技法なのか、柔術の要素を主とした技法なのか、どちらの要素に重きを置くかで違った技になります。難易度の差はありますが、これらに優劣があるわけではありません。状況に応じて使い分けるということです。

日本伝合気柔術の整理では、第1~4か条の一般技は一本捕系で柔術の要素が強い技法群、四方投・小手返・入身投・回転投の基礎技は合気の要素が強い技法群と大別しています。四方投・小手返は大東流柔術の基礎技法でもありますから、柔術の要素が強いのではと思われる方もいるでしょう。しかしながら、合気柔術におけるこれら技法は合気の要素を強調した技法であるとするのが鶴山先生の整理でした。

例えば、第1か条、敵の正面打に対し前面からまともに入身して当たり、当身・極めを強調したものとすれば、柔術の要素が強い技になります。また、敵の攻撃に対してまともに当たらず転身して避け、触れた時点で陰の合気(抜力による相手との一体化)を用いた技とすれば合気の要素が強い第1か条になる、ということです。

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