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「獣医学部に入学したいんですが」

久々に偏差値というものを調べることになりました。
今更言うまでもないのですが、「偏差値」とは、テストの得点分布のなかで平均点と標準偏差の2つの条件を用いて、基準を同一にして各受験生の得点から導き出された“全体のなかでの学力位置"を示す値です。

今のところ試験に通るかどうかを見るにはこれが一番有効な手段なのです。
大学入試は全国の高校生・浪人が受けるので、その母集団のデータが大きいほど信頼できる偏差値データが取れます。
なので、親御さんは

1 子供が学年一番とかで安心しない
2 小さな塾に頼り切らない

で、できるだけ早く、自分の子供がどの位置にいるかを調べることです。
たとえば大阪府立大学獣医学科は定員40名です。
自分の上に40名志望者がいれば、当然落ちる。
そうした自己の「立ち位置」を早く見つけるのが全国基準の模試を受けて、偏差値を知ることです。

だから、全国模試を受けないで、○○大学に行きたいといってるのは、不動産屋の見積もりを取らず、「この土地は駅前だから高くうれる」と言ってるオーナーと同じです。
3社くらいから見積もりをとれば、おおよその価値がわかります。
受験も同じことです。
数字としてお伝えすれば、偏差値73だと、上位1%のところにいます。
66だと、5.6%です。50だとちょうど真ん中です。偏差値の定義から当たり前の話です。
35だと、93.4%なので、下から6.6%の位置にいます。100名の集団なら下から7番目です。

塾の先生でもないのに、なんでこんなことを延々と言うのかというと、高校2年くらいになってから、「獣医学科に入りたいんですが」というようなメールを送る人が多いのです。

はっきりいって、遅い。

もちろんあなたが東大理Ⅰ合格判定が出ていて、こういうことをおっしゃるのなら話は別です。
こんな時期になって相談する人に限って、偏差値とかその他のデータをもっていない。そして他の人に相談していない雰囲気があります。

早くそうしたダチョウ状態から脱却して、自己の立ち位置を見極めることです。

というと、二度とメールが来なくなります。
そういう訳で、本当に合格したければ、できるだけ早く大きな母集団のデータを取る=全国模試の順位を知ることです。
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で、ここまでが前半です。次が後半です。高校1年も、2年も、3年も、浪人も、社会人受験者も、次にやるべきことは
「理科系マインドを育成すること」です。
それは急にナショナル・ジオグラフィックを購読しても、出来上がらないものです。物事を数量的に把握する訓練も大切ですし、自分のやろうとしていることが将来どうつながるかを考えるのも大切です。
要は、サイエンスに対して広い裾野をもつことだと思います。
それを日常の受験をしながら育成していく、そんな感覚でしょうか?

そのやり方については、また解説します。

似内惠子(獣医師)

【画像解説】:家畜保健所で飼育されているニワトリです。

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