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俺と革 2章

序章と格好つけたタイトルを書いてしまったので、2章とまた格好つけたタイトルにしてしまった 

俺が革の仕事をする舞台となった当時の沼田産業は埼玉県草加市にあった。
その頃は草加市も地場産業と言うこともあり相当数のタンナーがあった。
その中でも沼田産業は1200坪くらいあって、従業員40名程の草加では中堅所だった。
俺が入った頃は、親父はまだ専務だった。『鬼の専務』と、あだ名が付いていた事を思い出す…

沼田産業は、一課~四課まで製造工程ごとに部署が別れていた。
俺が一番最初に入ったのは四課の仕上げの部署だった。
とにかく色んな用途の革を作っていたので、すげぇーと思ったのが記憶にある…特にグラブの革が、甘いなんとも言えない匂いで、印象に残っている。
今思えば、あの時の革は『ミズノ ワールドウィン』の革だった。オレンジだった。
他にも、黒のカメラケースの型押しの革や、黒の柔らかい革や、厚いヌメ革や、太鼓の革もあった。とにかく何が何だか解らないくらい種類があった。
嫌々仕事させられたが、面白そうと思ったのは微かに覚えている…

今この文章を書いていると、当時の記憶がうっすら思い出してくるのが、なんとも楽しい(笑) 

2章はこの辺にしておこう…

つづく

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