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日本の社会保障は税金や社会保険料の負担増の前に支出の見直しが必要#73

日本の社会保障費は右肩上がりに増えていますよね。2023年から2024年の一年でも134.3兆円から137.8兆円で3.5兆円も増えています。特に大部分を占めているのは年金と医療で、合わせて7割を超えています。

厚生労働省より

上図は【給付】と【負担】に分かれています。で、【負担】の方を見ていただきたいのですが、保険料(青)と公費(ピンク)の2つで日本の社会保障の財源としていることが分かりますよね。

そもそも、私自身が国家予算とか社会保障費の年間予算を今まで見てこなかったので、私も払っている税金や社会保険料が何にどのくらい使われているかということを気にすることもありませんでした。ただ、知れば知るほど驚くことが多くて…特に社会保障費に関しては自分に還元されているのはほんの一粒くらいで(一握りまでも無い)、ほとんどが高齢世代に吸い上げられていることを知り、怒り心頭。

【負担】に書かれている保険料と公費。知識がない私が見た印象は、「保険料=自分も払ってるもの」で、「公費=国が持ち出してるもの」というものでした。いやいやそんなわけないじゃんと思われるかもしれませんが、それくらい無知でした。

結局は公費=税金なわけで、その税金を支払っているのは私たち国民や会社なわけですよね。つまり、保険料も公費もどっちも負担者は我々国民です。だからもっともっと使い道については関心を寄せて、いやいやその使い方はないよねということは声を上げていかなければと思っています。

そんな中でこちらのニュース記事。

正直、回答者には高齢者がほとんどで、公費でやれという結果になったのかなと思っていましたが案外そうでもなく、各年代で平均4割くらいの方が「負担が増えてもいいから公費で、充実させてほしい」と答えています。びっくりです。調査対象については以下に貼り付けています。

報告書から筆者作成

〇これから必要なのは足し算ではなく引き算だ

まずは、「令和4年社会保障に関する意識調査の報告書」はこちらからご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/content/12605000/r04hou.pdf

医療費や介護費用に関する設問では、多くの方が税金や社会保険料が上がってもいいからサービスを拡充したり、利用時の自己負担を軽くして使いやすくしてほしいと答えています。

で、冒頭にも書いた国家予算の話ですが、すでに数十兆円規模で使われている医療費と介護費があるわけです。そして、今後の日本の人口動態を鑑みても対象者はどんどん増えていきます。つまり、今までよりも少ない人数の現役世代(労働者人口)で高齢者の社会保障を支えていくことになるため、そもそも現状維持の制度でOKという段階でも現役世代の負担額は自然に増えていくことになります。

このあたりの税や社会保険料の話は以前の記事をご覧ください。

ここで何が言いたいかというと、まずは支出を見直すべきということです。つまり、今の日本の年金や医療や介護などの社会保障サービスは、保険料を納めていれば原則平等に使えるというものです。なので、資産があっても所得がなければ年金は受け取れるし、医療費も1割負担で済みます。また、サロン化している整形外科とか医療機関も多いですよね。湿布はドラッグストアで買ってください。とか、本当の意味で医療が、年金が、介護が必要な方が使うべきであって、今まで保険料払ってたからという理由で不必要に社会保障サービスを受ける必要はないと思っています。

年金も医療も介護も、どれも保険なわけですから、有事に備えるけど有事が来なければ掛け捨てになってしまうのはそういう仕組みなので受け入れるしかありません。せっかくかけた保険なのに、、、というのは見当違いなんです。 #その気持ちは分かるけど

なので、まず必要なのは支出の見直しだということを改めて書いておきます。 #家計と一緒

〇一見良さそうな公的支援…その一方で

前述の公的支援は受給資格さえ満たしていれば誰もが受けることができます。しかも、医療や介護は自己負担が少なく使うことができるので、利用の歯止めが無いに等しいです。介護で言えば、介護度を決める認定調査を受けて要介護1とか2が出さえすれば、デイサービスの利用とかホームヘルパーの利用などができたりします。とはいえ、年々軽度者が利用できるサービスは項目や時間数が減少傾向にあります。 #予算問題

利用にあたっての経済的なハードルが低いために(公的支援であるが故に)、気軽に使えてしまうわけですが、人間というのは怠けてしまう生き物です。自分がやってたことを誰かにやってもらうようになるとその瞬間はとても楽できた気持ちになるのですが、それが積み重なっていくとどんどん依頼がエスカレートしてしまって、今まで自分でやれてた掃除とかゴミ捨てとかの家事も頼んでいってしまう。あれあれ…気づいたら自分で動く機会が減ってしまって、気力がわかなくなるとか思うように動けなくて足が上がらなくなるとか結構あります。

ちょっとでも楽したいという気持ちには共感できますが、やっぱり原則は自分のことは自分でやるだなと思います。それを熟しているからそれなりに自宅でも動きますし、それが自然に介護予防になっているんですよね。公的支援という名で利用のハードルが低いが故に、つい手を伸ばしてしまい…気づけば介護度が上がっていく。だから、自分のことはまずは自分でやるのが良いですし、実はそれが幸せなことだったりします。

〇経済的余裕がないと無思考状態になる

この調査では、民間の医療保険や介護保険、個人年金保険に加入しているかという項目もあります。結論を言いますと、経済的に余裕がある人は公的制度に上乗せして備えることができているが、収入が低くなればなるほど加入できないもしくは知らないとか考えたことも無いという思考停止状態になっていることが分かります。 #思考停止とは書いて無いけど

収入状況によって、入ってくる情報量もだいぶ違うというところ。経済的に困窮していれば本当に日々の生活を工面することに精一杯で、社会保障制度とか民間の保険とかを学ぶ余裕が生まれないのだと思います。 #そもそも学校で教えてよ

調査報告では「保険料が払えない」という理由で非加入と答えている人が一定数います。その他にも「公的制度で十分だから」という項目もあって、回答者の割合が結構ありますが、実はそう答えた人の中でも日本の公的制度についてちゃんと知っている人ってそう多くないと思っています。

つまり、自分や家族の人生をちゃんと考えてない。自分が好きなことだけをやるのはいいと思いますが、それもなにも自身の健康であったり、何かあったときに破綻しないように土台を作っておくことがとても重要です。何とかなるでしょという楽観性も必要ではありますが、最低限の破綻しないラインは見極めたうえで、人生を送りたいと思っています。

働けなくなった、病気になった、事故にあったとか、何かしらの状態になったときに、どういう支援が使えるか。最低限、どういうものがあるかということを知っているだけでも安心につながります。私たち人間は、知らないことは不安を生んだり、恐怖を生んだりします。そうならないように、平時にやれることを私自身もやっておこうと思います。


多くの人が負担増でもいいから公的支援の拡充をと答えていて、いやいやそれは困る!と思ったので、記事にしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた。ゆうちゃんでした。

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