ココロノボク 三日目 白い世界に一人

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小説家になろうに投稿したものと同じ内容です。

三日目

「もうすぐ卒業か。寂しいな。」

「寂しいことないだろ?

 お前友達いないんだし、どうせ中学でも同じメンツだろ?」

「ひどいこと言うなよ、シュウ。

 君は周りにとらわれずに生きてるだけなんだ。気にするなよ。」

「ボクは友達はいないけどクラスメイトとしては認められてるんだ。

 無なんだよ。」

「無、ね。お前は個性がないというか、なんというか。。」

「君には君なりのいいところがあるよ。

 周りとの強調ができてるから誰にでも優しく接することができる。」

 ボクには親友もいなければ彼女なんているはずもないんだ。

 だけど、嫌われてるわけではない。

 忘れ物をしたら貸してくれる人はいるし、授業でわからないところがあれば教えてくれる人もいる。

 ボクってなんなんだろう。

 得意なことも趣味もない。

 そして部屋に一人。

「ボク、告白しようかな。卒業式に。」

「いいじゃん。石井さんだろ?珍しく積極的だな。」

「頑張れよ。応援してるから。」

「でも、やめよっかな。。」

「タイミングだな。それっぽい雰囲気になったら言えばいいんだよ。」

「片思いのまま告白しても意味ないかもね。

 雰囲気で攻めるのはいい考えかもね。」

 ちょっと散歩してこようかな。

 北海道のこの時期はとても肌寒い。

 だけど、ずっと家にいては暖房を付けっぱなしにしてしまいお母さんに怒られてしまう。

 今日、初めて呼吸をしたような気がする。

 別に彼女なんていらないんだ。

 ただ、ひたすらに、変化を求める。

 だけど、ほとんど、何も変わってない。

 もし、ボクに熱中できるスポーツがあったら。

 もし、ボクがとても頭が良くて周りから尊敬されていたら。

 もし、ボクがとてもかっこよくて女子から告白されていたら。

 だけど、童顔で、特に賢くもなくて、それなのに真面目で、運動音痴。

 何もできないことは嫌いだ。

 だけど、ボクはボクが好きだ。

 だから、生きていられる。

 そうしてボクは呼吸をした。


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