ドイツのファンタジーの街へ
ローテンブルクの街に到着。
バスを降り、ホテルに向かっていると、
iPhoneのバッテリーが切れた。
こんなこともあろうと、ホテル名と住所を
メモしておいてよかった。
自分の成長を褒める。
道ゆく女性にメモを見せると、
100%ドイツ語とものすごい目力と
大きなジェスチャーとともに、
親切に教えてくれた。
パッションはすごく伝わったが、
言葉はまったくわからない。
「きっとこうであろう」
という勝手な解釈のもと進んでいくと、
住宅エリアにやってきてしまった。
さすがにこれはちがうなと、
青年ふたりを見つけて尋ねると、
やはり違う方向だった。
心優しき彼らの案内のもと、
一緒にホテルに向かう。
「ここから入るんだよ」と
旧市街地へのゲートをともにくぐった。
なんだか3人でタイムスリップの旅に
出かけてるような気分。
ワクワクしてきた。
その街に住んでる誰かといっしょに街を歩く。
それだけでうれしいもんだ。
ファンタジーがそこかしこに感じられて
好奇心がくすぐられる。
気分はすっかり魔女の宅急便のキキとなり、
「みなさーん、これから住むあたくしを
どうぞよろしくね!」と心の中で挨拶をする。
ふふ、住むったって、3日なんだけどね。
おっ、黒マント率いる
おもしろそうな集まり発見。
なんだ、なんだ。
街中が物語にあふれているじゃないか。
キキやピッピがいたりして。
カメラを持って歩くとき、
小さい頃に読んだ物語の1ページを
いつも探している気がする。
胸を高鳴らせてシャッターを切る瞬間、
初めてなのになつかしい。
うれしいけれど切ない。
原動力のみなもとをたどると、
こども時代の好奇心と想像力から
来ているような気がする。
それは歳を重ねた今もなお
心の大切な部分にいつもあって、
「さぁ、その先行ってみよう!」」と私を誘う。
そんな思いが巡るローテンブルクの街だった。