歴史の岩戸開き(17)~表が裏となり、裏が表となる。世界歴史のメビウス構造
学校の授業でおそわる歴史と言えば、「日本史」と「世界史」に分かれていて、あたかもそれぞれ別々に歴史が展開していたかのような印象を受けます。
また、過去の歴史をイメージする際に、どうしても現在の視点や価値観からイメージしてしまうために、むかしも現在のように世界各地に国家や国境が存在していて、政治は民主的であり、外交は平和的におこなわれていたかのようにイメージしてしまいがちですが、現在のような国家(いわゆる近代国家)が成立したのは1800年代のナポレオン戦争後のことで、それまでは現在とは異なる価値観、行動原理によって世界が動いていました。
なお「近代国家」とは、
のことを言います。一般的には日本が「近代国家」となったのは明治維新以降とされ、それまでの江戸幕府はきわめて封建的(=非民主的)であり、その中で人民は自由と平等を不当に抑圧されていたと説明されて来ましたが、それはそれで「世界の歴史は階級闘争の歴史である」と考えたマルクス史観の価値観に無理やり日本の歴史をねじり込んで説明しようとしているので、当時の日本の実態とはかけ離れたストーリー設定となっています。
話がすこし横道に逸れましたので、はじめに戻しますと、私たちが学校で歴史をおそわる時に「日本史」と「世界史」をそれぞれ別のものとしておそわります。
ところが実際は、日本の歴史と世界の歴史はそれぞれ別々に展開しているのではなく、非常に密接に関係しあいながら展開していることがわかります。というより、世界の歴史を「日本史」と「世界史」という風に分けて考えるところに無理があり、無理があるからこそ学校の授業の説明もあいまいとなり、教えるほうも教わるほうも歴史の全体像を思い描くことができずに、最終的にはとりあえず暗記だけしておけば良いという、なんとも寒々とした状態となっているのが現状であるかと思います。
たとえば秋田県鹿角市には「大湯環状列石」として知られるストーンサークルが遺されてあり、その作成時期は今から4000年前の紀元前2000年頃(縄文時代後期)のものとされています。
また、ストーンサークルとして有名なのが、イギリス南部のソールズベリーにある「ストーン・ヘンジ」ですが、こちらは紀元前2500年から紀元前2000年頃に建てられたものと考えられています。
二つの遺跡を見較べてみれば分かるように、似たような構造をしており、二つの遺跡が同じ設計思想を元につくられたものではないかと想像することは容易かと思います。
(なおイギリスのストーンヘンジは直径約100メートルで、大湯環状列石は野中堂環状列石が約44メートル、万座環状列石は約52メートルとのことです。)
この二つの遺跡は「巨石文明」と名付けられているもので、「巨石文明」としてはストーンヘンジの他に、メンヒル(立石)、ドルメン(支石墓)、そして有名なピラミッドなどが知られています。
現在の土木技術を用いたとしても、どのようにして巨石を運び、どのようにして建造されたのか不思議すぎる建造物ばかりなのですが、それ以前に、いったい誰がどのような意図で建造したのかという点も謎で、多くの研究家の関心となって来ました。
「巨石文明」の謎について、画期的な説を提唱したのがハーバード大学教授のバリー・フェル博士で、かつて超古代に存在した海洋民族が世界中の海を航海し、その設計思想と技術を伝えたとした「Ancient Oneworld説(古代ワンワールド説)」であり、その説を継承して独自に調査研究を進めて来られたのが日本のペトログリフ研究家の武内一忠(タケウチ・カズタダ)氏です。
こちらは歴史考察系のTOLAND VLOGさんが動画で分かりやすく丁寧に解説してくださっています。
TOLAND VLOGさんはこちらの動画を発表されるまでに、実際に武内先生の元に足を運んで一年近くも勉強されたり、武内先生の説を元に実際に自分たちでもフィールドワークをおこない、日本に残された巨石文明の痕跡などを調査され、その調査内容も動画で公開されています。
TOLAND VLOGさんのyoutube登録者数は現在62万人を超えてなおハイペースで増加しておりますが、TOLAND VLOGさんの歴史に対する純粋な愛情と熱意が多くの視聴数を獲得している理由かと思います。
・・・と、ここまで書いてきて、お伝えしたいことを順序立ててお話しようとしているうちに、思っている以上に文章が長くなってしまいましたが、もう少しお付き合いください。
歴史のワンワールドと言えば、もう一つご紹介しておきたいのが白頭狸先生こと落合莞爾(オチアイ・カンジ)先生が提示されている「ワンワールド國體史観」です。
白頭狸先生の「ワンワールド國體史観」は、世界最古の王室である日本皇室が秘匿してきた國體秘史の伝授を元に世界歴史を洞察したものですので「提示」というよりは「開示」と言えるかも知れません。
このように学校の授業でおそわってきた「日本史」と「世界史」というものが、実は別々に存在しているものではなくワンワールドであった、「世界の歴史は一つに繋がっていた」ということが明らかにされつつあります。まさしく歴史の「岩戸開き」がはじまっています。
ここで、ようやく本題に入るわけですが、今回お伝えしたいお話は「これら歴史の「岩戸開き」を、どのように私たち一人ひとりが受け止めて消化していけば良いか」というお話となります。
以前、art hanabukitenさんのyoutube動画の「〇〇と友達になっておけ」を紹介した時に、最後の「おまけ」がとても役に立つというお話をしました。
これは、あるものをイメージすると、人と対話をする時に不必要な対立や衝突をすることなくスムーズにコミュニケーションできるようになるというものです。詳しくはart hanabukitenさんの動画を視聴していただくとして、人と対話する時にイメージするものとは「メビウスの帯」です。
実際にメビウスの帯をイメージしながら相手の話を聞き、また相手に自分の言葉を伝えるようにすると、相手の言葉や態度を表面的に受け取るのではなく、その裏側にある心意をくみ取ることができるようになりますし、同時に自分自身の言葉が誤解されずに相手に伝わりやすくなると感じました。
また、相手との直接的なコミュニケーションだけではなく、「この人はどういう人なのだろう?」と考える時にもメビウスの帯をイメージすると、相手を自分の価値観や考え方で推し量るのではなしに、相手の価値観や考え方をそのまま理解できるようになると思いました。いわば相手の立場に立って物事を考えることができるようになるということかと思います。
メビウスの帯は、帯の平面上に立って移動することをイメージしてもらえば分かるように、表側を辿っていたと思ったら裏側になり、裏側を辿っていたと思ったら表側になる構造をしており、その動きを繰り返し続けていくことができます。ですからメビウスの帯は無限にイメージを描き続けることができる図形でもあります。
そして、このメビウスの帯の形は、数学の「∞(無限記号)」と形が似ています。
数学の「無限」をあらわす記号である「∞」を初めて用いたのはイングランドの数学者ジョン・ウォリス(1616-1703)であると言われており、その記号の由来は「ローマ数字の1000を表すↀ(CIƆ)が変化したもの」が有力とされ、ほかに「ウロボロスを形象化したもの」「ギリシア文字のωに由来する」とする説もあるそうです。(「ニッセイ基礎研究所」コラムより)
「∞(無限記号)」の由来はともかく、メビウスの帯をイメージすることで得られる無限に旋回する動きと、「∞(無限記号)」の持つ意味はリンクしているように感じます。
そして、今回お話したいことは、このメビウスの帯をイメージする方法は、人とのコミュニケーションだけではなく、「歴史を考察する上においても有効である」と感じたということです。
歴史に関するいろいろな情報に触れると、どれが本当でどれが本当でないのか、どれがクロでどれがシロなのかと混乱してくると思うのですが、そのような時にメビウスの帯をイメージすると情報を整理しやすく、自分自身の中に消化(昇華)していくことができるようになると感じました。
先ほど「世界の歴史は一つに繋がっている」とお話しましたが、これも直線的に一つに繋がっているとイメージするのではなく、「世界の歴史はメビウス構造を通して一つに繋がっている」とイメージすることで、世界の歴史の全体像を自分自身の中に落とし込むことができるようになると感じました。
日本史∞世界史
日本∞欧州世界
日本∞エジプト
日本∞ユダヤ
出雲王朝∞ヤマト王朝
・・・
また、歴史の考察だけではなく、さまざまな二元構造もメビウスの帯をイメージすることで調和させることができるのではないかと思っています。
精神∞物質
神∞人間
自然∞人間
男性∞女性
生∞死
・・・
また、メビウスの帯をイメージする方法は、呼吸法や健康法などにも応用できると思うのですが、そこまでいくと話が広がり過ぎますので、それについては別の機会に譲ります。
ご参考になれば幸いです。
頓首謹言
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?