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シュタイナー『アカシャ年代記より』を読んで(前編)

「アカシックレコード」を知ったきっかけ


「アカシックレコード」という言葉を知ったのは私が小学生のころだった。

真倉翔・岡野剛著『地獄先生ぬ~べ~』20巻#168(集英社 1997年)に、屋台売りの老人(明石谷老人)が作中で
過去・未来・すべての物・人・生物 その記録が延々と書かれた紙が・・・そんな膨大な記録なのに 見たいと思う情報が なぜかすぐに見つけ出せる わしはそれを書き写しているだけなんだ
と述べている。これがいわゆる「アカシックレコード」であるという
(主人公は霊能力者であるが、アカシックレコードは精神世界に存在する
情報の貯蔵庫であると説明してるが、主人公自身は「俺にはあんな
予言能力はないからな」とつぶやいている)。

真倉翔・岡野剛著『地獄先生ぬ~べ~』20巻#168(集英社 1997年)

また、マンガコラム「ぬ~べ~先生の補足説明」で
「本編に登場した明石谷老人の予言方法には実はモデルがある。今から
5,4千年前のインドの予言者、アガスティアの予言書がそれで・・・
当初は鹿の皮に古代タミール語で書かれたものだったが、後にヤシの葉の
たんざくに書き写され、以後500年毎に新しいヤシの葉に書き写されながら今日に至っているという」と書かれている。

私が当時『ぬ~べ~』を読んでいたときにはあまり気に留めなったのだが、
それから20年以上経った今、職業柄「アカシックレコード」など巷では
スピリチュアルの分野に区分されている事柄に関して触れる機会が多くなった。
ただ、昨今の情報が錯綜している状況においては、「何が信頼できるのか」ということを常に自分自身に問わなければならないと感じている。
そのため、その問うという作業を、この場所を借りて訓練したい。

アカシックレコードに関しての私見

アカシックレコードは上述のとおり、
過去・現在・未来のありとあらゆる情報が保存されている空間」であり、「すぐれた能力者であればいつでもアクセスが可能である」という
ものである。
しかし「すぐれた能力者」でなくても「つながっている」と思われる人は
スピリチュアルに精通していない人でも少なからずおられる。


それは年齢性別問わずである。

私事であるが、私は家系的にも霊媒体質だったためか、この世で生きるにはかなりの障害が多かった。縁あってアメリカ発祥の精神哲学を学んだ結果、驚くほどに霊媒体質が改善され、またコントロールができるようになった。
その精神哲学の学びのなかに、
「アカシックレコードに連れて行ってもらう方法」があった。
しかしその哲学の創始者はそのやり方を好んでいなかったようであり、あくまで私個人の興味でその方法を行った次第である。

確かにアカシックレコードは「ある」
(みせられたヴィジョンは天上高く高く、天空につながっているようで天井がみえない、円筒形の塔のような図書館だった)。
しかし「知りたいものの条件」によってその信頼度は
変わるように思うのである
(また、未来は特に「現在の選択」によって「分岐」するため、何を
選択するかによって容易に変化すると感じている。これに関しては別の機会に書こうと思う)。

人智学の巨人シュタイナーは
「不滅な歴史は通常の歴史とは異なる文字で書かれている」
「我々の言語で語ろうとする者は不確かな観念しか与えることができない」
「霊視もまた決して常に真実を教えるとは限らない」
しかし「霊的視覚によって伝えられた情報が、常に完全に一致しないからといってそこで躓いてしまってはならない」
と述べている。
シュタイナーは紛れもなく「能力者」だったが、その見解と姿勢は
常に「普通の人間」の域を脱しないと感じている。

『アカシャ年代記より』の内容

シュタイナーの『アカシャ年代記より』(以下『アカシャ』)が
世に出た経緯は、1904年にはじめてシュタイナーの手で公にされた
一連の論文(雑誌『ルツィフェル=グノーシス』に連載)をまとめたものである。シュタイナーは神智学協会と結果的に袂を分かつことになってしまうが、基本的な考え方は神智学の概念とほぼ変わらない(否定していない)という印象がある。

『アカシャ』では
①アトランティス人とレムリア人の違い
➁その違いを魂や内的生活について論じ
③地球と太陽、月は一体化していた時代
④これからの地球
などが論じられている。

アトランティス期

シュタイナー曰く
①アトランティス大陸はアメリカとヨーロッパの間に存在していた。
➁その大陸は徐々に沈んでいき、紀元前1万年頃には
 大陸のすべてが海に沈んでいった
(プラトンが「ポセイドンの島」と言及した場所がそれらしい)。
③アトランティス人は現在の人間の姿かたちではなく、その精神の
 特徴が異なっていた。
④今日の人間の悟性という概念がなかったが、その代わりに記憶力が
 超人的に発達していた。
⑤アトランティス人は自然力(たとえば植物の種子が発芽する際に必要とするエネルギーがそれに近い)を統御することができ、その力を用いて
交通や産業を営んでいた。
⑥そのアトランティス人も徐々に堕落していき、そのなかの一部が
 俗にいうアーリア人につながっていく。
⑦このアトランティス人は「第四根幹人類」であり、この人々は
 神界と行き来できる霊的指導者たちのもとにあった。
⑧アトランティス人の一部に、「思考力をもった人々」が出現した。
 この人々に「指導者マヌ」が支援し、アジアの奥地に居住させ
 後の時代の指導者になるべく教育した。

レムリア期

レムリア人(第三根幹人類)はアトランティス人の祖先にあたる。
現在のセイロン島からマダガスカル島にかけてレムリア大陸が存在した。
レムリア人は記憶力が形成されていなかったが、
①言語を用いなくても他者と意思疎通を図ることができた。
➁生命のない事物の物理的科学的法則もその力で理解ができた。
 また意志の力によって体質を硬化させたりすることができ、
 その力が自由にできるような教育体制が敷かれていた。
③レムリアの進化の過程で特に重要なのは
 「女性たちの生き方」だった。
④女性の魂の中には、男性とは異なる別種の霊的能力が備わった
 (男性は自然力を操作するが、女性は感情要素を司る)。
⑤レムリア人を指導する霊的存在は、女性の魂をとおして
 男性の魂を発展させた。
⑥女性の行動原理は「内なる声」ないし「動植物、鉱物、自然の声」。
 想念の力が「歌」になり、自然言語の基礎となった。
 またこの要素によって人間の感受性、美的感覚が得られた。
⑦レムリア大陸は火山活動が活発であり、それが大陸全土の
 没落につながった。

※なお、私事であるがとある瞑想会で「自身の過去」をテーマに
参加したことがあるが、そのときみたヴィジョンが
「火山噴火が激しい、おそらく原初の地球大陸の上空を飛び、それを眺めている自分」というものだった。
『アカシャ』に触れる数年前の催しだったが、今になって
その意味が理解できたのである。

後半へ

この記事では自身のことや予備情報などで文面を割いてしまった。
『アカシャ』の詳細な内容は後半につづく。

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