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【書評】読書は人をバカにする!?「乱読のセレンディピティ」外山滋比古著

どうも、在宅満喫中の鈴木です。

家に篭るしかない今が知的武装のチャンスだと思い、読書に耽っております。

まず手始めに、「思考の整理学」でお馴染みの外山滋比古先生の本書を読みました。

「セレンディピティ」とは、予期せぬ偶然によってもたらされた幸運の事を指します。

例えば、アメリカの海軍が敵を探知するために音波探査機を開発したところ、イルカの音波をキャッチした事でイルカが音波を使って交信していることが判明した。といったような事です。

本書は、ジャンルを問わない様々な本を食い散らかすように読むことで、このセレンディピティを生み出すことができるという本です。

私自身、読書をするのは知識を増やすためにしており、世界の歴史や哲学の本を読んだりすると頭が良くなった気がします。

しかし、著者は本を読めば読むほど博学多識にはなれるが、それと引き換えに頭の中が空虚になると述べています。

読みながら冷や汗かきました…。

僕の読書といったら、キルケゴールとかメロヴィング朝とか諸社禰宜神主法度とか、言葉を覚えて満足して、まさに外山先生のいう読書メタボリック症候群です…。

知識と思考はトレードオフで、知識を詰め込めば詰め込むほど思考力が奪われるとの事です。

勉強不足で真面目な人ほどこのことに気づかず、体裁の良い知識だけを鍛えて頭の良いフリをしてる…。

名指しで怒られてるような気分になりました笑。

しかし、外山先生は読書自体を否定してるわけではありません。創造力に寄与しない教養が無駄だといっています。

「より良く生きるため、新しいものを生み出す力をつけるために本を読む」のが重要との事です。

最後に、忘れる事の重要性にも触れています。

知識偏重の自分みたいな人間を外山先生は読書メタボと例えましたが、メタボの人が運動して余計な脂肪を落とさなきゃいけないように、脳みそにある余分な知識を減らさなければ健康な脳にはならないと述べています。

忘れることは大抵悪いことのように言われますが、脳に知識を詰め込んで頭の活動を阻害してしまわないよう、忘れる事は大事な体のはたらきであると主張しています。

本書は科学的な裏付けに基づいて事実を述べていくというより、外山先生の話をカジュアルに聞いているような気分で読むことができます。

他にも散歩の良さや古典への考え方など、外山先生独自の視点から様々なことが語られています。

情報に溢れる今だからこそ、一読の価値ありです。

それではまた!






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