「ほんとうのさいわいは一体何だろう」
夜の散歩が好きだ。それも雨上がりの晴れた夜がいい。空には満天の星。水たまりに反射する街の灯り。
白、黄、赤、青。
宝石箱をぶちまけたような色の洪水。
そこには宮沢賢治の世界が広がる。
銀河鉄道の夜は色にあふれている。
一章の午后の授業の中だけでも、「ぼんやりと白いもの」「どぎまぎしてまっ赤に」「まっ黒な頁」「ちょうど水が深いほど青く」4色。読み進めていくと明らかな色の描写だけではなく、色を思わせる描写も多い。そうだ世界はこんなにも色があふれているじゃないか。当たり前だけど