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令和2年7月豪雨(災害)ボランティア初心者参加のための準備メモ@八代地域坂本町

初めて災害ボランティアに参加してみた(8月上旬)

豪雨災害からまもなく約2ヵ月ちょいが経過しようとしている。SNSやニュース各報道でもあるようにコロナの第2波といってもよいのだろうが、その影響下で被災地にボランティアが足りていない特に八代市坂本町
(参照:写真は国土交通省 九州地方整備局Photoアーカイブスより

人吉地方なども甚大な被害がでているが、災害発生時直後は、なかなか報道もなく孤立しているのが八代市の坂本町。
国道など主要な交通ルートが被災し報道陣も入れなかったのがまたその情報発信の遅れの理由となり、坂本町の被害状況がなかなか伝わらない。
(※追加 8/13には国道219号を軸にしたルートが仮復旧とのこと)

県境をまたぐ移動は自粛。それを受けて各所のボランティアセンターでは県民以外のボランティアは参加できないというわけだ。熊本の被災地には熊本県民しか行けない。これではますます坂本町のボランティアは足りない。

本記事は、八代市坂本町へボランティアに行きたい方向けに八代市社会福祉協議会のボランティアセンターにおけるメモとして記録したものです。(あくまで個人談)

さて、そんな状況で、これまでボランティアに参加したこともない自分もやらねばと発起するわけだが、私のような初心者(初めて参加する方も対象)がボランティアに行きたいと思っても、なかなか知識がなく一歩が踏み出せない(と思い込んでしまう)という方々もたくさんいらっしゃるだろうと思い、そのあたりの情報をまとめてみることにした。

●どこに行って受付したらよいの? 
保険はどうやって加入するの?入ったほうがよい?
どんな人が参加しているの?
女性ひとりでも大丈夫?
どうやって被災地まで行くの?
着ていく服は?何をもっていったらよいの? 
何人くらいで作業するの? 作業時間は?
現地のトイレ事情は? 
熱中症とか身体、体力に自信ないけど大丈夫かな?

など、いろいろ現地でご迷惑をかけないようにと考えてたら、あれもこれもと???(心配ごと)がたくさんあって行きたくても尻込みしちゃう方などに読んでいただき、少しでも本記事が行動の第一歩の役に立ったら幸いです。(あくまで私個人で見た体験した内容をベースに書いています。被災地の状況や天候もその日その日で状況が変わるかと思うので、そこは次回があればまた報告できたらと思います)

その1 ボランティア参加までの流れ

まずはボランティア保険に加入すること
これは必ず加入したほうが良いというか加入してください。加入しない理由がありません。必須です。
ボランティアセンターでも受付けは可能なようですが、できれば事前に地域の社会福祉協議会で加入しておく方がよいでしょう。(!、事務スタッフの現場作業がなくなり受付作業がスムーズになります) 

(熊本県の被災地地域では)現在設置されている、(社協)災害ボランティアセンターの活動に参加する場合に限り、WEBによる加入が可能です即日発行です。

注意点として
・クレジットカード払い限定
・申込時(スマホ PCいずれか受信できる)メールアドレスが必要です。

ボランティア活動保険WEB申込URL https://www.saigaivc.com/insurance/
ボランティア活動保険加入 - WEB加入用URL送付が指定のメールアドレスに送られてきます。24時間以内にアクセスする必要があります。

ボランティア保険は2種類
・基本プラン 350円
・天災・地震補償プラン(基本プラン+地震・噴火・津波)500円
参考:https://www.fukushihoken.co.jp/fukushi/front/council/volunteer_activities.html
ありますが、私は500円プランに加入しました。


保険に加入したら、いざ行動です。
八代市社会福祉協議会のボランティアセンターに行くことから始まります。

八代市災害ボランティアセンター(野外テントに設置)
場所:八代市西宮町1306(旧八代市食肉センター跡地) 
クリックすると地図に飛びます。
 電話番号(受付時間 9:00~16:00)
 ボランティア活動をしたい方
   080-5070-9642
   080-5069-9890
参考 http://www.yatsushiro-shakyo.jp/homepage_new/saigai_vc.html

ボランティアセンターまでは自家用車で行って大丈夫。広い駐車場があり、ちゃんと入り口で案内してくれる方がいます。

ボランティアの受付時間は9:00-10:00 となっていますが、ほとんどの方は9:00より前(早い方は8:00頃から)から並んでいて受付を進められています。私たちも8:30には到着しましたがすでに100人くらいは並ばれてました。(社協のスタッフの方々はもっと早く準備を進められてくださっているということですね)

少しでも早く現地入りして皆さん活動されたい方ばかりです。一日の募集人数に制限がかけられている場合もあるので、参加されたい方は早めに行った方がよいでしょう。

その日の募集人数は、八代市社会福祉協議会のフェイスブックページで日々更新(前日午後か当日朝までには)されているので確認して行きましょう。
●八代市社会福祉協議会のフェイスブックページ
https://www.facebook.com/yatsushiroshakyo

受付では、まずスタッフから初心者の方用、2回目以上の方用と記入用の書類を渡されました。
名前・住所・年齢など基本的な情報とコロナ対策への同意、あと当日の体温を記入する箇所があります。熱はスタッフにより検温が行われます。
書類・検温をパスしたら、ボランティア証明書のステッカーを袖口や目立つところに張られます。(不審者じゃない証明にも)

その日は、36人毎(←その日の状況で変わるかも。)で区切られ、隣接するミーティングスペースに移動します。
そこでは、スタッフによりボランティア心得や注意点(熱中症対策や被災者への心配り)チーム編成、ボランティアする場所(被災者の方)などの説明があります。

その36人は、9人4チームに編成(これも状況次第で変わるのかも。)されて、それぞれのチームごとに(経験者を主に)リーダー、サブリーダを決めていきます。
(グループで参加や、ペアで参加してる方などがいたら申し出ると一緒のチームになるように調整してくださると思います。)

リーダの役目は現地の被災者との連絡やセンターとの連絡、あとはメンバーの体調管理・タイムキーパー的な役割・作業の割振りなど。

私が今回参加したチームは、男性6名 女性3名のメンバーでした。
父と息子(高校生くらい)の2名、夫婦での参加2名、男性2名、女性独り1名そして我々男女ペアで2名 の9名編成。年齢はみなさんバラバラで見ため一番年配の方が60前くらいかなという感じです。(私なんかより元気でチャキチャキ作業されてました)

その2 ボランティア対象の場所までの移動について

八代市災害ボランティアセンターでのボランティア参加者の場合は、
用意してあるマイクロバスでみなさん一緒に乗って移動します。
(マイクロバスには3チームほど約30名ほど相席で移動します。もちろん必ずマスク着用です。バスのサイズにもよるかと思いますが、何チームか一緒にまとめて移動しているようです)

その3 どんな方が参加しているの?

親子、友達と参加、男性独り、会社や団体での複数人での参加、女性独りでの参加の方も相当数いました。
初めての方も結構いらっしゃいましたので、臆せず参加されてみてください。

年齢層は小さなお子様は年齢制限があって、高校生以上の方から、ご年配(見た目は70手前)の方などいろんな方が参加されていました。

その4 服装・装備品、持参した方がよいもの

これは各個人差、現場により差ががあると思いますが、初心者経験談として
(ボラセンや誰かが用意してくれているものではありませんので必ず持参しましょう)

服装 上下長袖長ズボンは必須(ジャージなどで参加している方もいました、私はワークマンのちょっと厚手のズボンと上着は薄手のパーカーで参加。下にはTシャツ) 汗をとにかくかくので着替えは数枚あったほうが良いかも。ただ現地で更衣室みたいなものは当然ないので(場所によってはある場合もあるかも)女性はそこを注意。 後述でトイレ事情も記載するが女性はそこを活用されてもよいのかもしれない。


足下 できれば長靴が良い(ほとんどの参加者は長靴) そして、ガラスや釘などが落ちていて危険なので専用の靴底(モノタロウで750円くらいのものを購入)をプラスした方がよい。汚れるので長靴な水洗いできるのがよいです。

マスク(コロナ対策もあります、粉塵予防にも)複数枚、汗をかいたり作業中破損したりする可能性もあるので複数枚以上持参した方がよい。

帽子
 ヘルメットの方もいらっしゃいますが、慣れていない方は帽子でまずは参加されていてよいと思います。

ゴーグル 
周りにゴーグルつけている方はほとんどいなかったですが、土砂にはさまざまな細菌が潜んでおり、現地では感染症にかかるリスクがあるらしいので、できるだけゴーグルはつけていたほうが良いと個人的には思います。(特に床下泥出しなどの作業も想定できるのでできるだけ呼吸や目、皮膚など直接的な接触は避けた方がよい)
私はコンタクトも避けて、メガネの上から装着できるゴーグル(こちらもモノタロウで1000円程度で購入)を着用して作業しました。
※ただしこの時期夏場は尋常じゃない汗をかくのでメガネもゴーグルもちょっと邪魔だけど目を守るため、汗との戦いは避けられません。

タオル とにかく汗をかきます。絞ったらボタボタと流れるくらいにでます。こちらも複数枚持参したほうがよいでしょう。

そして、熱中症対策
飲み物 2L以上 
現地にはコンビニも自販機もお店もない(と思って参加したほうが良い)ので、飲み物は確実に持参しましょう。特に夏場は熱中症対策が必要です。ボラセンでも予備として支給してくれますが、参加する以上、最低限持参しましょう。
気づかないうちに尋常じゃない汗をかきますし、つい作業に一生懸命になりすぎて、水分補給を忘れがちです。水分補給だけは必ず取ってください。 塩飴など口にするモノもあるとよいかもです。

お昼ご飯   自分が食べる分(夏場は腐りやすいので対策を)

クーラーボックス これは私は今回は荷物になるかなと持参しませんでしたが、経験者の方はほとんどクーラーボックスを持参していました。飲み物やお弁当など冷やすためにクーラーボックスはあったほうが良いかと思いました。次回は持っていこうと思います。
1人で参加される場合など荷物が少ない場合は、お弁当入れる小さい保冷バックなどに詰めて持っていっても良いと思います。

その他 冷感スプレーや汗拭きシート、お手拭きシートなどもあれば
とにかく暑いです。そして現場では水が使えないところもあるかもしれませんので、食事前のお手拭きなど衛生面確保のためにあったほうがよいかも。

泥かき用のシャベルやホウキ等、現場作業で必要そうな道具については、現地にすでに用意してあるものがあって、それを使用させていただきました。
(参加者の中でも、持参している方のほうが少なかったような気がします)
ただその道具がすべて使えるか、現場に適しているか、ということはないので、(狭いところ用に)小さなスコップなどはあったほうが良い場面もありました。

初めて参加する前に参考にしたページ
●NPO法人 レスキューストックヤード(RSY)
水害ボランティア作業マニュアル
https://rsy-nagoya.com/volunteer/image/suigai-manual.pdf
●災害ボランティア服装マニュアル
https://saigai.cybozu.co.jp/20200204/
●朝日新聞デジタル
災害ボランティアをやりたい① まず自分で情報収集を
https://www.asahi.com/articles/ASMBJ5RKHMBJUCLV00V.html

その5 実際、現場で何するの?作業時間は?


ボランティアを必要とする被災者宅(または施設等)では、事前にやってほしいことをボラセンの方でアンケートを取られているようで、それに合わせた作業を任されます。被災者の方が現場にいらっしゃる場合は、臨機応変にリーダーがお伺いして助けが必要な作業を行っていきます。

今回、私が参加させていただいた被災者のお宅では、家内の泥出しと屋外の泥出しがメインでした。以前に別のボランティア団体が入っており、床板も外され、ある程度の泥出しも完了していましたのでその続きの作業を行いました。それでもまだまだ汚泥がたまっていたり長期戦となりそうです。

ボラセン経由の一日の現地作業時間は大体決まっているようです。

10:00 頃に現地入り
15分単位で休憩を挟み作業
12:00 お昼休憩 1時間ほど
14:00 頃には迎えの車が来る時間に併せて作業を終えて片付け開始
実質 作業時間は休憩時間を除くと4時間切っています。
(その他のボランティア団体等によっては時間はそれぞれのようです)

実際、坂本地区はボランティアの絶対数が少なく、この日参加させていただいた被災者宅も(社協ボランティアに)1ヶ月前に申請して、やっと入っていただいたという状況だと聞きました。まだまだ手つかずで待っている被災者もたくさんいらっしゃるということが容易に想像できます。

その6 現地のトイレ事情は?

坂本地区は特に被害がひどく電気も水道もこの時点では来ていましたが、家内はぐちゃぐちゃです。とても普段通りに生活できるような状況ではない被災地がほとんどです。

はい。もちろんご家庭のトイレは使えません。
近くの役場や公民館などの公共施設も被災して使えません。

あるのは、各所に設置された仮設トイレのみです。
現場からその仮設トイレまで距離があるところもありますし、近いところもあります。それを使用します。ただコロナウィルス等の対策としてこまめにトイレは業者の方がきれいに消毒・掃除してくださってました。

その7 熱中症とか身体、体力が不安

これは執筆時点の8月では、かなり心配するところ。もちろん熱中症対策に飲み物など大量に持っていくのは当然として、こういう方は避けたほうがよいかもしれません。

体力に自信のない方
普段からほとんど運動しない・家からでない・過去に熱中症になったことがある など自覚のある方は遠慮したほうが懸命かもしれません。

●喘息等の持病をお持ちの方
現場では汚泥の中にウィルスなど菌がたくさんです。乾いた土ぼこりがかなり舞います。目や肺にとって体に良いものではありません。
中学生以下は参加に制限がありますが、発達途中の身体に影響がある等の理由もあるからだと思います。喘息など持病をお持ちの方は特に避けたほうがよいでしょう。

参考までに当方は41歳 男性 日頃よりまったく運動はせず、持病は特にない。どちらかというと体力に自信はない方。
体感としては、4時間もない作業時間だが、暑さと尋常じゃない汗をかき体力を奪われる。マスクがさらにそれを加速させる。
体力的には4時間でギリギリな感じ。
当日は2リットル以上は水分を取りました。お弁当は少なめ持参していたが、もう少し食べてた方がよかったかも。朝ごはんは忘れずに。


最後に

まだまだ坂本町のボランティアは少ないわけで、平日だと100人前後です。
10人体制でも10か所しか回れません。しかも1日にできる実作業は4時間もありません。なかなか長期戦となります。

1日は1人に対して24時間しかありませんが、
10人いると、作業時間にして40時間(1日:4時間×10人)
20人いると倍の80時間
100人だと400時間
1000人だと4000時間(約166日)

人がいればいるほど、復興は早く進みます。
あなたの助けを待っている方々が近くにいます。
あなたの1時間が1000人集まれば1000時間ものエネルギーとなります。

ボランティアは被災地に行くことだけではありません。物資の寄付や募金、助けになる情報の発信、お声をかけるだけでもよいかもしれません。小さな支え合いが誰かのエネルギーとなって、それがたくさん集まって大きな大きなエレルギ―となります。

ACTIONを起こしてみましょう。


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