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認知症に寄り添う|[3]宅配弁当 #5

認知症になると、様々な段取りと手順を要する料理は徐々にできなくなります。
料理上手だった母も例に漏れず、今は野菜を茹でるぐらいになりました。
宅配弁当は、母の食生活を支えてくれています。


高齢者向け宅配弁当

『高齢者向け』宅配弁当は、当然ながら『認知症』を前提とはしていません。
そのため、認知症の母が利用すると、リクエストしたくなる点も出てきました。


利用している宅配弁当

利用しているのは、一食700〜800円程度の大手業者2社。いずれもコースは複数あり(塩分量、ボリューム、おかずの品数などが異なる)、和食が中心です。

高価格帯の宅配弁当ならば、バリエーション、サービスの選択肢は増えます。
ここでは、ボリュームゾーンの価格帯の宅配弁当についてお話します。

メニュー

何社か試食しましたが、高齢者向けに特化して栄養価、栄養バランス、味、量を検討すると似たりよったりになるようです。価格帯が同じならば、大差はないです。 ボリューム少なめの健康幕の内弁当という感じです。

メニューへの要望|洋食がもう少し欲しい

認知症になり、嗜好への拘りが強くなってきています。もともと苦手だったもの、我慢して食べていたものは残すようになりました。

身体に良いので、宅配弁当では頻繁に青魚がメニューに入ります。残念ながら母はNG。

和食が健康的で、この価格帯で提供できるものに制約があるとは承知しつつも、もう少しファミレスが提供するようなカジュアルな洋食があればいいのにと思います。

80代の高齢者といっても、昭和生まれ。母も含めパン派、洋食派の方もあるでしょう。認知症以外には特段の不調もなく、食べ物に制約がないからこそのリクエストかもしれませんが、飽きがこないためにもお願いしたいところです。

引渡の状態・方法

弁当が
 常温/冷蔵/冷凍
弁当容器が
 使い捨て/返却
弁当の引き渡し方が
 手渡し/置き配

この組み合わせの数だけ、バリエーションがあります。
常温は、手渡しと考えていいでしょう。業者は限定的です。手渡しで、様子伺い、見守り(安否確認)の役目も担うケースもあるようです。

引渡の状態・方法への要望|弁当容器の日付の記載


どの業者も、お弁当に納品書に相当する葉書サイズの紙が添付されています。日付、宛名、弁当種別、金額などが記載されています。
この納品書はお弁当の容器に糊付けされてはおらず、容器自体には日付の記載がありません。納品書を取り去って、時間が経つと、認知症の母は、最早いつのものかわからなくなります。

自分で入れたのをすっかり忘れて、『冷蔵庫にあるお弁当食べていいの?』と母から電話がかかってきます。
最近はほぼ毎日のように、冷蔵庫の整理、古い食料の廃棄・補充をしているので、今日のものか察せられます。しかし、3日も間を空けたら判断できなくなるでしょう。

弁当容器に、日付の記載があったら有難いと思っています。

コンビニとの併用

最近はコンビニのお弁当や惣菜も、宅配弁当と併用しています。

・スーパーと違って単身用のメニューなので独居の母に買い求めやすい。
・パスタやサラダといった洋食も充実している。
・宅配弁当より日持ちがする
・必ず日付の記載がある

ちなみに、最近の母のお気に入りは冷製パスタです。 

東京もスコールのような雨や雷に見舞われるようになりました。宅配弁当は必ず届けてくれる心強い味方です。加えて、コンビニのお惣菜も、日持ちの良いものを選んで、何品か冷蔵庫にストックしておくと安心です。

食生活をどう支えるか

現時点では、母は届いたお弁当に手を付けられています。認知症が進むと、宅配弁当を丁寧に冷蔵庫にしまうだけで終わってしまう事例もあるそうです。

猛暑で食べ物が劣化しやすい、また、認知症あるあるの『冷蔵庫の電源を抜いてしまう』ことも時折あって、買い置きも1日分が限度です。(電源問題は後日noteしたいと思います。)

今夏から、終日のデイサービスを1日追加。昼食を摂ってもらう日を増やしました。

認知症の進行につれ、生活の支障をきたす内容が刻々と変わります。出来ないことをそのまま放置せず、出来るように算段する、あるいは、代替手段を用意するのが、介護する側の腕の見せ所だと思います。

こうした下支えは、認知症の本人には気づかれず、従って感謝をされることもありません。ちょっぴり孤独を感じるのも事実です。noteを書きながら、自分で自分を密かに慰労しています。








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