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禅スピリットのカケラを胸に

フランスからドイツへ。
今回の旅で一番長い移動日。

いつかは行きたいなあと思っていた
ローテンブルクの街は
交通の便がいいところではない。

フランス🇫🇷ストラスブールを出発して、
電車3回乗り換え、小さな村へ。
ここからローカルのバスに乗るのだ。

駅のエレベーターに乗ると、
一緒になった女性が、「これからどこへ?」と
柔らかな笑顔で尋ねてきた。

「ローテンブルクへ」と答えると、
バスの時間や乗り場、さらに、
トイレの場所なども教えてくれる。

「トイレは有料だけど、
この店で何か買えばタダで入れるよ」とか。
知りたかった全部を絶妙なタイミングで
教えてくれているこの若き女性は
どんなひとなんだろう?
エンジェルか?

興味がわいて、バスが来るまで話す。
聞けば、尼さんなのであった。
なるほど〜
この佇まいは禅からくるのか。

「あたしはあわてんぼうでバタバタと
いつも落ち着きがないから、
あなたのようにゆったりと構えて
毎日をおくってみたいもんだわ〜」

と言うと、

「私もいつもそうとは限らないけど、
そうありたいと思ってるのよ」 

と、ほのかに微笑んだ。

つかの間の時間だったけど、
彼女から禅マインドのカケラを
受け取ってバスに乗る。

ものすごいスピードでぐんぐんバスは走る


25歳のとき、尼になろうと決意して、
今、30歳になろうとする彼女を
この街へ導いたものはなんだったんだろう。

この村で特別仲のいい友達はいない
と少しさびしげに言っていた彼女。
どんな毎日をおくっているのだろう。

イマジネーションを膨らませながら
バスに揺られる。

スーツケースも吹っ飛ぶ速さで


旅のこんなちょっとした出逢いが
人生を味わい深いものにしてくれる。

世界はまだ知らないたくさんのストーリーに
満ちているのだなあと。

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